一石三鳥の褒め言葉
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記事:やまだまな(ライティング・ゼミ12月コース)
「みんなの良いところは山ほど出てくるのに、自分のことは悪いところしか出てこないんですよ」
友人がこぼした言葉は、生まれながらに自己肯定感が人一倍低い自分と重なった。
「誰よりも優しい子だね」「いつもニコニコ笑顔なところが好きだよ!」
年を重ねて学校や部活動、所属するコミュニティが変わっても、自分に対するみんなからの褒め言葉のほとんどは決まってこの2つだった。周りから度々褒めてもらえるところだけは、自分の良いところであると認められていた。
人から褒められることは誰だってうれしい。褒められた時には、うれしさが爆発するあまりぐっと涙が込み上げてくることがあるし、行く先もなく走り出したくなることもある。
しかし、自己肯定感を保つことだけは大の苦手だ。
保つことができるのは、話している相手が褒めてくれる時や手紙やSNSで受け取ったうれしい言葉を読み返している時くらい。褒められた一瞬だけは自己肯定感が上がるものの、自己肯定感が高い状態を維持することがどうしても難しかった。
人の性格は3歳までで決まると言われているし、誕生日占いでも「短所:自分に自信がない」と断言されている。そんな人間が自分に自信を持つことは、生涯できないと思っていた。
一方で、自信創出力だけはやたらと高い。
全校生徒が見守る文化祭のステージ、大人や就活生に囲まれた面接会場、多くの人が緊張するような場面で、ほとんど緊張したことがない。いわゆる、プレッシャーを味方に変えられるタイプの人間だ。
けれども、自信創出力が高い理由は、みんなから受け取った褒め言葉がお守りとして生きているから。紛れもなくみんなからの褒め言葉に生かされているからなのだ。
「自分がされてうれしいことを、相手にしてあげなさい」
小学生の頃どこかで教わった言葉を思い出して、ふと考える。
相手に褒められることはもちろんうれしい。しかし、自分から相手を褒めることはもっとうれしいことなのではないか? 相手を褒めることは、相手の良さを認めること。それは同時に、自分の性格を認めることだと気がついた。
愛おしい後輩、憧れの先輩、いつも一緒の同期、どんな立場の人に対しても、些細なことでいいから褒め言葉を贈りたい。自分自身では気づけていない、あなたの良いところを教えてあげたい。救える限り、周りの人の心を救いたい。
人を救うことで、自分の心も救うことができる。
自分自身だけでも、自己肯定感を保てる方法を発見した瞬間だった。
モノは生まれたら廃れてしまうが、言葉は生まれたらずっと生き続ける。目には見えないけれど、いつの日かあなたがかけた言葉が、今も誰かの心の中で生きているかもしれない。
たった一言で、救える心があるかもしれない。
ところが、自分から相手を褒められるのは、あくまで自分から見た相手の良いところ。1人で褒める場合はどうしても主観が入ってしまうから、救える人の数も限られてしまう。しかし「相手を褒める」行動が連鎖すれば、救える人の数も必然的に増えていくはず。
そう考えていた時、魔法の言葉を手に入れることとなる。
「〇〇さんが、あなたのこと〇〇〇〇って褒めていたよ〜」
自分がいない場で私の名前が話題に挙がった時、みんなが私のことを褒めてくれていたよと報告されたのだ。
周りには自分のことを見てくれている人がこんなにも沢山いるんだと気がつくことができるし、自分の何気ない行動が客観的に評価された気持ちになった。
「私がその場にいなくても褒めてくれる人がいること、会わなくても誰かの心の中で生きられることって、こんなにもうれしいんだ……」
これでもかと言うほどの喜びに満ち溢れ、自己肯定感がめきめきと上がった。
「教えてくれてありがとう。今度、その子たちに『とても喜んでいたよ、ありがとう』って伝えておいて」
私に報告してくれた相手と、褒めてくれたみんなには必ずお礼を伝える。それと同時に「それを報告してくれるあなたのそう言うところ、素敵だよ」と褒め言葉もプレゼントすれば、たった1人で3人以上の自己肯定感を上げられる。
魔法の言葉を手に入れた私は、自分の主観だけではなく客観的にも相手の良いところを伝えられるようになった。
さらに、自己肯定感が低いがゆえの「みんなの良いところが山ほど出てくる」性格を生かせる絶好のチャンスだと気がついた。それは、話している相手を褒めることを大前提として、さりげなく共通の知り合いを褒める話題を出してみること。今度は私が、その場に居ない人物の話題を出す側になるのだ。少なからず、相手には共通の知り合いの良いところを広められるし、相手から共通の知り合いに報告してくれるきっかけにつながるかもしれない。
「〇〇さんが、あなたのこと〇〇〇〇って褒めていたよ〜」
一石三鳥の褒め言葉が、あなたの周りにも広がりますように。
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