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自分をグルリ、世界をグルリ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:ふみふみ(ライティング・ゼミ 9月コース)
 
 

人はその人が見たいものしか見えない。
と、いうことは自分という視点でしか物事が見えていないということだと私は思う。
自分視点でしか見ていない物事を他の視点から見てみるとどうなるか?
そう、新しい世界が見えてくる。
 
物事を他の視点から見ることは、自分の中の世界をグルリと変えることだ。
なぜそのように感じたのか、話をしていこうと思う。
 
物事を他の視点から見ると自分の中の世界が変わると感じたのは私が大学を卒業して病院へ就職したときの話だ。
現在は結婚し、愛する夫と目に入れても痛くない2歳の娘と6か月の息子が2人いる。
育児に専念しているため仕事は休業中であるが、新人の頃の私が物事を他の視点から見ようとしなかったら今この生活がないと言っても過言ではない。
そのぐらい私にとって大事な出来事であったのだ。
 
私は3月に大学を卒業しリハビリの国家資格を取得、4月から病院に就職した。
就職してすぐに1週間程オリエンテーションを実施し、その後新人教育担当の者がついた。私からみたらいわゆる上司というやつだ。
その新人教育担当者の第一印象は「綺麗な人だな」だったのだが、口を開けば初対面である私に対して言い方がキツい。何かしたわけでもないのに。とにかく責められている感覚。第一印象が「綺麗だな」から「キツイ人だな」に一瞬でひっくりかえった瞬間であった。
 
その日から地獄の生活ははじまった。
新人教育担当者からは、どんなことをしても責められる。どんな工夫をしても怒られる。
自分なりに色々試してみるも撃沈な日々。
上手くいくように努力しているのに、努力が空回りする。
私が話かけるとそっけない返事が嫌で話かけるのも勇気がいるのに、勇気を出して話かけても毎日毎日ダメだしばかり。
時には私の表情がムカつくという理由で、廊下で「嫌い!」と言われたこともあった。
もう何をやっても効果がない……。
人はあまりにも責められたり、怒られる経験をすると、段々表情がなくなっていき「仕事にいきたくない」 ではなく「死にたい」に変わる。きっとその当時は心が病んでいたのだろう。夜寝るのも嫌だった。だって朝が来てしまうから。
しかし、仕事は休まず行き続けた。なぜなら、患者さんと接するのは好きだったからだ。
 
仕事では辛い気持ちでいっぱいであったが、休みの日はできるだけバレーボールをしていた。もともと小学生の頃から続けていたバレーボールをすることは楽しい気持ちになれたし、自分の心が楽になれたのだ。
しかし、好きであったバレーボールが私にとって一つの区切りになる出来事が起きる。
 
職場の人たちとバレーボールをしている時に、右のアキレス腱が切れてしまった。
全治3か月。歩けないと仕事にならない。
仕事ができないということは、休職確定。
職場の人たちに迷惑をかけてしまって申し訳ない気持ちになったが、心が病んでいたこともあり休めることは自分にとっては正直ありがたかった。
 
アキレス腱は手術をし、リハビリをする側からリハビリされる生活へ。
入院中、他の上司とともに新人教育担当者もお見舞いにきてくれた。
また仕事の時のように「なんでそんなことしたの」「みっともない」等とまた責められるんじゃないかと思ったが、「大丈夫?」「早く良くなってね」と優しい言葉を私にくれた。
この時に嬉しかった気持ちと、何か自分の中で疑問が生じた。
この新人教育担当者はキツイ人ではない?と。
 
その日から新人教育担当者に対して色々考えた。
新人教育担当者がキツイ人でないとしたら、優しい人だとしたら、なぜ私にキツイ言葉をかけてくれたのか、と。
私が一人前になれるように人一倍厳しく接してくれていた?
私のコミュニケーションの仕方を変えて欲しかった?
もちろん感情的になって相手に「嫌い!」等と言うことは良いこととは思わないけど、きっとその人なりの最大限の教育方法だったのだろう。
 
「全て私のためを思ってしてくれたことだったんだ!」
そう思えた時、新人教育担当者の言動に対して感謝できるようになった。
物事を自分視点ではなく他の視点からみることで新人教育担当者に対する気持ちが変化した。
私は「この人に責められているかわいそうな新人」から脱却できたのだ。
 
約2か月半後に仕事へ復帰。
復帰してからは新人教育担当者にも嫌な気持ちなく話かけられるようになったし、新人教育担当者からは怒られることも責められることもなくなった。むしろ笑顔で接してもらえることも多くなった。仕事がどんどん楽しく、「頑張ろう」と思えた。
 
この新人教育担当者と、アキレス腱が切れることがなければ私はずっと物事を自分視点のみでしか見ることができない人間のままだっただろう。
私の例は極端かもしれないが、物事を他の視点から見ようとすることで人生が変わることもできる。
もちろん、他の視点から考えてみても解決できないこともあるかもしれない。
しかし、自分視点のみでしか見ることができない景色や気持ちがあるのは事実だ。
 
みなさんももしかしたら躓くこともあるかもしれない。
転ぶこともあるかもしれない。
良いことも悪いこともあるのが人生だ。
ただ、悪い事実が実は悪いことだけではない。
悪いことの中にも自分にとって教訓となることや良いことが含まれていると私は思う。
他の視点で物事を見てみたい、そう思った時は「もし~だとしたら?」「分かるとしたら?」と仮定して考えてみると他の視点で物事を考えられるのでおススメだ。
 
物事を他の視点から見ることは、自分の中の世界をグルリと変えることだ。
グルグル変えることで、自分の中の世界を変化させ広げることができる。
きっと視点を変化させることは、自分の人生を面白くする一つの方法なのだ。
私は、そう思う。

 
 
 
 
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2024-10-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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