私がプロポーズされない42の理由を考察する
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:izmy(ライティング・ゼミ9月コース)
40代の独身。結婚経験はなし。「独身貴族」という言葉は昭和生まれの方にはお馴染みだが、私は日々、自由で快適な時間を過ごしている。ヘッドスパ付きの美容院にて、手に取った雑誌では各業界の有名人が本を紹介していた。有名女性テレビプロデューサーが「『シングル・イズ・ドラッグ!』が刺さった」と紹介していた本は、コラムニストのジェーン・スーさん著「私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな」だった。私から結婚願望が消え去った理由が、この本できっとポジティブに言語化されているのではないか、と感じて、さっそく購入。とても痛快に男性と女性の不完全さに切り込んでいて「あるある!」と心の中で大笑いしながらあっという間に読了。これらのプロポーズされない理由たちは事実をグサリと言い当てていて、この逆で過ごしていたら、確かに結婚できそう。
試しに、自分に当てはまる項目を数えてみたら、42個! 日本人にとって縁起の悪い数字で、これまた縁の遠さを象徴している。
42個を列記するとそれだけで字数がオーバーしそうなのでいくつか引用すると、
「あなたがすでにプロポーズしている(結婚できる女は全員キャッチャー。結婚できない女は全員剛腕なピッチャー)」
「そもそも、彼と結婚したいのか、ただ結婚がしたいだけなのかよくわからない」
「誕生日やクリスマスに、彼の好みを変えようとするプレゼントを贈ったことがある」
これらと同じく「あるもの」が欠如している、
「ホワイトデーやクリスマス、誕生日に彼がプランしたロマンチックな演出を、受け止めなかった」という理由をもとに、思い出話をしたい。
彼、ではないが、何度か二人で休日遊びに行ったりしていて「いい線、いけるかも?」と交際の発展を期待していた男友達との出来事。
趣味に関する私の達成記念日に仲間たちで集まっていたところ、
「おめでとー!」
と裏から数名で持ってきたのは、灯火ゆらめくサプライズケーキだった。
嬉しい、ともちろん思ったのだが、
「え?! この程度のイベントでサプライズケーキ?!」
と疑問を持ってしまった。
「あ、ありがとう!」と、あっさりロウソクを吹き消す。
男友達はちょっとがっかりした表情をしながら「泣かせようと思ったのにな~!」と冗談めいて言った。
これに対して「えー、泣かないでしょう!」と笑って答えた。
別の友人からの後日談で知ったのだが、男友達は記念日に向けて周りの友人やお店のスタッフに事前に相談して、忙しい時間の合間を縫って準備してくれていた。ところが、私は「単なる彼が好きなサプライズ」と性格によるものと捉え、私の物差しで評価をして「もうちょっと違う演出があるのでは?」と心の中でケチをつけていた。
圧倒的に足りなかったのは、男友達の心遣いや行動を想像して受け止める「思いやり」だった。
ここで瞬時に、相手の見えない努力を察知し、仮に涙は出なくとも
「わぁ、本当にありがとう!!こんなに準備してくれたなんて!」と喜び跳ねていたら、今頃、カフェでゼミの締切に追われながら独身の理由を探るライティングなんて書いておらず、幸せな光を放つイルミネーションを見ながら、彼と彼との子どもとはしゃいでいたかもしれない。
このエピソードを含め、男性との関わりにおいて、ジェーン・スーさんからのアドバイスが突き刺さる。
「女友達にやらないことは、付き合っている相手にもやらない方がいい」
ああ……そうでした。気を許した男性には、雑な扱いをしてしまう。
一方で、女友達には、いただいたプレゼントやサプライズが多少微妙なものであっても、友人の気持ちを素直に喜んで「わーい!」と即座に笑顔を見せ、「忙しいのにありがとうね」と言える。
なぜ、男性にはそれができないのかを考えてみると「私がどんなことを言っても器の大きい男なら受け止めてくれる」といった、歪んだジェンダー意識と、私への愛情を試す、という意地の悪い気持ちが潜んでいた。
もともと結婚をしたい理由も「適齢期とか悩む前に、他の女性よりもいち早く結婚や出産をして、先輩風をふかせたい」だったし、いつでも主役は自分、「相手の心」は不在だった。
でも、いつも「自分勝手な女」ではない。
学生時代はひとり親の家計を助けるためにアルバイトや家事をして家族のために働き、他人には自分のキャパシティ以上に気遣いを心がけ、誰かのために生き、自分が本当は何をしたいのか分からなかった。思い悩みながらも、がむしゃらに頑張っていたら、ある程度自分で稼げるようになっていて、推しキャラに囲まれた空間で過ごし、習い事をしたり、自由に旅に出かけたり、もう抜け出せない最高に居心地のよい自分専用のエデンとなった。これが「シングル・イズ・ドラッグ」というキャッチフレーズに私が強烈に同意した背景だ。
今、生きるのがやっと楽しくなってきた。プロポーズされなくても、強がりに見えても、自分らしく生きられて、私は幸せ。遅れた青春を謳歌する中で、これからは思いやりを大切にしながら人との関係を築き、笑って愉快に暮らしていきたい。
***
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