感謝の心と道徳のおもてなし ~つながる縁と人情の力~
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記事:羽富 都史彰(ライティング・ゼミ9月コース)
日々の暮らしの中で、思いがけない人との出会いや心温まる出来事があると、人生の奥深さを改めて感じることがあります。26年前に体育館の受付で生まれた縁が再び巡ってきたこと。そして、キッチンカーでの出店中に出会った元教員の男性との交流。これらのエピソードは、私が大切にしている「感謝の心」と「道徳のおもてなし」の重要性を再確認させてくれるものでした。
26年越しの奇跡の再会
それは偶然の再会から始まりました。私がとある場所で出会った60代のご夫婦。その奥様が、「もしかして、羽富さんですよね?」と声をかけてくださったのです。
お話を伺うと、平成10年頃、つくば市の洞峰公園体育館で受付をされていたとのこと。当時、忘れ物の問い合わせが多かった中でも、私のことだけは特に記憶に残っていると言います。理由を尋ねると、私が忘れ物(車の鍵でした)を取りに行き、見つかった際に何度も感謝を伝えたこと、そしてその時の笑顔が印象的だったとのことでした。
「その時の感謝の仕方が、本当に素晴らしかったんですよ。こんなに記憶に残る方はいませんでした」と語る奥様。その話に私も感動し、思わず記憶がよみがえりました。その時、奥様はご主人様にも話をされたそうで、晩御飯の席で「忘れ物をされたお客様がとても素敵な方だった」と盛り上がったと教えてくださいました。
さらに驚いたのは、彼らが最近私の名前を知ったきっかけです。NHKニュースや新聞、地域の情報誌などを通じて、私が現在の街おこしや商売活動をしていることをご存知だったそうです。「あの時の忘れ物の方が、こんなふうに頑張っているなんて!」と感動し、偶然の再会に涙を浮かべながら握手を求めてくださいました。
「また愛(あい)ましょうね」と別れを告げた後、改めて出会いの尊さと感謝の力を実感しました。26年前の小さな出来事が、長い時間を経ても心に残り、人と人を繋ぐ力を持っている。これが「感謝」の持つ力なのだと感じました。
キッチンカーでの「道徳教育」と人情
そんな感謝の心を胸に、私は日々の接客・応対でも心を込めて対応しています。その中で、また一つ、忘れられない出会いがありました。
ある日のこと。茨城県のスーパー横に出店したキッチンカーで、いつものように伎芸型(パフォーマンス型)の接客をしていました。すると、80代前半と思われる男性がふらりと近づき、
「あんたね~、お客さんを教育しているよね~」といきなり大きな声で、言われたのです。
その方はネイティブな茨城弁で続けます。「俺は昭和39年の東京オリンピックの時に教員になったんだよ。さっきからおめぇの接客を観察してたんだけど、子どもに向かって『歯を磨けよ』『お風呂に入れよ』『墓参りに行けよ』『ママのお手伝いをしろよ』なんて、素晴らしいトークをしてるじゃねぇか。今の教育で欠けてるのは、こういう道徳心だよな~」その言葉に驚きつつも嬉しくなり、私は笑顔で答えました。
「ありがとうございます。亡き父からは、『気品と礼節を大切にしなさい』と教わっていました。」
すると、元教員だったそこの男性はさらに嬉しそうに笑い、「いやァ~、気に入ったよ! コロッケを孫と一緒に食べるから、8個くれないか?」と注文してくださいました。お買い上げの後も、寒空の下で15分ほど楽しい会話が続きました。
伎芸型(パフォーマンス)の接客を評価していただけたこと、そしてそれが「道徳心の教育」に通じるというコメントをいただいたことは、私の接客に対する自信をさらに深めてくれる出来事でした。
時代が変わっても残すべきもの
今の時代、ファミリーレストランでは配膳ロボットが料理を運び、街中では無人販売店が増えています。便利さを追求する現代社会において、直接の人と人との触れ合いは徐々に減少しているように思えます。
しかし、私はこのような時代だからこそ、人情や温かみのある接客がより重要になると信じています。26年ぶりに再会したご夫婦との絆、そしてキッチンカーで出会った男性との対話を振り返ると、単に接客をする側が「心を込める」だけでは不十分であることを感じます。そこには、接客を受ける側の「感謝の心」もまた欠かせないのです。
ちょっとした感謝の言葉や行動が、人の心に残り、新たな縁や奇跡を生む。この双方向の感謝の心こそが、温かい社会を作る基盤であり、「おもてなし」の本質ではないでしょうか。
感謝と道徳がつなぐ未来
教育は、共育(きょういく)とも言われています。それにプラスして道徳心を持つことで、地域愛を育む。そして、接客をする側も受ける側も感謝の心を持つことで、思いやりの輪が広がっていきます。昨今話題になっている「地方創生」の一環にも、このような取り組みがつながると考えています。
これからも感謝と道徳を大切にしながら、伎芸型(パフォーマンス)のおもてなしを続けていきます。どんな時代であっても、人との触れ合いの中で生まれる温かさを忘れず、日々の出会いに感謝を込めて。「出会い」は「出愛」。感謝の輪を広げながら、未来の縁を紡いでいきたいと思います。
まとめ
現代社会においては、単なる物やサービスの提供を超えて、人と人との温かい交流が求められる時代です。「感謝の心」と「道徳のおもてなし」を実践することで、人々が共に成長し、地域や社会全体の絆が深まるのではないでしょうか。過去の縁が未来の道を照らすように、私たち一人一人が心の中に感謝を持ち続け、互いを支え合う社会を築いていけることを願っています。令和の時代にふさわしい「パートナー」の関係性を育みながら、感謝と人情の力を広げていきます。まさしく、世間良し、相手良し、自分良しの三方良しですね。感謝の心は、一方通行ではなく、「お互い様」「お互い様」の心が大切ですね。多謝。
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