69才の叔母にPASMOを渡したら翼が生えた
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記事:金城まみ(ライティング・ゼミ9月コース)
沖縄出身の私は、現在神奈川県に住んでいる。時々、沖縄から親戚の叔母さんが遊びに来る。叔母さんは母の妹にあたる3姉妹の次女、現在69歳。
4年ほど前、こっち(東京)に来た時にPASMOの使い方を伝授した。
沖縄にはモノレールが走っているが、一路線のみなので、乗り換えと言う概念がない。乗り換えの時の切符は難関。いくら分買えばいいのか、迷路のような路線図にクラクラする。
しかし、PASMOがあれば乗り換えの時に
「いくらの切符を買えばいいのか?」そんな心配から解放される。
「PASMOがあれば切符の心配しなくても大丈夫だよ」
と話したところ、前向きな反応だったので一緒に切符売場でPASMOを買ってチャージした。
「次からは、ここでチャージできるからね」
チャージのやり方も説明した。
改札でPASMOをタッチして改札を通る。
ちょっと不安そうに「先にやってー」と、先に行かされ、同じ手つきでタッチして改札に入った。嬉しそうな叔母さん。
東京タワーに登ったり、いくつか観光をして回った。
改札を入る時も出る時も、ピッとタッチすれば乗り換えの時の料金の心配も不要。スマホで乗り換え案内の見方は、何度か復習してなんとなく大丈夫そうだ。
「これがあれば何処でもいけるね♪」
と、嬉しそうにしている顔を見て私も嬉しかった。
翌年、PASMOもしっかり持って叔母さんがこっちに遊びに来た。
ちょうど息子が横浜に住んでいるので息子の家に連泊。以前なら、桜を見に行きたいから連れて行って〜と言われていたが、最近は1人で何処まででも行ってしまう。
今回は、高尾山に登って、江の島にも行って、岡本太郎美術館に行くつもり。
PASMOがあるとこんなにも行動力が変わるのか。
「昨日は、ネドじゅんさんのイベントに行って来たの〜」
乗り換えがちょっと難しくて、不安だったから、駅のホームで近くにいた女性の方に聞いたら乗り換えの電車の改札まで送ってくれたそうだ。
「沖縄から来たんですけど〜、○○線ってどっちですか?」
「沖縄から来て電車がよくわからないんですけど、○○へはこの電車であってますか?」
と聞いているらしい。
叔母さんの可愛らしいこと、たくましいこと。
「沖縄から来たんですけど〜」これはパワーワードだ。
「PASMO」と「沖縄から来たんでけど〜」
この2つのアイテムは、桃太郎で言う猿と雉。
これさえあれば、何処へでも。
叔母:「明日は、滝を見に千葉まで行ってこようかなぁ〜」
私:「千葉って、3時間ぐらいかかるよ?」
叔母:「え〜だって、沖縄だったら、飛行機乗らないと他の県に行けないけど、電車だったらそのまま行けるよ〜」
私:「確かにそうだねー笑」
沖縄に帰った叔母さんから、ある日電話がかかって来た。
そんな時は、最近の近況報告を話すのだが、
「最近ね〜、友達に教えてもらったアプリで単発のバイト行ってて、そのバイトが楽しいの〜 」
「単発、バイト、アプリ」
正直、そんなワードが69歳の叔母から出てくるとは思わなかった。最近タイミーにハマっている。そうバイトアプリのタイミーだ。
聞けば、メインでしているパートがあるのだが、時々シフト調整があって前日や前々日に休みになることがあるらしい。空いた時間に何かできることはないかな、と思っていたところ、友達にバイトアプリを教えてもらったそうだ。ちなみにお友達は40代。
「それでね〜、こないだタイミーに出ていたクリーニング屋さんの工場のバイトに行ったら、すっごく楽しくて。2人ペアで作業をするんだけど、そのペアになった人と息がぴったり合って、周りの人達よりも早く片付いた時って最高よ〜。また行きたいなーて思って、最近はメインのパートが無くなった時は、そっちのバイトの募集出ないかなぁて楽しみにしてるわけよ〜。クリーニング屋さんの工場のバイト、朝6時くらいに募集が出るから、もう布団の中で5時半くらいからソワソワして、出た瞬間にクリックして行く訳さぁ」
うきうき感満載で話てくれた。パートが無くなった日に、違うバイトの募集をアプリでウキウキしながら待って、クリックしている叔母さんの姿を想像するとなんとも微笑ましい。まるで激戦のライブチケットが取れた時の、そんな高揚感すら感じる。
65歳で手にしたPASMOによって沖縄の叔母さんには翼が生えた。現在69歳。東京に来る度に、いろんな場所を巡ることを楽しみに普段からパートに行って旅行資金を貯め、健康な身体を維持する為に、適度な運動もしている。その充実振りに早く私もその領域に行きたいと思ってしまう、憧れの存在。
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