秘められたままの二刀流
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:春紀 沙和(ライティング・ゼミ9月コース)
「毎月、仕事終わりに撮影してもらっています。自分のセクシーな姿を」
習い事というか、趣味というか、2024年の個人的メインイベントというべきか。
「秘めフォト」という、自分史上最高にSEXYな写真を撮ってもらう天狼院書店の女性限定サービス。
多くの女性が参加し、満足度とリピーター率が圧倒的に高く、何年も続く大人気コンテンツだが、2024年には関連して「絶対麗度プロジェクト」が始まった。
「絶対麗度」とは、他人が決めた美しさではなく、自分が決めた美しさを指す。
月に一度の撮影と、撮影を通して気づいたことを記すライティング。そして日々自分と向き合うことで、それぞれの「絶対麗度」をめざす。
2024年1月からプロジェクトに入った私は、毎月秘めフォトの撮影に参加している。
第3金曜日の夜。なんとか定時で仕事を終え、大阪の職場から1時間半以上かけて撮影場所の京都天狼院に向かう。
会場につくや否や、メイクと髪の毛を整え、お気に入りのランジェリー姿になる。
撮影が始まると、仕事中には絶対に見せない、セクシーで、クールで、時にはキュートな表情になる。
その瞬間だけ、私はヒロインだ。
他の参加者の方達の素敵な姿に歓声を上げつつ、あっという間に撮影終了。
モデルでも俳優でもない平凡な私が、ライトを浴びながらプロのカメラマンに写真を撮ってもらう。ある意味「二刀流」である。親や親友、彼氏にも見せることができない、見せるつもりのない写真。陽の目を浴びることは絶対にない。
まさに「秘められたままの二刀流」だ。
私の職業は、モデルや俳優といった華やかな職業の対極にある。
良く言えば「縁の下の力持ち」で、悪く言えば「地味で目立たない」仕事。
秘めフォトの参加者の方達に職業を言うと「お堅いお仕事ですね」と言われることが多い。撮影に慣れて写真写りが良くなったとしても、セクシーでカッコ良い表情ができるようになっても、残念ながら私の仕事には全く役に立たない。
でも、秘めフォトに通い続けることで、可愛いにもセクシーにもなれる自分が好きだ。
なぜ好きなのだろう、と考えてみる。
煌びやかなランジェリーを身にまとい、照明やアングル、セットにこだわった撮影に参加できるという「非日常的な体験」を楽しめるから。
プロのカメラマンに撮ってもらう写真のクオリティーは高くて、自分が自分じゃないと思えるほど綺麗に写っているから。
でも、一番の理由は、秘めフォトは自分を表現するクリエイティブな場であるから。自分を表現することは許されない普段の仕事と真逆なことをする。脳の切り替えができるのが、この上なく快感だから。
職場の上司は「若手職員も意見を言ってほしい。新しい風を入れてほしい」と言う。
しかし、いざ意見を言えば「上司の言うことを聞くのが部下の仕事だろ。君は上司を立てることができないのか」とハッキリ言われたことがある。
自分の意見の述べ方や考えに対して詰めの甘さもあるが、納得いかないことも多い。
「自分で考え、行動しろ」と言われても、結局は上司の意見が絶対で、従うべきもの。
「組織で働く以上は仕方ない。お金をいただいているのだから」と自分に言い聞かせながら働く日々。
対して、秘めフォトは、全て自分で決める。
どんな表情で撮られたいか、どんなヘアメイクでどんなランジェリーで臨みたいか。
毎回の撮影で、私は一つのテーマを決めて、臨むことにしている。
例えば、柔らかな笑顔を多くする。クールな表情で決める。ランジェリーをメインに撮ってもらう。ランジェリーに頼らずに、お腹周りや背中のボディラインをメインに撮ってもらおう、など。
テーマ通りに自己表現できた時、「セクシー!」「カッコ良い!」「可愛い!」他の参加者の方から歓声を浴びる時は本当に気持ちが良い。
「流し目をしてカッコ良いオーラで撮ってもらおう」と思っていても、狙った通りに行かず「ただ不機嫌そうな人」に見えるように、仕上がりが上手く行かなかった時や、偶然によって奇跡のショットが生まれる時もある。この予測不能な面白さも快感だ。
「今日は買ったばかりのお気に入りのリップで行こう!」と意気込んで撮影に臨むも、納品されたデータを見ると、リップの色が自分には似合ってなくて老けて見える、なんてことも。
逆に、ヘアセットする時間がなくて急いで撮影現場に駆けつけた時に限って、とっておきの一枚が撮れたりする。
意識をせずにカメラに向けた表情が、今までの自分ではできなかったような、凛とした佇まいでハッとすることもある。
彩り豊かな私。写真を見返しながら思うのは「色んな表情ができるのは、きっと職場で辛いことや腹立しいことがあるから」ということ。
何もかも順調で、何もストレスがなければ、深みのある表情はできない。辛いことがあるからこそ、とびっきりの笑顔でいようとするのも人間だと思う。
何より、決して安くはない撮影代を払い、ランジェリーを買えるのは、働いているからこそ。今の仕事のありがたみも実感する。
2024年のプロジェクトもいよいよ大詰め。私の「二刀流」も終わりを迎える。
京都の撮影場所に毎月通うことはなくなる。
少し寂しさはある。でも、秘めフォトの中でどう撮られたいか、どんなメイクでどんなランジェリーで臨みたいか。ひいては、どんな自分でなりたくて、どんな風に生きていきたいのか。
1年に渡りクリエイティブ思考で考え、実践し続けた私は「二刀流」に励む前の私とは、違う。
自己肯定感が上がり、自分の気持ちに素直になって行動できるようになれたのだ。
だからこそ、新しい世界に飛び込み、チャレンジできるような気がしている。
「秘められたままの二刀流」はずっと秘めたままになるが、ずっと私の心の中で生きている。そして、ずっと私のことを優しく支えてくれる。
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