毎週2000字4か月文章を書いたら、わたし自身が「編集」されていた
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:永堀ちあき(ライティング・ゼミ1月コース)
ダウンジャケットを、クリーニングに出した。
冬がとうに昔のことになって、寒さの感覚が思い出せない。
そういえば、天狼院書店という、ちょっと変わった書店らしからぬ書店――このWebサイトの持ち主であるところの書店だ――の文章教室、「人生を変えるライティング・ゼミ」を受け始めたのも、冬の寒いさなか、1月のことだった。そのころはまだ、ダウンジャケットを着て外出していたのだ。
アウターがどんどん軽くなるこの4か月、私は、ライティング・ゼミの課題と格闘していた。
課題とは、「2000字の文章を、最後まで読んでもらえるコンテンツとして成立させること」だ。これがなんと、講座の4か月間、なんと毎週ある。そして、課題というからには、提出して終わりではない。評価がつく。
天狼院書店のサイト「Web天狼院」に掲載できるレベルなら、合格。レベルを満たしていないなら不合格、不掲載。コンテンツとして成立し、読みやすい文章を書くための技術やコツを、この文章講座で教わるというわけだ。
私は子どものころから、文章を書くのが好きだった。中学の生徒会だよりから、取引先に配るチラシの宣伝文句まで、いろいろな文章を書く機会に恵まれてきた。
しかし、文章の書き方を体系的に習ったことはない。代わりに、好きな作家や詩人の文体をまねて、自己流で試行錯誤すること二十年以上。
いつも、頭の中には、こんな不安が浮かんでいた。
「この文章、書いている最中の私だけが楽しいのではないか」
「読んでくれた人には、ちゃんと伝わっていないのではないか」
この世には、自分と似たようなことを思いつく人なんて、何千人だっている。
何世紀も前の哲学者が、私とそっくりな悩みにぶつかって、既に解決しているかもしれない。
それでも、自分の思いや考えを、自分の言葉で伝えずにはいられない。
どうしてそんなめんどくさいことを、わざわざ、やりたいと思ってしまうのか。
あんまりうまく言えないけれど、「ほかでもない私は、こう思う」と表明したいからだ。
たとえ昔の偉人や、同時代の音楽家が、私の感情や思考と似たようなことを言っていたからといって、私が口をつぐむ必要はない。ほかの誰でもない私が、私なりの視点で、私なりの言葉遣いでそれを伝えれば、それはひとつの価値をもつ。
それが、誰かの世界の見方をちょっとだけ変える可能性だってある。
だが、その価値だって、わかりやすい伝え方でなくては、他者には感じてもらえない。
美しい風景を写真に収めたはずなのに、肝心の写真が下手では、その感動がうすれてしまう。それと一緒だ。「確かにそれは感動するな」と思ってもらうには、撮影する位置の決め方とか、構図とか、色彩やレタッチなどの、理論的なポイントを抑える必要がある。
だから私も、伝わりやすく、読みやすい文章を書くために、再現性のあるメソッドを習得したいと思ったのだ。
そうして受け始めた文章講座は、効果てきめんだった。
読者の心をつかみ、関心を高める工夫。スムーズに読んでもらうための、小さな心がけ。書くネタがなくなったときの、ちょっと意外な対処法……
もちろん、これまで文章を書く中で、自分なりに個々のケースに対応してきた。講座の中には、「ああ、これ自分も無意識にやってるかもな」と思うようなコツもいくつかあった。
しかし、それらのコツは、あくまで対症療法的に発動する、「点」だ。文章講座は、それらの点と点をつなぎ、「線」にしていく。あるいは、「線」と「線」どうしの関係性を明らかにしていく。ちょうど、無意識のうちに習得していた母語について、改めて文法を学んだときに、「そうか、この言語のしくみって、こうなっていたのか」と気づくように。
だんだんと、霧が晴れていくような感覚があった。
私の、世界の見え方が変わった。誰かのそれを変えるより先に。
そうして、私の文章も、変化が現れ始めた。
友人からは、「文章の芸風が、なんか進化したよね?」と聞かれた。読者が苦手なパートナーからは「いつの間にか、最後まで読んじゃった」と感想をもらった。
技術が身に着けば、「もう今週こそ、書くネタがないぞ」と思って締切当日を迎えても、「どんなに小さなネタでも書き上げてやるぞ」という執念が勝つ。
あるいは、「さあ、来週こそは本当にネタが切れるだろうから、何か新しい場所に行ってみるか」と、思い切って街に出てみる。一つの体験から、できるだけ多くの発見を引き出して、私なりの視点と連結させる。
そのとき、手元にはいつも、ライティング・ゼミという文法書があるのだった。
何かをわかりやすく伝えるための工夫、それが「編集」だと、文章講座で教わった。
私の頭の中で、ばらばらに散らばっていた文章のコツを、わかりやすくまとめて「編集」してくれたのが、ライティング・ゼミだった。
そして、今度は私が、この世界で発見した価値を、もっと「編集」して、他の人にも伝えようとしている。
軽めのアウターすらも要らなくなって、次の4か月は、蒸し暑い夏がやってくる。
私はこの後、天狼院書店の別の文章講座に参加して、ライティングを続けていく予定だ。夏が終わるころには、私はどんな変化を、いや、どんな「編集」を経験しているだろうか。私だからこそ見出せる、新しい価値を伝えるために。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
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