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私が母に「ごめんね」を言わせていた


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記事:みやび♪(ライティング・ゼミ5月コース)
 
 
私(自分自身)をご機嫌にする方法を、半世紀を超えて、ようやく手に入れました。
 
え?
50年も生きてきてやっとなの?
 
という声が聞こえてきそうですが、すみません、そうなのです。
 
あなたは、自分のご機嫌をどうやって取っていますか?
 
 
私(自分自身)をご機嫌にできるようになったのは、ある出来事のおかげさまです。
はじめは、ある違和感からでした。
その違和感は、私を産んでくれた母との会話です。
当時、私は母と離れて暮らしていました。
そんな母と会話をすると、私の機嫌が悪くなるのです。
なぜかイライラ!
もちろん、いけないこととはわかっているのですが、どうも、いつもイライラ!
 
なぜだろうか? 
わからない……。
 
そんな中、一つだけ見つけたことがありました。
母が、言っていた口癖。
それが、私に対して「ごめんね、ごめんね」という言葉でした。
はじめの頃は「そんなこと言わなくてもいいよ」と私も返していました。
が、それが何年も続くと、私の中では「ごめんね、と言うのなら、ごめんね、と言わなくていいように(母の言動を)変えてくれたらいいのに」と思うようになりました。
晩年が近くなったころには、その言葉に心も意味もこもっていないように感じ、イライラ度が増していったのです。
 
母が逝ってしまい、その事実をようやく受け入れはじめられたころでした。
いろんな想い出を静かにたぐっていました。
そんな中、またもや、母の「ごめんね、ごめんね」が聞こえてきたのです。
今までは、聞きたくないという一心で、考えたことがなかったのですが、静かに考えました。
そして、ハッとしました!
 
私が言わしていたのだ!
 
そのことに気づいた私は、大ショックでした!
雷が落ちる、とはこういう感覚なのだろうと思います。
全身の力が抜けました。
 
そうなんです。
私が、母にそんな言葉を言うように仕向けていたのです。
そのことに気づいた時には、時すでに遅し、です。
「親孝行、したいときには、親はなし」
 
相手に言ってもらいたい言葉をまず思い描く。
それを言ってもらえるように、こちら側から言葉を紡ぐ。
すると、相手から、私が心地よく感じる言葉が返ってくる。
 
これができれば、こちら側の気分は、いつも安定していられます。
言ってほしい言葉だけを耳にすることができるのですから。
気分がいいに決まっていますよね。
 
以前の私は、母にだけではなく、誰にでもそうだったと思います。
相手の言葉に正直に反応し、その時に私が思うままに嫌味や苦言を呈していました。
それが、正しいこと、と思っていたからです。
また、そうしなければ、自分の気持ちが不快のままで、損だとも思っていました。
 
ですが、その言葉を受けとめた相手はどうでしょう。
気分が良いわけがないですよね。
言い返したくもなる。
私の聞きたくない言葉が返ってくるのは当たり前!
 
私が、間違っていました!
 
自分のご機嫌は、自分の言葉で整えられることを知りました。
他者は自分の鏡ですから。
 
その後、私のご機嫌が良くなる言葉だけを聞くため、自分のためだけに、意識的に言葉を選んで投げかけていました。
はじめは、自分のためだけにそうしていましたが、それは、相手のご機嫌も良くしているということに気づきました。
どういうことかというと、相手の自発的な気づきを促すことになったり、その場の雰囲気が和んだりと、良い場が生まれていきました。
 
その結果、コミュニケーションがうまくいくようになったのです
はじめての人とも、目上の人とも、ちょっと苦手だな、と思っていた人ともです。
 
そして、さらに良いことがあることに気づきました。
コミュニケーションがうまくいくということは、いろんな人との関係がよくなることですから、話は盛り上がります。
お互いに尊重、尊敬できる部分を見つけることができるのです。
すると、他者から自分が認められたという感覚がアップします。
これは、自己肯定感アップにつながるのです。
メチャクチャ素敵なことだと思いませんか?
 
 
これらは、私にとってとても大きな気付きであり、無形の宝物になりました。
母が残してくれたこの無形の宝物に感謝です。
 
 
あなたも一度、だまされたと思って、試してみてください。
キッと今までよりもラクに、多くの人と、より良いコミュニケーションをはぐくめることになるでしょう。
 
自己と他者を認め合い、育み合い、平和で楽しい社会が作られていく。
そうなるといいな、と思います。
 
私は今日も、その宝物をそっとポケットに入れて、楽しく過ごします。
 
 
 
 
***

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2025-06-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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