メディアグランプリ

インド人美青年の未来予知《絶対麗度ライティング》


*この記事は、「絶対麗度ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

絶対麗度ビューティー・レコーディング・ラボ

 

記事:伊藤美那(絶対麗度ライティング)

 

「アナタ、これから2人、子供持ちマス」

 

……は?

 

GWの有楽町。毎年恒例のクラッシック音楽のイベント。

いつも顔を出しているシャンパンのお店で、グラスを片手に音楽を楽しんでいた。

参加者と気軽に仲良くなれる雰囲気の中、インド出身の美青年に話しかけられ、会話をしているといきなり言われた。

 

昼間からシャンパンを飲み続けているせいか、いささかヒアリングが心許ないが。

相手の英語も、巻き舌が甚だしく聞き取りづらいが。

それでも、聞き間違いでは、ない。

 

お前は何を言ってるんだ。

 

一気に酔いも醒める勢いで相手の顔を見ていると、続けて質問された。

 

「ワタシ、わかりマス。アナタ今、何歳?」

「え、48(本当はまだ47だな、としばらくしてから気づいた)」

 

一瞬、あれ? と気まずい顔をした後、彼は笑顔で「じゃ、楽しんでね」と足早に立ち去っていった。

 

一体何? 未来予知のアガスティアの葉でも持ってるの?

呆気にとられて見送ったあと、グラスに残ったシャンパンを飲みながら自分を納得させる言葉を探した。

 

少なくとも、今から子供2人産める年齢には見られたってことかな、うん。

 

思えば、昔から実年齢より上に見られることに慣れていた。

中学生の頃に『お勤めはどちらですか?』と訊かれたこともある。

大学に入った時は、3女くらいに見えたらしくサークルの新歓の声が一切かからなかった。

 

別にそれを嫌だと思ったことはない。

若く見えるね、とは誉め言葉ではなく未熟・幼いと言われているようで不快に感じることもあった。

早く大人になりたいと思い続けていたから、年より上に見られることがむしろ嬉しいとすら思っていた。

 

若い頃に老け顔だった人は30代以降に若く見られるようになる、とよく言われる。

が、私の場合はついぞそんなこともなく、年相応に見られることすら稀な状況だった。

40代も後半になるとわざわざ年齢を訊かれることも少ないし、たとえ若く見えると言われたとしてもお世辞だろうし、このまま生涯老け顔で生きていこうとのんびり考えていた。

 

そんな私が、今この年齢から子供2人?

想像もしてなかった家族計画に、シャンパンを吹き出しそうになる。

謎のインド人美青年の真意はわからないが、少なくともありえないほど若く見積もられた可能性は多少はあるのかな。

そう思った時、不快ともお世辞だろうとも思わない自分に気づいた。

 

もしかしたら。

若く見られるのが嫌だ、というのは可愛くない・可愛げのない自分に対するコンプレックスの裏返しだったのかもしれない。

だから大人びた自分を気取って、老けてみられるのなんて気にしてませんよ、とアピールをしていただけだったのかもしれない。

可愛げなくても、これが自分。今は強がりでなくフラットにそう思える。

周りからどう見られようが、自分にある程度の満足をしていれば心は大して揺らがないのだろうか。

誰かと比べたり、人目を気にしたり。そのステージから解放されつつある自分に改めて気づく。

これも絶対麗度で見につけた自分のスタンスなのかな、と。

 

ぼんやり考えている私に気を使ったのか、お店のマダムがサービスでシャンパンを注ぎ足してくれた。

 

「聞いてくださいよー。私、今この年から子供2人持つんですってよ」

私の年齢を知っているマダムにそう言うと、輝く笑顔で返された。

「あら、お子さん2人いるシンパパと出会うってことじゃない?」

 

―――――それか。

***

この記事は、天狼院書店の「絶対麗度ライティング」にご参加の方が書いたものです。

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2026-05-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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