「ぼっち」じゃなくて、「ソロ活」でいこう
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:りりぃ(ライティング・ゼミ5月コース)
「おひとり様」「ぼっち」「シングル」「バツイチ」
これらの言葉は、日々の会話やSNSの投稿で、わたしがわたし自身を表すために、自然と使ってきた言葉たちだ。
でもある日、ふと手に取った雑誌の言葉に、ドキリとさせられた。
もしかして、わたしが普段使っているその言葉の奥には、
「独りだけど、寂しくなんかないですよ」っていう強がりや、
「楽しそうに見えるけど、ほんとはちょっとだけ寂しいんです」っていう、誰かに気づいてほしい気持ちが、そっと隠れているのかもしれないって。
前者は、もしかしたら“気丈な自分”を守るため。
後者は、“見えない部分も知ってほしい”という、ささやかな願いなのかもしれない。
だけど私は、リア充っぽく見せようと無理してるわけじゃない。
ただ、感じたままの「楽しい」や「うれしい」を、素直に言葉にしているだけ。
離婚して、子どもが6歳のときにシングルマザーになってから、悲しみや不安と向き合うたび、自分の感情にフタをする術を覚えた。
ネガティブなことを、誰かに助けて欲しいとはしてこなかった。
でもね……
人生の折り返し地点を過ぎて、両親を見送り、姉が重い病を患い、
そして去年、自分自身もがんになった。
心が追いつかない出来事が、次々とまるで波のように押し寄せてきた。
人間関係だって、いいことばかりじゃない。
面倒なこと、悩ましいこともたくさんある。
あぁ……
もしかしたら私、
どこかでちょっと、踏ん張る力が抜けてきていたのかもしれない。
そんなふうに、心のどこかで踏ん張りがきかなくなっていた頃、ある言葉がふと目に飛び込んできた。
「ソロ活」
それは、シニア世代に向けた人生を楽しむためのヒントとして紹介されていた言葉だった。
「一人の時間をポジティブに楽しもう」
そんなメッセージの中で、何気なく書かれていた「ソロ活をする」という一文は、そのときのわたしには、驚くほど強く、そして鮮やかに心に響いた。
もちろん、「ソロ活」という言葉は前から知っていたし、何度も目にしてきた。
でも、あの日の「ソロ活」は違った。
ただの流行語ではなく、“これからのわたし”に必要な言葉として、真っ直ぐに飛び込んできたのだ。
そうだ、わたし知ってた。
心理学の勉強でも、カウンセリングの講座でも、
「マイナスな表現をプラスの表現に変えてみよう」って、何度も学んできたし、
それどころか、自分のセミナーで受講生にそう教えてもきた。
なのにー
いつの間にかわたしは、自分で「おひとり様」とか「ぼっち」とか「バツイチ」とか、
そんなラベルを選んで、自虐っぽく笑いながら口にしていた。
「平気です!」って装うために。
でもその言葉たちは、知らず知らずのうちにわたしの心を少しずつ削っていたのかもしれない。
言霊(ことだま)
口にした言葉は、やがて心に染み込んでいく。
軽く吐いたはずの言葉が、少しずつネガティブな塵となって、心の奥にじわじわと積もっていく。
「推し活」「温活」「菌活」「婚活」「腸活」
そして「ソロ活」。
最近よく耳にする〇〇活。
ふと、気になって辞書を引いてみた。
「活」という言葉の意味には、こうあった。
“水が勢いよく流れるように動く。働く。生きる。生かす”
なるほど、そうか。
「活」には、命のエネルギーみたいなものが込められているんだ。
動き、勢い、力、そして前向きさ。
どの「活」にも、何かしらのポジティブな意志が感じられるのは、そんな意味があるからかもしれない。
だからあのとき、「ソロ活」という言葉が、曇り空のすき間から差し込む一筋の光のように、
わたしの心にスッと入ってきたのかもしれない。
その気づきが、自分の内側にずっと絡まっていた思いを、少しずつほどいていく。
母子家庭として、同情されたくなかった。
卑屈に見られるのも嫌だった。
だから、自虐っぽい言葉を笑って使って、「大丈夫なんです」ってアピールしてきた。
でも一方で、
「楽しいよ」「うれしいよ」だけを表現することで、まるで苦労を知らない脳天気な人、みたいに思われるのも嫌だった。
だからこそ、自分から「おひとり様」や「バツイチ」といった言葉を使って、
私の背景を遠回しに伝えようとしていたのかもしれない。
でも、それって
気づかないうちに、自分で自分をネガティブな言霊で縛っていたんだな。
笑いながら放っていた言葉が、じわじわと心を追い詰めていたんだな。
ほんとうに、言葉って、強い。
そして言葉って、大切なもの。
「ソロ活」という言葉の選択が、わたしをもう一度自由にしてくれた。
仕方なく「おひとり様」になるのではなく、
自分の意思で「ソロ活する」と決める。
楽しいに出会い、心で感じるために、これからは「ソロ活しよう」でいこう。
会話の中でも、SNSでも。
たとえ誰かに向けた言葉であっても、
自分の口から出た言葉はすべて、やがて“言霊”として、自分自身に返ってくる。
だからこそ、これからは、自分を励まし、応援するつもりで、言葉を大切に紡いでいこうと思う。
そしてもうひとつ。
これからの自分に、そっと言い聞かせたいことがある。
わたしはきっと、苦労が顔に出ないタイプ。
しかも、おっちょこちょいで、スットコドッコイ。
何度も凹んで、傷ついてきたけど、それでも、99転び100起きで立ち上がってきた。
……だから、脳天気で苦労知らずに見えるのかもしれない。
これまでは、「そう見られたくない」という気持ちがどこかにあった。
でももう、気にしないことにする。
苦労知らずで楽しそうに見えるならそれでいい。
全員に好かれなくてもいい。
すべての人に理解されなくても、かまわない。
わたしの大好きな作家や小説にだってアンチはいるんだし。
周りの雑音に振り回されずに、自分の機嫌は自分でとって、
これからの毎日を、笑顔で、楽しく、軽やかに過ごしていこう。
***
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