28歳女、ノリで南米行ってみた #4 「日本は狭すぎる」 ーー地球の裏側で、天使が教えてくれた『人生の選択肢の増やし方』
*この記事は、「ハイパフォーマンス・ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:ほり
「会いたい人に、会いに行く」の証明
私には、人生を貫く揺るぎないテーマがある。
それは、「会いたい人に、会いに行く」。
この南米の旅も、そのテーマを全うするための、最も壮大なチャレンジだった。一見、無計画で衝動的な行動に見えるかもしれない。だが、その裏には、地球の裏側で懸命に生きる大好きな彼女に「会いたい」という、誰にも止められない強い願いがあったのだ。
彼女は、私にとって地上にいる「天使」だ。
なぜ彼女が天使か。それは、彼女が中学・高校時代、多感な時期に損得勘定も、ただひたすらに、人に優しく尽くせる人だったからだ。
誰もが苗字で呼び合う中、彼女だけは皆からあだ名で呼ばれていた。彼女の周囲には、いつも温かい光があった。私は、学校に行っていなかった高校時代、彼女に会いたくて、彼女に抱きつきたくて学校に行っていた記憶がある。掃除の時間が終わると、勝手に愛を強奪しに行っていた。
大人になってから優しくするのは簡単だ。だが、あの頃の、無垢で、大きすぎる優しさを持つ彼女の存在が、私には理解できないほど眩しく、そして尊かった。
その彼女が、語学の能力を生かしJICAに就職した。異国の貧しい人たちの教育のために、地球の裏側まで来たのだ。彼女の心根の優しさが、この進路を選ばせたことに、私は深く納得した。
そんな大好きな彼女に「会いたい」
シンプルで、誰にも止められない強い願いが、私をこの旅に駆り立てたのだ。
準備はほとんどゼロ。持っているのは、リュックサックひとつだけだ。
高山病の警告も、アレキパの公衆トイレで倒れた体調不良も、すべてはこの瞬間のための前菜だった。(何があったかはぜひ前回の記事をご覧ください)
ボリビアの首都ラパス(標高3,600m)。この天空都市の街角で、私はついに彼女との再会を果たした。
「親でも来んかったんに(笑)」
久しぶりの、懐かしい方言が耳に心地いい。そして、言葉にならない感情がこみ上げる、温かい抱擁。
再会した瞬間、これまでの全ての試練や困難が、一瞬にして遠い記憶へと変わった。私の「衝動」は、間違いではなかった。無謀に見えた行動は、揺るぎない「人生のテーマ」の証明として、このラパスの地で結実した。
標高4,910mの試練と、コンドルが見せた景色
しかし、再会までの道のりは、本当に険しかった。命がけだったと言っても過言ではない。
アレキパで体調不良になった私だが、幸運にも速攻回復し、次のミッションであるコルカ渓谷ツアーへと向かった。高山病の危険を承知の上の強行軍だ。
バスは、アンデスの奥深くへと進んでいく。ツアーのルートには、標高4,910mのチュクラ峠が含まれていた。これは、AI(Gemini)が最も恐れろと警告した高山病の、まさに最大の試練だった。
高山病の薬「ソロチピル」を飲み、車内でひたすら安静を保った。だが、私を襲ったのは、全身の力を奪うような、抵抗できないほどの「眠気」だった。意識を保とうとしても、瞼が重くて開かない。
旅の最高峰を目の前にして、私はほとんどの時間を寝て過ごしていた。
だが、目的地であるコンドル展望台「クルス・デル・コンドル」にたどり着いた瞬間、その重い睡魔は一瞬で吹き飛んだ。
深い渓谷の底から、巨大なアンデスコンドルが、ゆったりと、それでいて力強く舞い上がる。その雄大な姿を目にした時、私の心臓は激しく高鳴った。
4,910mの試練を乗り越えた瞬間。眠気と戦った先に、コンドルが飛ぶこの雄大な景色があった。この感動こそが、私の衝動を証明してくれた。
「この景色が見たかったんだ!」「この感動を味わいたくて、私は南米に来たんだ!」
体は鉛のように重く、疲労困憊の状態だった。それでも、魂が震えるような深い満足感があった。肉体はボロボロでも、心はしっかりと、旅の目的を果たしていたのだ。そして、あまりにも雄大な風景と出会うことができた。
私の「なんとかなる」は、無謀な楽観主義ではない。「行動さえすれば、道は拓ける」という、私の生き方のスタイルだ。その結果こそが、私の行動を肯定してくれる。
杖一本の哲学者が語る「旅こそ最高の病院」
高地での試練は、標高3,800mに位置するチチカカ湖でも続いた。
そこで出会ったのは、杖一本で世界を歩くポーランド出身の60代半ばの「本物の旅人」だ。
私がリュック一つで単身、南米に来たことを話すと、彼は笑った。そして、こう言い放った。「僕には、このスティック一本があれば、世界中どこへでも行ける」と。
おそらく彼は、人生で大きな病と闘った経験があるのだろう。私の英語力では、それを完全に理解することはできなかった。だが、彼は病室で伏せるよりも、こうして旅を続け、世界中の美しい景色を見ることこそが、最高の健康法なのだと語った。
彼の哲学は、私の人生のテーマをさらに深めた。「会いたい人に、会いに行く」それに加え、「見たいものを、見に行く」、「聴きたいものを、聴きに行く」人生を楽しむための、新たな指針が生まれた瞬間だった。
この達人は、その衝動が「人生を好転させる哲学」であることを、その生き様で証明してくれたのだ。
クライマックス:天使の告白と、広がる人生の選択肢
肉体的にも精神的にも一回り大きくなった私は、満を持してラパスへ向かった。友人との再会前に、念願の奇岩地形「月の谷」を観光した。アップダウンの激しい場所も、高山病を乗り越えた今となっては、難なく上り下りできる。心身ともに最高の状態で、彼女との再会に臨めた。
そして、ついに訪れた、友人との再会後の夕食。
そこで語られた会話は、私に最大の衝撃を与えた。
「日本に帰国することが決まっているんだ」という彼女の表情は、どこか晴れやかではなかった。
そして彼女は、私にその理由を正直に告白したのだ。
「日常にダンスがある南米が好き」
そして、「誰も知らない場所に自分を置きたい」
客観的に見て、彼女にとって日本は「狭すぎる」のだと、私も強く感じた。彼女は窮屈さを感じていたのだ。彼女は、ボリビアという国で、自分らしく、そして自由に生きる術を見つけていた。
私の人生のテーマは「会いたい人に、会いに行く」
私は彼女に会うことで、「自分の人生は、日本以外の場所を選んでもいい」という、人生を根本から変えるかもしれない、大きな選択肢を受け取った。
「広い広い視野で悩む」彼女の姿は、本当に輝いていて、羨ましく見えた。この発見こそが、彼女に会いに来れた最大の収穫だった。
数年で消える夜景と、帰国後「人生楽しみ力」を語る約束
彼女と別れる前の夜、私たちはロープウェイ「ミ・テレフェリコ」に乗った。
ゴンドラから見下ろすラパスの夜景。オレンジ色の明かりが多い、この美しい夜景は、街の発展とともに数年で白い光に変わり、やがて消えてしまうかもしれないという。
この衝動的な南米の旅で、私が手に入れたものは何だったのだろう。
それは、「会いたい人に、会いに行く」というテーマを全うしたことで得た、揺るぎない自信。そして、今この瞬間しか見られない一期一会の景色。
何よりも、生きている場所や環境が窮屈だと感じたら、人生には他の選択肢を選んでもいいという、大きな心の解放だった。
私の衝動は正しかった。行動さえすれば、人生の選択肢は無限に広がるのだと、この旅が私に教えてくれた。
【個人Note 編集後記】
「人生楽しみ力」を、今すぐあなたに
私の人生のテーマは、「会いたい人に、会いに行く」
この南米の旅は、そのテーマを全うした結果、「なんとかなる」という自信だけでなく、場所や環境に囚われない無限の選択肢という、何よりも大切な宝物を与えてくれました。
もし、あなたが今、「人生に窮屈さを感じている」「もっと自由に生きたい」と悩んでいるなら。
私がこの南米の混沌の中で見つけた「衝動を信じ、人生を楽しみ尽くす方法」をお伝えできればと思います。
人生は、自分で選んだ選択肢の連続でできています。
「人生楽しみ力」ーーこの南米の試練を乗り越えた今、私が最も強くあなたにお伝えしたいテーマです。
ぜひ、私と一緒に、あなたの「人生を楽しむ力」を取り戻しに来てください。
✈︎ 本編は個人Noteで連載中です。
よろしければフォローして、一緒に見届けてください。
ほり|天狼院書店アルバイト、衝動で南米へ|note 本屋アルバイトをしながら、ノリと衝動で人生を動かしてきました。今は準備ゼロの南米旅の真っ最中。「無謀だけど面白い」を物語 note.com
次回の予告: 天使と別れ、私は次なる目的地クスコへ向かいます。
しかし、旅のハイライトであるマチュピチュの入場券が、実はまだ手に入っていません…! このままでは、旅の目的を半分も見失ってしまう危機です。ですが、変わらず強行突破!
しかも、その道中、私はまたもや運命的な出会いを果たします。そして、その衝動のままに、異国の地で、文字通り「おどりくるって」いました!
マチュピチュのチケット問題、そして予測不能な「おどりくるい」の真相とは?
次回もご期待ください!
《終わり》
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