書くことで人は成長する
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【4月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《日曜コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:鈴木佳文(ライティング・ゼミ日曜コース)
「お前にできるわけがない」
尊敬する父の言葉に頭が真っ白になった瞬間を、今でもありありと思い出せる。
無意識に応援して貰えることを期待していたのだと思う。
思えば、これが人生初の挫折だったような気がする。
小学生の頃、父が買ってきてくれる岩波少年文庫を読むのが楽しみだった。
自然と読書が趣味になり、外で遊ぶよりも本を読んでいたかった。
実業家で俳人でもあった高祖父の名前を貰ったと聞いた。
どんなに頑張っても褒めてくれないけれど、読書量だけは褒めてくれた。
こんな素敵なお話を僕も書いてみたいと思う夢が膨らみ、「童話作家になりたい」と父に伝えた瞬間に言われた言葉。
「お前にできるわけがない」
心に棘のようなものが刺さった。
学年が上がっても、好きな読書は続けていた。
読書感想文でも困ったことは無かったし、そこそこは文章が書けるほうだと思っていた。
ちょっとした自惚れはあったのだと思う。
小説サークルを作っている友人と話をしていて、原稿を書いてみることになった。
書く機会を貰えたことに嬉しい気持ちで一杯になっていたが、本になってみれば気持ちはどん底に落ち込んだ。
「読むに堪えない文章。陳腐な構成。稚拙な設定」
講評欄に悪意を感じた。
笑顔の裏でそんなことを考えていたのか、ひどい文章ならボツにしてくれれば良いのに。
また、心に大きな棘が刺さった。
そんな棘が刺さった状態でも、人生のあらゆるステージで書くことが求められる。
傷つく原因となったのも書くことなら、良いことをもたらしたのも書くことだ。
大学への進学では、小論文が突破の武器になった。
僕が書いたコラムを読んだ社長さんから、仕事の依頼が来たこともある。
批判される恐れを抱きながらも、書く力の大切さを肌身で感じていた。
2012年9月。
ご縁があって、本を出すことになった。
ビジネス書でも書くことは楽しかった。
本を読んだ人から感想が来るのを妄想していた。
でも現実は、そんな甘いものじゃ無かった。
ぜんぜん売れない。
同業者からは「研修の参考にさせてもらった」なんて感想が来るのに、ターゲットにした人たちに届いていない感じだった。
ある出版社の社長に言われた。
「これじゃ、難しすぎて売れない」
新しい本の企画書が通った後で、「売れる本」が作りたいと厳しい要請があった。
要請に縛られて四苦八苦する。
書いていて全然楽しくない。
何とか書き上がりそうな時、データが飛んだ。
納期を伸ばして貰って書き直しを始めたが、全く筆が進まない。
「お前に出来るわけがない」
「読むに堪えない」
ここに来て、心に刺さった棘が強く主張し始める。
そんな時、たまたまネットで天狼院という書店の広告を見つけた。
「人生を変えるライティングゼミかぁ」
怪しい、怪しすぎる。
特にお店の名前が……
「でも、週1回投稿して添削が受けられるのはいいな」
リハビリで参加することにした。
ゼミでは、ABCユニットというシンプルなテクニックを学ぶ。
シンプルだけれど奥が深い。
自分が専門として指導している事業計画書の作成とも共通する部分があり、納得感は高かった。
Webに掲載されるには、投稿が一定以上の基準に達していないといけない。
苦しいけれど、毎週必ず出すと決めて提出している。
短いけれど、厳しいコメントが返ってくる。
でも、そのコメントに心に刺さる棘は無かった。
「なんだ、僕も成長しているじゃないか」
同人誌、雑誌のコラム、Webの記事、卒業文集。
黒歴史から仕事の成果物を含め、改めて読み直してみる。
明らかに文章力が上がっているのを感じる。
そうか、
これまでの経験は無駄なことじゃない、ネタだ。
遭遇する嫌な出来事も、ネタだ。
書くということに気持ちをシフトしただけで、全てがネタ。
あらゆる経験が宝物に変わる。
受講を決めた自分を褒めて上げたい。
いろいろと立て込んでいるので、現実的に見れば受けない判断が正解だ。
何もわざわざ〆切をもう一つ抱えるなんて正気じゃない。
でも、参加することで見えてきたことがある。
次の一歩を踏み出す、きっかけにもなりそうだ。
書くことは、成長することだ。
ある瞬間に書き綴った文章には、その時の自分が反映される。
経験、知識、人柄……
否応なしに伝わってしまう怖さもあるが、記録に残るので振り返ることができる。
それは、自分が成長してきた足跡になる。
書き続けることは、成長し続けることだ。
昨日よりも今日、今日より明日。
同じテーマでも、捉える視点や伝え方は変わってくる。
たぶん、書くことに苦手意識を持っている人ほど成長の幅は大きいと思う。
真剣に文章に向き合い、その時の自分の全力をぶつける。
不足している知識を学び、過去の捉え方を変える。
書くことには、自分を成長させる要素がたっぷりと詰まっている。
今週も〆切ギリギリの提出。
それでも自分の成長を信じて、最後まで書き続けよう。
ライティングセミを終えたとき、今までと違う景色が見えていることを、今から確信している。
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