メディアグランプリ

おもいでを思い出して


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記事:レント(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「夢を見るのは人間だけだ。夢を見続ける限り、おまえは人間なんだ」
 
画面の中のヒーローが、敵にむかって放った台詞だ。
私は今もこの言葉が、まだ幼かった時に聞いたこの言葉を忘れることなく覚えている。
 
 
 
アニメ、マンガ、特撮。
映像、紙面、カラー、白黒。
もう過去である昭和から、もうすぐ過去になる平成まで。
どんな時代だろうと、どんな年齢であろうとも。
人々は幼い頃から娯楽と共に生活してきた。
 
 
 
人が娯楽を作る以上、生み出されるものは全て人の言葉と行動になる。
だからこそ先ほど書いた「名言」は、忘れられる事なく私の心に残ったのだろう。
 
かくいう私自身も、少年誌から青年誌まで様々なマンガを買っては読んでいる。
アニメもそれこそ幼稚園に通っている時代から、幅広くはなくとも視聴している。
 
そんな私が思うに、名言や格言のような深い言葉は、昔の言葉でいう「子供向け」に多いと感じる。
青年向けの作品も同じく、深い言葉がまるで刻まれているように描かれていることもある。
 
 
今でこそ当たり前のように大人も子供もアニメを見る、マンガを読む。
どちらも昔は大人達から、子供の見るものだと言われていたが、今では何もおかしくない。
そして今も昔も当然のように、大人にも子供にも深い言葉を心に残す。
 
 
 
なぜ子供の見る作品がここまで広まったのか。
なぜ大人にも刺さる深い言葉を持った、子供向けの作品を大人達は残したのか。
 
 
 
もしかしたら、この二つは結びついているのかもしれない。
これは私が信じた私の信じる、墓穴すら堀り抜ける私の勘だ。
 
そして私は堀り抜けた。
二つは二重螺旋のように、しっかりと結びついていることが分かったのだ。
 
 
 
深い言葉を残すだけなら、アニメやマンガのような作品にする必要はないだろう。
言葉だけでいいのなら、文字を並べた「世界の名言百科事典」を売ればいい。
私の見た限りでは、事典ほどの大きさではなかったが、似たような本はあった。
 
だがしかし、そんな本が世界中の通貨で買われたなんて聞いたことがない。
聞いたことがない以上、文学賞のメダルでオセロができるような売り上げもない。
その道のプロというわけではないが、有名ならば一般人である私も知っているはず。
耳にすら入らないのだから、押して察するべし。
 
つまり、名言はただ残すような言葉で文字にはできても、人の心には残らないのだ。
 
 
言葉を名言として残したい。ならばどうすればいいのか。
答えは複雑だが、誰もが特急券付きで「答え」まで送ってくれそうなほどに単純だ。
 
文字だけでダメならば、肉を付けて文字以上の存在にするほかない。
人々の食べたいと思う肉をマーケティングし、味や匂いを情報としてくっつけていく。
すなわち作品にするのだ。
そうやって上手くいけば霜降りのような作品になり、好き嫌いを乗り越えた人々は文字の匂いによだれを垂らす。
 
ところが上手く肉を付けないと、その言葉は作品ではなく焦げやすい贅肉になってしまう。
焦げた贅肉はマーマレードを付けたところで食べれやしない。
肉になって見られたり読まれたりすることは単純だが、なんとも複雑である。
 
結論として、作品とは言葉を残すための手段の一つなのだ。
 
 
作品にすれば言葉を残せる、そして作品には大人向けと子供向けがある。
言葉を残すために子供向けが必要なのか、という疑問も出てくる。
大河ドラマのようにフリガナのない作品でも、深さを十分に残すことができるというのに。
 
この答えも単純。
誰でも腹が減るように簡単でもある。
 
 
わかりやすく、つたえやすく、おもいでに残すためだ。
小難しい分かりにくさや伝えにくさを、思い出にしないために。
 
 
特定でも不特定でも、人間は何かに対して疑問に思いながら生活している。
「今日のお昼はラーメンで本当にいいのか」
今の私が考えているこんな些細な事も、迷いを生み出す立派な疑問。
「ダイエットしてるんだからラーメンはどうなんだ?」
こんな疑問を思うのは、何がどうなって疑問になるのか知っているからである。
私は太ってしまうと疑問に思ったのだ。
 
 
だが大人でも子供でも、最初からなんのためにうまれるのか知っているはずがない。
なにをしながらいきるのかが、わからずにおわる。
それがいやだとも、疑問を持つべきことにも気付けない。
 
 
重要なその疑問を抱かせる方法。
 
それは残したい言葉をキーワードとして散りばめ、少しでも多くの人々に見てもらう。
深い名言を誰であってもわかりやすく、当時の大人達が未来へと。
年齢に関係なく、分かり、つたわり、思い出にのこす。
 
そうしていつの日にか、精神的に疲れ切ったその時。
 
あの日見た作品達を思い出すのだ。
 
アニメ、マンガ、特撮。
映像、紙面、カラー、白黒。
過去だろうと現在だろうと。
どんな時代だろうと。
どんな年齢であろうとも。
幼い頃から共に生活してきた文字と言葉がそこにいる。
 
 
 
私の中には、まだあの日の作品達が心に残っている。
そんな私の元気がない状態を乗り切る方法は、あの時わかってその時に伝わったことを。
 
 
 
そう、おもいでを思い出して。

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2018-08-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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