もっとお金をもらおうよ
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記事:植松真理子 (ライティング・ゼミ 日曜コース)
「こんなこと始めたんですよ」
「へぇーすごいね」
最近、社外のコミュニティに新しく参加したという話や、勤めている会社以外で何かの役割をもって活動し始めた、という話を聞くことが多くなった。
人生100年時代に備えて、今勤めている会社以外のつながりをもつこと、或いは会社を離れても自分の存在価値を発揮できる場をつくることが必要だという話題が、テレビや新聞で盛んに報道されるようになっている。いわゆるライフシフト論だ。
その影響で、動き出す人が出てきたのだろう。
その行動は、会社の同僚に話しても共感と好意をもって受け入れられることが多い。しかし、それによってお金を得ているというと、話は別だ。
「え、それはダメなんじゃないの!?」
「本業への真剣みが薄れてしまうんじゃないの!?」
などと、急に否定的な反応になる。そこで、
「お金をもらっているといっても経費です」
「費やさなければいけない時間とパワーを考えると赤字です」
というと、
「なぁんだそうか。大変だね」
と、また好意的な反応になることが多い。だから、お金の話はしないほうがいいという雰囲気になってしまう。
これは一体何故なのだろう?
勤めている会社以外での活動といっても、ライフシフトということを考えれば、お金を得られることは無視できない。無視できないどころか、大きな目的だ。
もちろん100%お金のためだけではなく、自分だからできるという「意義」や、「やりがい」だって求めている。
社会問題を解決することを目的とした社会起業家の取組みなどでは、資金的な余裕がない場合が多いからボランティアの協力者を必要としているし、ボランティアで協力する方にとっても、お金には換算できない爽快感や満足感を感じることもある。しかしこれは単発ならアリだが、継続的にはなかなか難しい。それ程、時間的にも経済的にも余裕がある人は多くないし、生活するための仕事を別にやらなければならない場合は、体力だって続かない。
だから、ぶっちゃけいくら儲かるの? それで食べていけるの? 食べていけるくらいに稼ぐためには、どのくらい働かなければならないの? さらに言えば、ぎりぎり生きていけるだけでなく貯金や旅行ができる程度には稼げるの?
……こんなことが重要な情報のはずだし、正直いって誰でも気になっているはずだと思う。しかし、しかしなかなかそんな話ができない。
それは、私達が「お金のことを話すなんてはしたない」という教育を、ずっとされてきたからだろうと思う。
もちろんお金にまつわる話題は、世の中にたくさん溢れている。投資や家計のやりくりや節約のアイディア。さらには、お金の使い方を人格や人生観の現れだといって分析したり、人との信頼関係がお金を運んでくれるのだから、まず人間関係を築きなさい、といったような道徳的な内容もある。
どれも大切な話だが、ポッカリ抜けている話があると思う。
抜けていることを皆わかっているのに、触れようとしない。そうしていることで、自分達自身に、「このことを考えちゃいけない」という呪いをさらに強くかけていような気がする。
「ハリー・ポッター」シリーズの主人公、ハリーも言っていたではないか。ハリーの敵・闇の魔法使いを、皆が名前をはっきり呼ぶのを恐れて「例のあの人」と呼ぶのに対し、「はっきり正体を見ようとしないから、もっと怖くなるんだ!」
抜けていると思うのは、何か正当な報酬で、どうやったら正当な報酬を得られるか、という話だ。
何が正当な報酬であるかについては、その人の立場によって解釈はまちまちだ。だから交渉が必要になる。これははっきり口に出さないと進展しない。口に出すのを遠慮すると、正当な報酬を得るのを我慢するという結果になりがちだ。
実際、今、会社を離れて行うフリーランスの仕事は、どんどん安くなっていっているように思う。この報酬で、生活を支える水準まで稼ごうとすると体を壊してしまうのではないかと不安になる。仕事の質や、仕事に対するモラルを守る余裕もなくなってしまうのではないだろうか。
だから今、ライフシフトをしようとしている私たちは、もっとお金をくださいというべきなんだと思う。もちろんただ言うだけだったら、うるさく言わない人に仕事が流れていってしまうだけだろうから、他に人に流れないだけの実力を持っていなければならない。
実力を持たなきゃというと重たいが、でもそうすることで、これからライフシフトする人達を助けることにもなる。そう考えると、次にやるべきことが見えてきたような気がする。
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