血だらけの冬を乗り越えて
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:木野 トマト(ライティング・ゼミ木曜コース)
また冬が来た……。
私は一気に憂鬱になる。なぜなら私の足が血だらけになるからだ。
なぜか冬になると膝からつま先にかけて強烈なかゆみに襲われて、血が出るまでかきむしってしまうのだ。その後は当然かさぶたになって残るため、とてもスカートをはける状態じゃないほどの惨状になってしまう。もうここ数年毎年のことだったので、諦めていた。
たまたま友人二人と遊びに行った時にその話をすると「それはすぐに皮膚科の病院に行った方がいいよ!」と口を揃えて勧めてきた。私は驚いた。たかだか痒いだけで病院に行くなんて思いもしなかったから。しかし友人たちは「ただ痒いだけでなくて血が出るほど掻いてしまうなんて普通じゃない。市販の薬やボディケアでも治らないなら、ちゃんと病院で見てもらった方が良いよ。病院で処方してくれる薬に良いのがあるから!」となおも強く勧めてきたので、行ってみることにした。
さっそく翌日病院に行ってみると、私の足を見た瞬間に先生は「乾燥性湿疹」と即座に判断した。しかも今季の冬は乾燥が特に激しく、去年同じ症状だったのであれば、間違いなく今年も湿疹は起こるし、ひどくなる可能性もあると付け加えられた。そのような病名があることにも驚いたが、私が病院に行くほどではないと思っていたが、友人たちに強く勧められて来院したことを告げると先生も友人たち同様に「これは受診してもらうレベルですよ。ここまで来たら市販のボディクリームなどでは対応できません」と淡々と話されたことにも驚いた。そうか、痒いときは病院に行くのか……。
そしてこれから処方される薬の説明を受けた後に、思い出したように先生が言った。
「そういえばお風呂で身体を洗う時、ボディタオルでこすっていますか?」
あまりにも私にとっては当たり前のことを聞かれたので、一瞬「?」となったが、「はい。もちろん」と答えると、ずっと表情を変えなかった先生が心底心配そうな顔になって言った。
「すぐに止めてください。ボディタオルで身体をこするのは百害あって一利なしです。特に乾燥肌の方はそれで悪化するんです。その洗い方を止めるだけでもかなり効果があります。これからは泡を手で乗せるようにして洗ってください。それだけで汚れは十分に落ちますからね」
もう、友人に病院受診を勧められてから驚きっぱなしだが、これが一番驚いた。ボティタオルで身体を洗うのがダメだったなんて。特に私の場合こすらないと洗った気にならないからガシガシ洗ってしまっていたので、それをこれからふんわり優しさタッチに変えなくてはいけないとは、大げさに言えば異国の文化に変えるくらいのレベルの変化であった。しかし、意外と言われたことはちゃんと守るタイプなので、言われたとおりにボディタオルを止めて手で洗い、言われたとおりに薬を塗る生活を始めた。
変化は劇的だった。
痒いところに塗ってくださいと処方されていたステロイド剤は初日の夜に塗っただけで、翌日からは塗らなくても痒くなくなってしまったため、丸々残ってしまった。ボディタオルを止めて、処方された保湿剤を塗って過ごしただけで、3日しないうちにカサカサだった肌はしっとりとし、一週間でかさぶただらけの足がきれいになってしまったのだ。
当然、処方された薬が効いたことも大きいのだろうが、ボディタオルで身体を洗うことを止めたことが私の中でかなり改善を実感できた。お風呂あがりの感じがまるで違うのだ。
あまり病気をしないので病院に行かないと思い込んでいたが、よくよく思い返してみれば、薬にあたってじんましんが出たり、業務用洗剤で全身にひどい肌荒れを起こしたり、草負けしてじんましんが出たり、靴下のゴムが強すぎて圧迫されたことによって炎症を起こしたり、皮膚に関するトラブルが多い人生でそのたびに皮膚科にお世話になり、なんとか肌を綺麗にしていただいたことが多かったのに、どうしてそれをすっかり忘れて友人に言われるまでほったらかしにしてしまったのか。これぞ、喉元過ぎれば熱さ忘れる日本人体質なのか。
ともあれ、毎年冬とともに地獄の苦しみを味わっていたのが、驚くほど短期間に劇的に改善することが出来、強く勧めてくれた友人たちに感謝するとともに、皮膚の弱い体質であることを忘れないように、何かあれば皮膚科を受診することを忘れないようにしようと心に固く決心したのであった。
最後にこれだけは再度強く言いたい。
お風呂で身体を洗うなら、手でなでるように優しく洗う!
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