寝正月、万歳!
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
【2月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:中園陽二(ライティング・ゼミ日曜コース)
今年の正月、風邪を引いた。
来年前厄なので、今年は前々厄、ということになるが、まぁそれは関係ないか。ただの不摂生だろう。
普段は仕事が忙しくて毎日終電ぐらいで帰っているのだが、そういう時は気が張っているからか、案外風邪は引かない。
年末年始、「今年も終わったー!」と思って気を抜いた頃から、タイミングを計ったように徐々に体調を崩し始め、ちょうど年明けあたりで寒気に頭痛、喉の痛みが襲ってきた。
完全に風邪である。
おかげさまで寝正月となり、奥さんと子供が奥さんの実家に帰る中、一人寂しく家で留守番となった。
風邪を引くのは辛いが、意外と悪いことばかりでもない。
一番大きなメリットは、堂々と寝られることである。
日頃、家でゴロゴロしていたら奥さんに「あんたいつまで寝てるの!」と怒られる。
もしくは子供に叩き起こされて宿題に付き合わされるか、遊びに付き合わされる。
しかし、風邪という免罪符があれば、堂々と寝られるのである。
「だって風邪やもん」
これに勝る睡眠の理由はない。
その上、心配してもらえて、家族が優しくなる。
あぁ、いつもこのぐらい優しかったらいいのに。
…というのは心の声であるが、思わず本音を書いてしまった。
奥さんがこの文章にたどり着かないことを祈るばかりである。
幸い今回はそれほど重症ではなかったので、逆にのんびり過ごせてよかった。
奥さんと子供が実家に帰ってから、自分で適当に料理を作って食べていた。
正月2日から自分好みの味のパスタを作り、ちょっと酒を飲んで、寝たいだけ寝る。
天国である。
もちろんしんどさはあるが、このグータラした生活の満足感のほうが大きかったりする。
ずっと布団の中にいると、考える時間がたっぷりあるので、日頃はなかなか余裕がなくて考えられないことにまで頭を巡らせることができる。
今度の旅行はどこに行こう、今年はどんな年にしよう、あぁあれも買いたい、あの人にも会いたい、などなど。
iPhone片手にベッドの中でいろいろとメモを取っていったが、見返してみるとなかなかの量になっていた。
実は机の前に座って仕事をするより、布団の中で仕事をしたほうがいいアイデアが出るんじゃないか、と思わなくもない。
なんにせよ、頭の中が整理できて、有意義な時間となった。
そう考えると、風邪というのは心と体をリセットするような働きがあるのかもしれない。
「たまにはちょっと休んで人生見つめ直しなさいよ」
と神様が言ってくれているのでは、と思ったりするが、それは都合が良すぎるだろうか。
とはいえ、平日は仕事が山のようにあるので、神様に甘えて仕事を休む、というわけにはいかない。
そろそろ危ないな、と思った時は、僕なりの治し方がある。
・葛根湯を飲む
・あったかい紅茶に、はちみつとチューブの生姜を大量に入れて飲む
・ポカリスエットを500ml一気に飲む
・首にタオルを巻いて、可能な限り厚着をして、電気毛布を最強にして汗をかきながら寝る
この4つを実行して、汗だくになって翌朝起きたら、大抵はマシになっている。
万人に効くかどうかはわからないが、もし風邪気味の人がいたらダメ元で試してみてほしい。
(もしそれでも治らない場合は、速やかに病院で薬をもらうことをオススメする。)
この方法でいつもは早めに風邪を叩いて治してしまうのだが、年末年始ということで今回は油断していたようだ。
でもまぁ、たまの休みぐらい、風邪を引いたっていいじゃない、とも思う。
「風邪を引く権利」というものがあるのなら、声高に主張したいぐらいである。
たっぷり寝られて、頭の中も整理できて、家族も優しくしてくれる。
こんなことなら月に一回ぐらい風邪を引いてもいいぐらいだ、と思わなくもないが、たぶん月に一回も風邪をひいたら、「あんたいい加減にしいや。体調管理ぐらいできひんのか!」とうちの怖い風神様に怒られるだろう。
それは困るので年に一回ぐらいがちょうどいいのである。
「充実した寝正月」を過ごしていると、正月に風邪を引くのは案外正しい正月の過ごし方なのでは、と思えてきた。
休みの間だから、仕事で迷惑をかけることもない。
どうせ出かけてもどこも渋滞である。
なんなら、人混みの中で風邪をうつされてしまう可能性だってある。
そんなことなら、最初から風邪を引いて寝正月を決め込んだほうが良いのではないか。
実際、Facebookで知り合いの投稿をみていると、年末年始に風邪をひいている人がかなり多かった。
それも特に日頃忙しくしている人たちが軒並み風邪にやられている感じであった。
別に狙って風邪になっているわけではないだろうが、僕と同じく緊張の糸が緩んで、体が油断してしまったんだろう。
風邪の引き溜め、とでもいうか、一年の風邪を今のうちに引いてしまえ!みたいなことかもしれない。
たまの長期休み、何をして過ごすか悩むところであるが、来年からは、わざと正月に狙って風邪を引くことにしようか、とちょっと本気で考えている。
*** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。 http://tenro-in.com/zemi/66768
天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 東京天狼院への行き方詳細はこちら
天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
天狼院書店「京都天狼院」2017.1.27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
【天狼院書店へのお問い合わせ】
【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。