メディアグランプリ

尖ったカメラ

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:mayu(ライティング・ゼミ土曜コース)
 
もうすぐ選抜高等学校野球大会が始まる。
 
2018年、夏の100回記念大会で初めて高校野球を現地観戦して以来、すっかりはまってしまい、年度末の忙しい時期にも関わらず、お休みを取って、選抜大会も現地観戦することを決めた。
 
平日はあまり時間が取れないため、そろそろ詳細スケジュールをたてないといけない。
宿泊先を確保し、大阪にいるお友達と会う時間を決め、当日の服装を考え、持ち物リストを準備していた時、ふと思い出した。夏の高校野球を現地観戦した時、心残りがあったのだ。
 
写真や動画が、全然撮れなかった!
 
私が持っているカメラはコンパクトデジタルカメラ。通称コンデジ。
軽いけれど、スマホより綺麗な写真が撮れる。購入当初は新商品で綺麗な写真にウキウキしていたのだけれど、自分が思っているより月日は流れていたらしい。
 
ズームで撮った写真がことごとくボケているのだ。外野席からの写真は全滅。
高校野球の醍醐味の一つ、ブラスバンドやチアリーダーを含む応援団の様子や綺麗な人文字も、動画で撮影したのだけれど、手振れがひどく、とても残念なものになっていた。
試合に夢中になれば、写真を撮っている余裕はあまり無いのだけれど、家に帰ってきて思い出に浸る写真が残念すぎるのは少し寂しかった。
 
自分の手持ちのコンデジを調べてみると、8年と少し前の商品。
普段から写真を趣味にたくさん撮影しているわけでもない私が、自分の脳内イメージに近い素敵な写真を撮るには、まずはカメラを変えるしかない。そう思い、野球を撮るために最適なカメラを探し始めた。
 
たまたま目にした野球観戦ブログを書いていた方は、Nikon COOLPIX B700を使用していると紹介していた。ズームが80倍くらいあって、外野席からでもかなりアップで写真が撮れるようだ。
 
私のコンデジは確か光学3倍だか10倍くらいだったから、ズームした写真がボケるのかと理解した。
同じシリーズを検索していたところ、後続機が発売されるという記事を見つけた。
新商品は現行品より、何かしら高機能になっているはず。素人の私には、機能でたくさん助けてもらう必要があるため、最新のものが良さそうだと感じた。
 
その最新機種は
Nikon COOLPIX P1000
 
なんと光学125倍ズーム!!
カメラの紹介ページを見ると、月面がくっきり撮れる。野鳥が大きく撮れると紹介されている。
月も鳥も撮る予定は全く無いのだけれど、これなら、外野からテレビ中継のような構図で、ピッチャーの背中とバッターの表情までバッチリ撮れてしまうのではないかとテンションが上がってきた。
 
ズームが凄くなったとしても、ピントが合うスピードが遅いとストレスになりそうと心配したが、そこも見事に調整されているらしい。自動でピントが合ってくれないととてもシャッターチャンスに間に合わせられる自信がない。素人の私にはとてもありがたい機能だ。
 
そして、野球の写真なら、バッターの打った瞬間やピッチャーの投げた時のかっこいい瞬間も撮りたいから、連写機能も大事。
昨年、名球会の試合を初めて観に行ったのだけれど、野茂投手のトルネード投法や王選手の一本足打法の決定的瞬間を撮りたくて連写したけれど、見事に撃沈したのだ。
このカメラは1秒約7コマらしい。私の持っているコンデジは1秒3コマ。これと比較すれば7コマは充分。運が良ければタイミングバッチリな感動的な写真が撮れるかもしれない。
 
さらに、4K動画も撮れるし、マクロ撮影は1㎝まで寄ることができるらしい。
フラッシュも光量が自動で調整されるようだし、夜景も綺麗にノイズが軽減されると書いてある。
一時期マクロ撮影や風景撮影にはまったこともあったし、野球観戦以外にもこのカメラが使えそうだ。
 
野球やスポーツ観戦メインに考えている私にとっては、とにかく遠いところからアップ写真を撮れるということにテンションが上がっていて、買うならこれしかない! と思い、店頭に実物を見に行った。
 
手に取ってみると、想像以上にゴツイ。そしてとにかく重い。
質量が約1415gだから、私が持っているコンデジ205gの約7倍。頭ではわかっていたけれど、この重いカメラを持って楽しく野球観戦ができるのだろうか。と考え始めてしまった。
この質量1点が気がかりで未だに購入には至っていない。
 
野球観戦という観点だけなら、金額的にも重さ的にも多分、他の機種の方がおすすめなのかもしれない。
一般的におすすめするには用途がかなり狭められた機種のようで、おすすめ商品として取り上げるには慎重に感想を書いている印象を受けるものをたくさん見たし、批判的な意見もたくさん目にした。
 
それでも私はやっぱりこの機種を超える魅力的なカメラを今は見つけられずにいる。
人と同じものがあまり好きではない、ひねくれものの私をとても刺激する。
平均値を取るのではなく、とにかくズームにこだわった尖ったカメラがすごくかっこよく見えるのだ。
 
これからいろいろなスポーツが本格的に始まる季節。
今年はラグビーのワールドカップも観に行くし、もちろん夏の高校野球も現地観戦するつもりだ。プロ野球の試合も今年は昨年以上に球場に足を運ぶつもりだし、積極的に色々なところに行きたいと思っている。カメラ素人なのに、こんなにこだわりの強そうな本気モードのゴツいカメラを持った自分を想像すると、なんだかおかしくて楽しくなってきてしまった。
 
人をワクワクさせる魅力がこのカメラにはある。
 
春はお花も綺麗に咲くし、新しいカメラを手に入れるのには、とても良いタイミングなのかもしれない。
日常に面白いことも楽しいことも見つけるのが難しいなと最近はテンション低く過ごしていたはずなのに、カメラのことを調べ始めたらワクワクの連鎖が見えて、だんだん楽しくなってきた。
 
まもなく始まるセンバツ高校野球。
組み合わせ抽選会は3月15日、朝9時。
目の前で繰り広げられる最高の試合を新しいカメラで撮ってこよう。
年度末の仕事もこれで乗り切れる気がしてきた。


2019-03-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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