友達関係を整理するために、たくさん友達が増えて人生がすっきりした私の体験。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:したみあきこ(ライティング・ゼミ日曜コース)
私はアラフォーだとばかり思っていたら、気が付くとアラフィフの年齢になり四捨五入はやめようと思っている繊細なお年頃である。
そんな私は最近、友達って必要なんだろうかと考えることがある。
それまでは、ずっと友人というものは無くしてはならないものだと思っていた。
友達はとてもとても大切で、大事な存在で、いつも助けられてきた。
それと同時に、悩みの大半も友人関係にあった。
その考えが、夫の一言によって随分と変わった。
学生時代からの友人と揉めていたときに夫がこう言ったのだ。
「そんなに心が波打つ相手とは付き合わなくていいんじゃない?」
目からウロコがぼろぼろこぼれた。
あれ、友達ってそんな簡単になくしていいんだっけ? と思うと同時に、ああそうだよね、と思う自分もいた。
思えばずっとずっと、一緒にいるだけでどちらかが我慢したり、お互いが不愉快になっている友人の顔を思い浮かべた。
一人ではなく、複数人。
ああ、あの人は私の悩みを延々聞かされて不愉快そうにしてたな。
そういやあの子は自分の愚痴は聞かせるくせに私の愚痴は聞かなかったな。
そうそう、自慢話しかしない子もいるし、相談にみせかけた自慢ばかりされたりもしたし、都合のいいときだけ仲良くしてくる人もいるな……。
て、多くない?
心が波打つ友人、多くない?
でも、もしこの『心が波打つ相手』と付き合わないとしたら……私の人生の半分は悩みがなくなりそうだ。
だって、そうしたら
――あなたは子どもがいないから、子どもの教育について口を出すのはどうかと思うとか言われないですむ。
――40歳過ぎてからの晩婚だったからか、そんなに結婚したかったの? とか言われなくてすむ。
――なんでもドンくさくて不器用だから、つい親や夫が見かねて焼き魚の身をほぐすのを手伝ってくれることを「なんで自分でできないのか」と呆れられることもなくなる。
なんてスッキリなんだ!
だって子どもいないけど甥っ子が可愛いし心配だし、だからおいっこの親である兄夫婦の手助けもしたいし!
結婚も昔はしなくていいかもと思ったけど、今はしたかったし!
魚の身をほぐすのも、ほっといてくれたら自分でやったし! でもやってくれるならラッキーと思ってしてもらっただけだし!
と考えると、『心が波打つ相手』と付き合わないというのは、なんて素晴らしいことなんだ。
無理して付き合うことないじゃない。
人間関係のミニマリストになろう、そうだそうしよう。
そう思い立って、私が機嫌を損ねさせてしまった友人、一緒にいると疲れるなと思ってしまう友人とは連絡を取らないことにした。
その結果、……とくに支障はなかった。
支障はないけれど、ちょっと寂しいだけだ。
以前は、夜遅くまで好きな演劇の稽古をして夜中にファミレスで語り合ったりした。
学生時代からの友人と、遅くまでマクドナルドで仕事の悩みや愚痴を言い合った。
アラサー、アラフォーになっても楽しかった。
悩みも多かったけど、楽しかった。
人間関係のミニマリストになった途端、良くも悪くも心が波打たなくなった。
そんな時、仕事帰りの買い物中に以前からの知人とばったり出会った。
同世代の女性で、友達といえるほど親しくはない。でも人を介して何度も会って会話のノリは合う人。
久しぶりに会ったし時間はお互いあるし、ということでお茶をしにいった。
そして、なんとなく時々お茶をする間柄になった。
それって、友達ではないか?
人間関係のミニマリストになろうとしているのに、人間関係増やしてどうする?
実際、その人を介して人間関係が増えた、というか今まであった関係性が変わった。
今まで顔見知りだった人と関わることが多くなったのだ。
それでも昔ほどの情熱で友人関係を築いてはいない。
なぜなら、それぞれに優先順位がはっきりしているからだと思った。
私は新しい友人たちと出会ったときには夫がいて、またその友人たちにも夫や子ども、恋人がいる。
なによりも大事なのは自分の大事な人と自分の人生であると、はっきり意思を持って生きている人たちだった。
彼女たちは私より先に、人間関係のミニマリストになっていた人たちだった。
人間関係をなくしてしまえばスッキリすると思っていたが、どうやらそうではなかった。関係の数でなく、質。自分の心の在り方なんだなと思えた。
仲間だと思うからダメなんだ、同類にしようとするから苦しくなるのだ。
例えば、同性として。同年代として。彼氏いない仲間として。未婚者として。既婚者として。その他いろいろ、いろいろ。
自分は一人であり、一人の人間として今は何を大事にしたいか。その気持ちを一番大事にすればいいと思えるようになった。
ようやく、そう思えるようになった。
今まで、友人関係という関係に甘えて相手まで引きずっていたのは、私自身なのだ。
友人関係というものが欲しくて、相手が優先するのもを私も優先しなければと、勝手に合わせていた結果なのだ。
身勝手なことに、私はなくしても良いと思ったはずの友人とも、また時折お茶などするようになった。
もう、以前のように相手を不愉快にさせることも、不愉快になることもあまりない。
全然ないとは言わないけれど。
けれど、私はたくさん友達がいて良かったと心から思う。
友達がたくさんいたからこそ、自分が一人であることに気づくことができた。
一人の人間として、どう生きていくか。
その方向性が見えてきたら、また友達とお茶をしながら語り合おうと思う。
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