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メディアグランプリ

私は、ムラサキ。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:辻麻梨菜(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
私は、ムラサキ。正確には、極めて青に近いムラサキ。
いつか、赤と青のちょうど真ん中、とってもバランスの良いムラサキになりたい。
 
私は、今年の3月末で新卒から6年間務めた会社を退職し、4月から“地域活性プランナー”という肩書きで、フリーランスになった。スキルも自信もない私が、フリーランスという道を選択したのは、「地元に恩返しをしたい」という、強い想いからである。
 
私の地元は、移住先としてとても人気の高い山梨県北杜市。東京から1番近い田舎としてメディアでも度々取り上げられている。そんな、みんなが憧れる理想の地域には、みんなが
知らない不思議な言葉が存在する。それは、「新住民」と「旧住民」だ。
 
「新住民」とは、北杜市に引っ越してきた移住者を指し、「新住民」は自分たちが「新住民」として区別されていることを、だいたいの人が知っている。「旧住民」とは、昔から北杜市に住んでいる人を指し、「旧住民」は自分たちが「旧住民」と呼ばれていることを、実はあまり知らなかったりする。
 
私がこの言葉に出会ったのは、今年の2月に北杜市で開催されたとあるイベントでのこと。
退職を間近に控えていた私は、北杜市の現状把握や新しい人脈づくりのために、有給をとって、張り切ってイベントに参加していた。
 
そんな中、突然耳に飛び込んできたのが「新住民と旧住民の壁」という、衝撃的なフレーズだった。驚いた私は、急いで周りを見回したものの、他の参加者は「日本人とアメリカ人」並みに違和感がないようだった。
 
そして、それとほぼ同じタイミングで、私はもう1つの違和感に気づいた。北杜市で開催されているイベントなのに、雰囲気はまるで東京そのものだった。言葉の選択、イントネーション、考え方、全てに置いて、「東京」を感じる、そんな雰囲気が漂っていた。
 
このイベントこそ、まさに「新住民と旧住民の壁」を象徴していた。
今の北杜市は、「新住民」と「旧住民」のコミュニティがはっきりと区別されているのだ。
 
全国的な移住ブームが来る前から、北杜市は別荘やリタイア後の移住先として人気があり、外から人が入ってくる流れは、昔から存在していた。それにもかかわらず、今もなお「新住民」と「旧住民」という言葉が存在しているのは、2つの理由がある。
 
1つ目は、移住者コミュニティの存在である。移住者が増えれば増えるほど、移住者だけのコミュニティが強化され、「旧住民」と交わらなくても生活が完結してしまうのだ。先のイベントも、新住民が企画し、新住民コミュニティに向けて情報を発信し、新住民だけで十分な集客ができ、イベントは成功していた。
 
2つ目は、想いのかけ違い。
「新住民」は、「旧住民」と交わるきっかけを探しているものの、日常生活で「旧住民」と出会うことが少なく、たまに出会えたとしても、「旧住民」はどこかで「あの人は新住民だから」という心のフィルターをかけてしまっているのだ。
 
その結果、残念ながら、北杜市には「新旧の壁」が存在している。
 
今、北杜市にはこの「新旧の壁」を壊すことができる人材が必要である。その人材こそが、「ムラサキ」である。
 
「新住民」を青、「旧住民」を赤とすると、その2色が交わる「ムラサキ」の役割を果たせる人がいることで、初めて青と赤が混ざり、一つのコミュニティとして成立する。ここで言う「ムラサキ」の条件は、青と赤、両方の価値観を持ち合わせていることである。
 
つまり、私のような、北杜市出身者(=赤)で、外の価値観(=青)を持っている人が「ムラサキ」として、両者を繋ぎ合わせる役割を果たすことができるのだ。
 
今の私は、まだまだ未熟でこの課題を解決するためのスキルや自信はないが、「私は、ムラサキ」と言うだけで、「新住民」から「壁を壊して欲しい、可能性を感じる」と声をかけてもらえるようになった。
 
これは、北杜市に限った話ではない。
これから移住者が増える地域では、どこでも起きうる話である。
 
もし、自分の地元で、同じようなことが起きていることに気づいたら、移住した先で、同じようなことに悩んでいたら、「新住民」と「旧住民」の話を思い出して欲しい。
 
そして、私と同じように、青と赤、両方の価値観を持ち合わせている人は、「私は、ムラサキ」と声をあげてほしい。
 
私は、ムラサキ。今はまだ、極めて青に近いムラサキ。
いつか、赤と青のちょうど真ん中、とってもバランスの良いムラサキになりたい。
 
 
 
 
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2019-06-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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