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震えてほしい、この世界に《12代目天狼院秘本》


気づけば引きずり込まれてしまった、という言葉が正しいと思う。
 
この小説を手に取った時、僕はこの小説がどんなジャンルのものなのかもわかっていなかった。
 
わかっていたことは、ただ1つだけだ。
とにかく、スゴイらしい。
 
とある人がそういうものだから、僕は買った。
 
そして、読み始めた。
 
驚いた。
 
これまで感じたことがない速度で、文字が目を認識し、紙の上を滑るように進んでいく。言葉の選び方、リズム、描写、分解をすれば様々な技術が詰め込まれているのだろうが、そんなことはどうでも良い。ただただ、ひたすらに読みやすい。
 
そんなことを頭の片隅で認識している内に、また驚かされた。
 
いつの間に、こんなところに来てしまったのだろう? 
そう認識したときには、もう遅かった。最初に想像していた世界とは全く違う世界に、頭の先からつま先まで、引きずり込まれてしまっていた。
あまりにも自然に。いつの間に引きずり込まれてしまったのかも気づかないほど、なめらかに。
 
どういったことだ?
何が起こった?
 
まるで自分自身が主人公にでもなったかのような錯覚に、襲われる。僕自身が本の世界にトリップしてしまったのか、もしくは主人公が自分に憑依したのか。
 
驚愕する。
 
何だこの物語は。
この作品は、一体何なんだ。
 
こんな設定なのに、どうしてここまで没入してしまうのか。
 
混乱した。
 
きっとあなたも、混乱する。
 
ただし、実に気持ちが良い、混乱だ。
 
幼かった頃、知らなかったことや、体験したことがなかったことをはじめて体験した時、僕たちは何も考えずに、喜びを感じたはずだ。
『未知』を知り、『未知』に触れた時の、混乱と喜びがないまぜになった、そんな気持ちを、きっと味わうことだろう。
 
 
朝の忙しい時、夜に眠る前など、時間に余裕がない時に読むことは、オススメしない。
 
読み終えた時に、きっと困るからだ。
 
現実に戻ってくるのに、時間がかかってしまうからだ。
 
読めば読むほど、冷たく寂しく恐ろしい、この物語の奥深くに、僕たちは沈められてしまう。
息をしようと、何度も深呼吸をして、現実の空気を何度も取り込んで、ゆっくりゆっくり、現実を自分の体になじませていくことで、ようやく“あちらの”世界から、戻ってこられる。
 
現実に戻ってくることを、寂しく思うことだろう。
冷たく寂しく恐ろしい世界なのにそう思わせてしまう魅力が、この世界にはある。
 
何だったんだ、この世界。
 
そう、きっとあなたも感じると思う。
 
 
 
震えてほしい、この世界に。
 
 

 
 
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2022-01-17 | Posted in 記事

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