『プロフェッショナル仕事の流儀』誇りをかけて、思い出を洗う クリーニング師古田武
こんばんは、チーム天狼院の榮田です。
先週に引き続き、「プロフェッショナル仕事の流儀」について更新させていただきます!
今回の放送も大変面白かったです…!
本日のプロフェッショナルは、この道60年の職人:南麻布のクリーニング師、古田武さん74歳。
他店でお手上げの落とすことが大変むずかしい汚れがついた服や高級ブランドのクリーニングを請け負う、決して楽ではない仕事。
作業は、ドライクリーニングしかできないものも含めほぼすべての服を水洗いすることからはじまり、
たくさんの手作業を経て行われています。
私はクリーニングはもっと機械を使ったオートマチックな作業だと思っていたので、
その光景は衝撃でした…!
「えらくきれいになって帰ってきたと言われることを考えると嬉しい」
それが古田さんのモチベーションのようです。
今では南麻布の人気クリーニング店ですが、
その昔はお客がまったく来ずに、失敗したら自殺しなきゃ、と
思っていた日もあったそうです。
昔は挫折の連続。
15歳で上京しクリーニング店に就職。
誤って配達途中に服をなくしてしまったことがありました。
そして浴びせられた言葉。
「お前質屋に売っただろ、いくらになった」
信用されないのは我慢できない。
古田さんは最初に就職したクリーニング店を辞めました。
そして次に就職したクリーニング店社長の小池武治さんに出会ったことにより、
運命が変わります。
配達先で「洗濯屋は表から入るな」、そんな心ないことを言われ、
「この仕事はいくら頑張ってもこのような扱いだ」と思ってしまうこともありました。
しかし訪れた転機。社長からロサンゼルスのクリーニング店に視察に行かせてもらえる機会を得ました。
ビバリーヒルズの洋服をきれいにするその技術に感嘆し、帰国した古田さんは、
「自分もあんな仕事がしたい」と社長にその想いを伝えます。
それを聞いた社長 小池さんは新たに立ち上げた高級服専門のクリーニング店経営を古田さんに任せました。
しかしお客様はまったく来ません。
ある業者さんから、社長が支払いを3ヶ月も滞らせていることを聞いた古田さん。
しかし社長は「君は間違っていない、信じる道をいきなさい」と
古田さんを信じる姿勢を変えませんでした。
古田さんは仕事の鬼になると決めました。
ーすべてにおいて圧倒的な仕事をするー
アイロンの浮かせがけが原因で、右手に激痛が走っても、
さらに技術を求めました。
そして次第にお客様が来るようになり、店を開いて6年目。
「あの店は君が育てた店だ、だから君に譲ろうと思う」
社長が言いました。
その日から30年、社長の小池さんとの日を忘れることはない、と
涙を流しながら古田さんは言います。
シミがあちらこちらについたシャネルのカシミアのカーディガン。
持ち主が20年前に旦那さんからもらった、思い出の品。
その旦那さんは今は寝たきりとなり、持ち主の奥様はそのカーディガンを着て
介護をしています。
「ブランド品は高額品、高級品じゃない。思い入れがあるのが高級品。」
そのカーディガンは間違いなく高級品。
古田さんは幾度の手作業を経てシミをなくし、まるで買ったばかりの新品かのように
蘇らせます。
その仕事は見ていて感動し思わず「すごい…!」と声を出してしまいました。
「技は心」、難しいことから逃げていては、技術の向上につながらない。
おもいやりのない人の仕事は満足はしてもらってるかもしれないが感動はしてもらえない。
「怖さと向き合ってこそ職人」
そう言って、難しい仕事を現社長の息子さんに任せ、
苦しさと達成感を体感させる古田さん。
全国各地にいるお弟子さんのもとに出向き、
弟子の顔と仕事ぶりを見て、初めての賞賛をあたえる古田さん。
仕事への情熱と厳しさ、そして人へのおもいやりとあたたかさを持った
古田さんは、感動を与えるほんとうの「職人さん」だと感じました。
天狼院も圧倒的な仕事をし、皆様に感動を与える書店でありたいと、
私も心を新たにしました!
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皆様のご来店、心からお待ちしております。