メディアグランプリ

とにかくやってみる、のクセ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

【10月開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

氏名:後藤愛美(ライティング・ゼミ 平日コース)
 
 
私には、結構悩むクセがある。
 
何事も、大体さくっと決められずに、これを買ったらどうなるだろう?人にはどう思われるだろう?他の商品はどうなんだろう?本当に効果があるのかな? ……と、必要以上に心配し、考え、悩んでしまい、決めるまでにものすごく時間がかかるタイプだ。
それはお買い物だけでなく、仕事や、その他プライベートのことでも。
 
しかし、そんな悩みマスターの私は、勢いで決めてとにかくやってみる、ということに最近ハマっている。
 
きっかけは、カンボジアでの仕事。
1年前に日本からカンボジアに転職し、途上国開発の仕事に関わっている。最貧困層の女性たちを雇用し、共にものづくりをする仕事だ。初めての途上国での仕事。初めての開発業界の現場。そして、目の前に迫りくるのは、ものすごく深刻で、解決が難しい、農村の人たちの問題。
 
私の悩みスイッチがマックスで入った。
 
これはちゃんと考えなければ。ちゃんと真摯に向き合わなければ。
この施策には本当に意味があるだろうか。本人はどう思うだろうか。他のスタッフは。もしかしたらこんな悪影響も起こるかもしれない。失敗したらどうしよう。
 
毎日死ぬほど考えた。
 
考えて、考えて、考えまくったが、現場の仕事のほとんどは、人、しかもものすごく複雑で、難しい問題を抱える人に絡むため、目に見える正解などない。
でも、そんな中で、何かを決めて、前に進んでいかなければならない。
 
私にとってはそれが、ものすごく、ものすごく難しかった。
何かを決めようとすると、とにかくいろんなことが心配になる私は、悩み始めるとどんどん深みに入っていくばかり。
 
結果、仕事を始めて最初の1年間は、悩むだけでほぼ身動きが取れず、行動に移せたものは片手で数えられるほど。
 
しかも、年の後半には良くない事件が立て続けに続いた。
これまで少しでも、何か施策が打たれていれば、少しでも状況は変えられたのかもしれない。後悔でいっぱいだった。
 
そんな状況に、私自身も相当疲れてしまっていた。
考えても、考えても、答えが見えず、身動きが取れない自分と、女性たちへの申し訳なさ。
それでもまだ、きっと考えが足りないから答えが出ていないんだ、と悩む日々。
 
あまりに辛くて、一度日本への帰国を決めた。
そして、それが一つの転機になる。
 
友人から、「カンボジア生活どう?」と聞かれるたび、「とにかく難しい
」と答え続けた。
「え、何がそんな難しいの?」と聞かれて、現場でのことを話す。
 
開口一番、みんなにこう言われた。
「いや、考えすぎだよ。もうちょっと適当にやりなよ」
 
開発業界に長くいて、現場でも働いていた経験がある人には、こう言われた。
 
「そんなに全部成功することなんて絶対ないんだからさ。基本的には失敗で、中に成功するものがあったらラッキーって、それくらいに思ってやった方がよいよ。そこから学ぶことの方が、100倍重要だよ」
 
なんということだ。
 
これまで失敗をしないために、死ぬ気で考え、悩んできた。
失敗することが、怖かったから。
 
でも10回に9回、もはや10回失敗するのが、当たり前の世界。
失敗してもいいのか。もはや、失敗した方が、よいのか。
 
考え方が、変わった。
 
とはいえ、失敗するのは、引き続き怖かった。
でも、腹をくくるしかない。
カンボジアに戻ってからは、とにかくやってみた。
うまくいかなくても、えいやと腹を決めて、とにかくやってみた。
もちろん全てがうまくいくわけではないが、少なくとも、物事が前に動いていく。
少なくとも、そこから学べることがたくさんある。
 
そんな時に決めたのが、このライティングゼミの参加でもある。
前々から、参加するかずっと悩んでいた。どれくらい私は書くことに興味があるんだろう。参加して意味があるのだろうか。
でも、考えても良いかどうかわからないし、もう参加してやれぇ!という気持ちで、勢いよく申し込んだ。
結果、とても楽しい。もちろん、よかったことばかりではない。
課題は毎週大変だし、受講していて苦手なことも見えてくる。でも、それも新しい発見だった。
 
そんな勢いで、先日パーソナルコーチをつけた筋トレも始めてみた。
これまた、ずっと悩んでいた。ダイエットをしたいんだけど、何をしても続かない。これならできるかも。でも高い。辛そう。せっかく契約してできなかったらどうしよう。
ええぃ、やってみてやれぇ!
 
その結果、意外と楽しいし、続いている。私の場合、一緒にやってくれる誰かがいると続く。そして、運動をちゃんと継続できると、食事も自然と気にするようになる。しかもちょっと体重も減ってきた。
 
えいやっと腹をくくってやってみること。
失敗したら、それは失敗するんだ、これは嫌いなんだ、というのがわかる。
うまくいったら、それはそれで嬉しいし、こうすればよいのか、と学びになる。
 
もちろん、悩む過程もとても大事だと思っている。
頭を悩ませる過程で、良いアイディアが生まれたり、しっかり考えることでより良い選択ができたりするはずだ。
でもある程度悩んだら、ぐっと一歩を踏み込んで、とにかくやってみることにチャレンジすると、また見える世界が変わってくる。
 
ええぃ!と腹をくくって決める感覚。
なんだかちょっと、クセになる気持ちよさ。
 
そんなクセを楽しみつつ、もっともっと、自分のものにして、これからも進んでいきたい。
カンボジアでの仕事も、その繰り返しで、少しでも良い方向に進んでいくように、これからも頑張ろうと思う。
 
 
 
 
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2019-09-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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