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譲り合い精神を鍛えたければ、台湾へ行け!


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:結珠(ライティング講座・平日コース)
 
 
昨今、日本では譲り合いの精神が足りなくなっているように感じる。
日常的にいったら、電車に乗っていても優先席でゆうゆうと眠る若者がいたり、世間でいったら煽り運転の件など運転手同士の譲り合いや気配りができれば防げたかもしれないとっいた事件も起きている。
 
もし、自分を振り返って譲り合いの精神が足りなくなっているように感じたら、是非行ってみてほしい国がある。それが台湾である。
 
先日、留学時代の友人の結婚式で台湾に行ったときに、日本人が忘れがちになってしまった譲り合いを改めて思い出させてくれると共にその精神を鍛えてくれるような場面に私は遭遇した。
 
今回はその中で2つのエピソードから台湾の譲り合いの精神を学ぶ修行の場としての魅力を紹介したいと思う。
 
①電車の優先席
台湾の都市部にはMRTという地下鉄が通っており、観光するのにはとても便利で主要な公共交通機関だ。
私も今回の旅行中、留学中に通っていた大学やよく行っていたお店へ訪れるため、当時毎日のように乗っていたMRTを使っていた。
 
台湾のMRTに乗って驚く事は、優先席がだいたい空いている。
立って乗っている人もいる中で、優先席は座るべき人のために空けておいてあるのだ。
もし、満席でも空いていなくてもお年寄りや妊婦さんが乗ってくると誰かしらが席を譲っている。
日本で電車に乗っている時は、時折しか見ることが無かったその譲り合いが台湾では日常的にあることに改めてとても驚いた。
 
そして、そのときに台湾留学中にMRT内である面白い場面に遭遇した事を思い出した。
ある日、友人と遊びに行くためにMRTに乗っている時だ。
あいにくその時は席が埋まっていて、私達も立ちながら話していた最中だった。
とある駅で、60歳ほどのおばあさんが1人乗ってきた。
そして、入り口からほど近い席に座っている同じく60歳前後のおじいさんの席の近くで立ち止まった。
その様子を何となく見ていた私達も「何駅かは分からないが、あのおばあさんも立って乗ることになるんだろうな」とぼんやり思っていたし、その女性も吊革を握り、立ち続ける準備をしていた。
しかし、その時だった。
 
おばあさんの目の前に座っているおじいさんが、ふと立ち上がり空いた席を指し示して
 
「私は、あと2駅なので座ってください」と声をかけたのだ。
 
どう見ても同じくらいの年齢のおじいちゃんとおばあさんだ。
同じように席を譲られることも多いであろう年齢のおじいさんが、敢えてその同年代のおばあさんに席を譲るために声をかけたのだ。
私達は、その紳士的な心遣いを目にしてほっこりした気持ちになった。
 
「ああ、これであのおばあさんも席に座れるな」
 
そう思ったときだ。
 
次は、そのおばあさんが
 
「いえいえ、私もあと2駅なので座っていてください」
 
と同じように手を空いた席に向けて答えたのだ。
そして、おじいさんを優しく誘導してまた席に座らせてしまったのだった。
 
私は思わず、くすりと笑ってしまった。
なんて譲り合いの精神を持っているお二人なんだろうと、優しい気持ちになると共にとても感動した場面だった。
 
そして、その時の出来事が私の行動や意識をも変えたのだ。
留学から帰国した後、私も電車に乗る時は基本的には優先座席は座らないようにする事とお年寄りや妊婦さんが来たときには出来るだけ席を譲るよう意識するようになった。
 
台湾は鉄道もかなり整備されているので、移動の時にはMRTを使う旅行客も多いと思う。
そのときには、ふと周りを見てお年寄りが乗ってくる時には少し注目してみてほしい。
きっと、直ぐにそのお年寄りが座れるために優先席が空いている事や満席の時には席を譲り合う人が現れることに気づくことができるだろう。
そして、その譲り合いの精神を日本に持ち帰りたいという気分にさせてくれる。
 
②奢りの喧嘩
修行というのは、ある意味トレーニングだ。
そして、武道でいったらその培ってきたトレーニングの成果は実践して他の人とぶつけ合うことで完成に近づく。
この2つ目のエピソードは、「譲り合い」が武道のような一面を見せた場面だった。
 
結婚式の翌日のことだ。
 
その日、私は留学時代の台湾人の友人とレストランにランチを食べに行っていた。
そして、久しぶりに会う友人たちと楽しい食事がおわり、私達が会計を済ませ店の入り口付近で記念写真を取ろうとしてる時だ。
 
急にレジの方から、大きな声が聞こえてきた。
見ると、40歳くらいの女性2人がレジの前で言い合いをしている。
 
「誰がどれを食べてお金を払うののかで揉めてるのかな」
とはじめは思った。
 
しかし、よく聞いてみると驚いた。
聞き取れた中国語で、彼女らがこう言っているのが聞こえたのだ。
 
「我要請客(私が奢るわ)」
 
「不用,這次我要請客(いやいや、今回は私が奢るわ)」
 
と、なんと2人がお互いが相手に奢るために言い合っていたのだ。
 
しかし、見てる側からしたらもう少しエスカレートしたら手が出そうな気もするくらいの口調なのだ。私は友人と写真を取りながらも、その様子をハラハラしながら覗き見していた。
 
私達の記念写真もおわり、店を出ようとした頃にはその戦いはおわり、店内は静かになっていた。
帰り際にふっと見えたのは誇らしげにお金を出す奢る側の女性と、その奥で本当に悔しそうなジェスチャーをしている奢られる側の女性だった。
奢られる立場を何がなんでも譲ってやるというその精神は、日本では見たことない衝撃的な場面だった。
 
日本人は、何か譲ろうとすると相手も遠慮してどちらとも何となく気まずい雰囲気になることがある。
そうなると譲る方も少し気持ちよく譲れないし、譲られる方も申し訳なさが残ってしまうシーンは多いのではないだろうか。
この2人のおばさんの奢りの喧嘩は、そんな気まずさすら与えない何がなんでも譲ってやるという精神がある。
これくらい意思を持って、譲り合いの戦いを制するくらいの気持ちで譲った方が実はきっぱりしていていいのかもしれない。
 
台湾には日本人が忘れてしまったこういった気配りや譲り合いの精神が残っている国だということに、私は今回の旅行で改めて気づいた。
料理も美味しく、観光も楽しく行きやすい国として人気の台湾だが、もし行くときは譲り合いや気配りのある場面を意識しながら回ってみてはいかがだろうか。
きっと、ガイドブックには載っていない譲り合いの修行の場としての台湾の魅力を感じ、更に充実して台湾のことが好きになる旅行ができることだろう。
 
 
 
 
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2019-09-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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