“ミセス憤り”だった私が学んだ、本当の自分との付き合い方。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:城風紗織(ライティング・ゼミ平日コース)
「アンガーマネジメント」という言葉を聞いたことはあるだろうか?
怒りや悲しみなどのネガティブな感情を客観的に捉え、状況に応じてコントロールすることで、周囲のコミュニケーションを円滑にする問題解決スキルの事だ。このスキルが無いと怒りに任せて周りに八つ当たりしたり、自分を理解してくれない相手を攻撃したりなど、社会的に適切でない行動をしがちになる。そのような行動を抑えて大人な対応ができれば、仕事やプライベートにおいて色々とうまくいく可能性が高まるよ。といった内容のもの。
このアンガーマネジメントを学んで、ちょっと私の人生が変わったと思うので、それについて紹介したい。
以前の私は「ミセス憤り」とでも言えるくらい、日々憤りを感じていた。
当時は具体的に何に対してなのか、そもそも怒っているのかさえも全く自覚的ではなく、とにかくイライラしていた。今振り返ってみてようやく怒っていたのだなと気がついたものだ。
アンガーマネジメントについては、会社の研修で学ぶ機会があった。
マネジメントのポイントは「衝動」「思考」「行動」の3つをコントロールすること。
まずはじめは「衝動」のコントロール。人の感情というのは、それ単体では6秒ほどしか持続しないという。そのため、怒りを感じた瞬間にまず6秒間耐えるようにすると意外と冷静になれる。そして、その後に何に怒りを感じたのかを紙に書くなどして客観的に分析するとよい。
分析する際に気を付ける点は、怒りの対象の批判で終わらせないことだ。そもそも怒りを感じたのは、自分の感じ方、つまり認知の問題であり、対象となった出来事はただのきっかけにすぎない。そのきっかけについて、誰が悪いだの、あーすれば良かっただのと愚痴を言っていても、怒りは増すばかりなので注意されたい。コツはその事象に対して、自分が「どうあるべき」だと思っていたか、暗黙のうちに期待していたことを書き出すこと。怒りはたいてい、自身が持つ「あるべき基準」とかけ離れたときにわいてくるものだからだ。
このようにして分析していくと、自分がどうあるべきと考えていたのかが明確になるので、それが「思考」のコントロールに繋がる。そして、そこまで気付くと怒りの感情はだんだんと落ち着き、現実と理想のギャップを埋めるために「どうなったらよいか?」を考えられるようになるので、そこから「行動」に繋げられるのだ。
ここでは「本当には何が起きればよいか?」という問いが有効になる。怒りの感情があるときはたいてい、「こうあるべき」理想が何らかの理由で実現できないというストーリーを持っている。理想があるのにそうではない現実に対して怒りが沸くメカニズムなので、自身の内側に持つ理想とのギャップに気付き、それを実現していける行動のほうへ繋げられれば、怒りの感情は情熱に変えていけるのだ。
このことを知ってからは、自分の感情に少しずつだが気付けるようになった。そして自分はどういう思考を持っていて、何が起きれば良いのかを見つけられるようになった。私のありがちなパターンは「誰かが何とかしてくれるはず」という期待のような設定があり、そことかけ離れた現実に対して怒りを感じるメカニズムを持っている。
例えば、家で食事をしていて、夫に対し「皿を片付けるべき」と思っているのに現実は片付いていない。とか、「掃除をすべき」と思っているのにそんな気配すらないといった事象に対し、怒りがあった。
たちの悪いことに、特にその期待する基準は周囲に開示されることなく、暗黙のうちに期待して、そうでない場合に勝手に怒っているというなんとも迷惑な話だったのである。
これに気がついて、笑ってしまうと同時に、なんて子供っぽいことをしていたのだろうと反省した。せめて、どういうことを周囲に期待しているのか、自分のニーズは何なのかは伝えなければ解決のしようがない。これでは自分が勝手にストレスに感じる環境を作っていたようなもので、ミセス憤りにもなるよなぁと思った。
それ以来、イラっとした感情を察したときには一歩立ち止まり、自分が「どうあるべきか」「暗黙のうちに何を期待しているか」を考えるようになった。たいていは大したことないニーズなので自分で解決できるし、自分も周囲も快適に過ごすことができている。
過去と他人は変えられないと言われるが、周囲が変わることを期待(しかも暗黙のうちに)している限り、変化を起こすことは難しく、時間もかかる。逆に自分が本当はどうしたいかが明確になれば、それを満たすための行動は自分で起こすことができる。他人を変えようとするより自分を変えるほうが簡単。そんなことに気が付き、最近は自分との付き合い方を一番に考えるようにしている。
アンガーマネジメント、皆さんにも是非お勧めしたいメソッドです。
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