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20年吸った40代が禁煙で得たのは健康どころか人生の必勝法だったかもしれない

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:スズキ ノオカズ(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
さかのぼること二十余年、大学3年の春。
僕はタバコを吸い始めた。
 
今思い返すと笑ってしまうが、当時交際していた女性にフラれ、どうにかもう一度相手の気を引きたいと考えた僕は、「大人びた一面」を演出するつもりで慣れないタバコを吸い始めたのだ。
 
そんなどうしようもないキッカケで始めた喫煙習慣を、僕はいつでもやめられると考えていた。
これが最後の一本だと決心したら、すぐにタバコを吸わない元の自分に戻れるものと、タカをくくっていた。
 
しかし、そうはならなかった。
 
次に彼女ができたらやめる。
25歳になったらやめる。
30歳になったらやめる。
35歳になったら……
 
いつでもやめられるはずだったのに、いつの間にか先延ばしの理由をさがしていることに気づいた。
僕にとってタバコは、すっかり切り離すことのできない「自分自身の一部分」になってしまっていた。
 
そんな典型的な意志薄弱のダメ人間が、2017年7月8日を最後に、今日まで一本もタバコを吸わず、それどころかただの一度もタバコを吸いたいと思ったこともない。
 
これはどうしたことだろうか。
一体なぜ、苦しさも我慢も一切なく、完全なる卒煙ができたのだろうか。
 
今から5年前。
40代に突入した僕は、体力と生命力の明らかな低下を実感していた。
特段無理もしていないのに、どこかダルさが抜けきらない。
顔のたるみ、体じゅうについたぜい肉など、見た目年齢も一気に加齢が進んだ。
 
頭も体も経験も、何もかもが上昇することしか知らず、怖いもの無しだった20代。
まだ、ごまかしながらもギリギリ若さを保つことができた30代。
だが、もはやすべてが失われた。
「健康でいたい」「年を取りたくない」という願望が頭の片隅をループする。
数年の後、その気持ちは強い決意へと変貌を遂げた。
 
「若 返 り た い ! ! !」
 
2017年7月8日。
その日僕は最後の一本を名残惜しむこともなく、持っていたタバコをその場で全部捨てた。
若さを取り戻したいと思った自分が、まず思いついたことが禁煙だった。
 
喫煙経験がある人は分かると思うが、体調が悪いとタバコがまずくなる。
例えば風邪を引いたとき。自然と2~3日タバコを吸わなくなるのだが、すると体調が回復した日の朝は目覚めもよく、洗顔時の手触りはもっちりとキメ細かくなる。
そうした経験から、タバコが自らの若さと健康を大きく損ねているという認識があったのだ。
 
予想した通り2日後から目覚めがよくなった。3日後からは肌のハリとツヤがアップした。
その後も、目の下のクマがなくなる、髪の毛がパサパサしなくなるなど、日を追うごとに健康力と見た目年齢の回復を実感できた。
 
だが、メリットはそれだけではなかった。
肺活量が回復し深く呼吸ができるようになると、精神が安定し、細かいことにイライラしなくなった。
 
さらに時間が増え、感覚として1日が長くなった。
食事の後や、何かがひと段落したときのちょっとしたタイミング。
今までタバコを吸っていた時間が、まるまる空いた。
タバコ休憩による中断がなくなったため、長い時間を連続で使えて仕事が捗る。
今までつい後回しにしていた細かい予定が、次々と片付いていくようになった。
 
それともう一つ、お金が減らなくなった。
タバコそれ自体はもちろん、忘れるたびに買うライターや、セットで飲む缶コーヒーなど、タバコを吸うことにまつわる買い物で1日に何度もコンビニに行き、そのたびに千円札を崩す。
それらがまるごとなくなったことで、そもそも昼時以外に財布を触ることすらなくなった。
 
2019年9月現在、禁煙から2年2カ月。
今では自分が喫煙者だった事実すら、パラレルワールドの出来事のように遠く感じる。
 
なぜ今回禁煙に成功したのか?
その理由は多分「タバコをやめようとしたのではなかった」からだ。
 
それまでと違い、今回の禁煙は「老化への抵抗」と「若返り願望」からスタートした。
当初から「タバコをやめることそのもの」ではなく「タバコをやめることで得られるもの」が目標だった。
そのため「吸いたいタバコを我慢する苦痛」より「健康的に若返っていく自分を実感する喜び」の方がはるかに大きかった。
そしてそこに、精神の安定、仕事力アップ、節約効果など予想外の報酬も加わり、労せずしてタバコを断つことに成功したのだ。
 
我慢は苦痛だ。
精神力を必要とするし、我慢している間はずっとストレスが溜まる。
だが、目標に向かってプラスの価値を積み上げる、ただそれだけに着目できれば、世界は一変する。
たとえ少しずつでもゴールに近づくことしかできないのだから、基本的には成功することしかできない。
 
貯金であれば「出費を我慢」ではなく「欲しいものの購入資金を貯めている」、ジム通いであれば「やせるために頑張る」のではなく「スタイルの良い自分を作りに来ている」など、「欲しいものを手にするためにプラスになる行動をし続ける」という考え方がコツだったのだ。
 
今考えているのは、この成功体験を他の分野に応用することだ。
着目の仕方を工夫すれば、苦痛を感じることなく、より素晴らしい別の人生に乗り換えることができる。
身をもって経験したこのやり方で、これからの人生をもっと楽しいものにしてみようと思うのである。
 
 
 
 
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2019-09-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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