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ワーキングマザーをめぐる「働き方改革」

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:門田彩(ライティング・ゼミ秋の集中コース)
 
 
子育てしながら働く女性、いわゆる「ワーキングマザー」は、数年前に比べて格段に増えている。
私自身が2年前にその当事者になったので、そんな気がするだけかと思っていたのだが、気のせいではないらしい。
厚生労働省の発表によると、18歳未満の子供を育てながら働く「仕事あり」の母親は、2017年の調査で初めて7割を超え、10年前と比べて10%以上伸びているという。
この調査では、「仕事あり」の中で、正規雇用、非正規雇用、その他、と分かれている。
「どう雇用されているか」が違えば、働く側も「どう働くか」は全く違う。
 
友人Aさんは週3〜4回午前中勤務の短時間パートをしている。
社会人になってから10年近く、保育所の開設・運営を通して「働くママ支援」、「子育て支援」に携わってきた。
Aさんの夫は、仕事柄、「朝早く出勤し、帰宅は深夜」というスタイルを変えられないので、平日は「ワンオペ育児」が基本である。
「私自身の育児と仕事のバランスは崩れていた。
もっと仕事をしたいし、もっと子どもとの時間も持ちたいと思っていた」という。
そんなAさんは、第二子を出産し、職場復帰する頃に、会社を辞める決断をした。
そして、都心から離れ、Aさんの夫の故郷でもある地方都市に移住したのだ。
「新しい働き方を見つけたい、そして今までのキャリアを活かせる仕事を見つけたいと思っていた。そんな中で見つけた、今の職場は、保育園併設のコワーキングスペース。利用者をサポートする仕事は、やりがいがある」
子供と過ごす時間も増えて、今の生活にはとても満足している。
 
ママ友Bさんは新卒で入社した会社で、産後もフルタイムで働き続けている。
「週に半分は飲みにも行くし、会社の『働き方改革』で、週に1回リモートワークをできるようになったから、子供がいない人との差はあまり感じたことはない」
Bさんの夫は、会社の執行役員である一方、家事も育児もする「イクメン」である。
「働ける時間は限られているし、飲みに行ける日も限られてるから、自然と取捨選択はするようになったかな」
このケースに憧れるものの現実は……というワーキングマザーは多い。
 
先輩Cさんは出版社で働く編集者で、3人の子供を育てている。
「3人育てながら編集の仕事なんてできるの? ってよく聞かれるけど、私の場合は夫が主夫だから、全然大丈夫なの」
夫が、主夫になる前は、Cさんと同じ出版社で働いていたという。
「自分が一家の大黒柱になるっていうのは別の意味で大変だけどね」
Cさんも思い切ったが、Cさんの夫も思い切った選択をしたものだ。
 
たった三例でも、状況は全く違う。
違う中に、ひとつだけ共通点がある。
それは、全員が出産を機に「働き方」が変わっているのだ。
一見変わっていないように見えるCさんも、一家の大黒柱という責任を負ったという変化がある。
ワーキングマザーのほとんどが、「働き方改革」を経験しているのだ。
もちろん、その女性の配偶者である男性も、「働き方改革」を経験しており、子育てしながら働く女性が増えるほど、男性も「働き方改革」をせざるをえなくなる。
 
ワーキングマザーが働き方改革をした理由。
それは「必要に迫られたから」
 
これに尽きる。
 
ワーキングマザーが自身の「働き方改革」をする一方で、女性を多く抱える会社は、「女性の働きやすさ」について苦慮しているようだ。
 
私自身、出産後もPR会社で、フルタイムで働いていたが、紆余曲折を経て、会社員に終止符を打った。これまでのキャリアを活かして、PRコンサルタントとして、フリーランスで働き始めてから半年が経った。
先日、知り合いの社長Dさんから、「働いている女性が定着する会社にしたいから、子育てしやすい環境にしたい。同じPR業界のワーキングマザーとしての意見を聞かせてほしい」とFacebookでメッセージがきた。
その会社は、私が身をおくPR業界で急成長している会社で、平均年齢が28歳、男女比は1:1、ワーキングマザーはまだいない。
年頃の女性も多く、今のうちから、そのための準備をしておきたいのだ、という。
私が力になれるのならと、快諾するメッセージを送った。
 
私が勤務していた会社では、マネージャークラスの女性が立て続けに出産し、職場復帰した。
そのタイミングで、決まった条件を満たすことでベビーシッターを利用できる制度を導入した。その制度ができたことも会社の魅力となり、ワーキングマザーが2名入社した。
30人程度の会社に短期間で、ワーキングマザーが4名も増えたのだ。
子育て中の女性の働き方を、他の社員が受け入れざるをえないのだ。
その会社は、家庭と仕事の両立が原因で辞めた人は、今のところ一人もいない。
男性社員や子供のいない女性からの反発も、今のところはないらしい。
残業時間は全体的に減っているというのだから、会社全体の長時間労働の是正につながったのだ。
ワーキングマザーが増えることで、会社の「働き方改革」が成功した例である。
私はキャリアアップの観点から、子供が一歳の時に転職したのだが、ワーキングマザーとしては最高の環境だった。
 
出産を機に「働き方改革」をした女性の、その改革が多種多様であるように、会社がワーキングマザーを受け入れる、ベストな方法は会社によって異なるはずだ。
そこに「ワーキングマザー」を受け入れることを選択しない、という選択肢もあっていいと思っている。
 
Dさんからの連絡は、それ以降きていない。
きっと必要に迫られた時、私の顔を思い出してくれたら、連絡がくるのだろう。
 
 
 
 
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2019-10-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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