メディアグランプリ

あなたの心に秘めた「志」はなんだろうか。


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記事:中野ヤスイチ(ライティング・ゼミ日曜日コース)
 
 

「何のために学ぶのか、何の為に働くのか」
 
これは、常に僕の頭の中にある問いである。
 
僕は、急に一人で大分県中津市にある「福澤諭吉の旧居・福澤記念館」に行く事にした。
居ても立っても居られない気持ちになったからだ。
 
ある一冊の本との出会いが、普段はあまり家から出ない僕を外に出してくれるきっかけになった。その本とは、「「志」の教科書」(木村 貴志著 産経新聞出版)である。
 
なぜ、この本を手に取る事になったのか、全く覚えていない。
 
ただ、覚えているのは、自分以上に大切な息子が生まれた事。
 
生まれたばかりの息子を観て、僕はこの子に何を残してあげる事ができるのだろう……、
と思った事は今でも鮮明に覚えている。
 
これからの時代に、必要な事はなんだろうかと、ぼんやりと赤ん坊の息子にミルクをあげている時に顔を見ながら考えていた。
 
その答えが、この一冊の本に秘められているのではないかと表紙を観て思ったに違いない。
 
「志」は生きていく上で、欠かすことができない自分の心の奥底にある大切なモノ。
 
表紙にも書かれているが、「志を立て、そこに意味を見出して取り組む人と、ただやらされている人とでは、生み出す成果は天と地ほどに違うものに」
 
僕も同じように思う、僕はサラリーマンをしている。部署は営業である。
 
営業には数字のノルマがある。それは当たり前の事である。
営利企業に勤めている以上は、利益を出さない限りは、会社が潰れてしまう。
 
その利益を出す為に、お客様に大切な商品を届けて、使ってもらう、喜んでもらう事が大きな役割である。
 
その利益を出す為に、どのような戦略を取るべきなのか、本社やマーケティング部に言われた通り営業マンが実施したとしても、何も生まれないし、売上は上がらない。
 
そこの違いには、何があるのか、その答えは「志」だと僕は思っている。
 
自分が扱っている製品をただ売る事ばかり考えている人には、「志」がない。
一方で、「志」がある人は、製品を届ける意味を考えている。
 
そうなると、提案の仕方から、対応の一つを取ってもすべてが変わってくる。
自分は何をしなければならないのか、その答えは、「志」次第なのかもしれない……。
 
僕は、習慣の一つとして、心に響いた箇所には、付箋を貼る事にしている。
気がついたら、この本は付箋だらけの本になっていた。
 
それぐらい、この本は読む価値がある。決して成功する方法が書かれている本ではない。
どのように「志」を高めるか、古典と呼ばれる本の箇所を引用して解説が書かれている本。
 
この本を読んで、心を熱くした僕は、当時は大分県住んでいたという事もあり、歴史上の偉人である福沢諭吉の名著「学問のすすめ」(福澤諭吉著 齋藤孝訳 ちくま新書)を読んだ。
 
この本を読んだ時の衝撃は、今も忘れる事がない。
僕が生まれる何十年も前に書かれていたのに、色褪せる事なく、今を生きる僕たちに伝わってくるモノがある。
 
まさに、「志」の育て方がその本に書かれているのである。
「生まれていままで自分は何をなしたか、いまは何事をなしているか、今後は何をなすべきか」と点検する事の必要性が書かれている。
 
今の時代、気がついた時には、当たり前の様にあったモノがなくなり、新しいモノが生まれている。
 
そんな時代を一生懸命に生きれば生きるほど、心が疲れて行って、今のままでいいのだろうか、これからどうしたら良いのだろうか。と悩んでしまう。
 
そんな時こそ、偉人が書いた本を読み、自分の「志」は何なのかを見つける必要があるのかもしれない。
 
ちょうど、運がよかった事に、車で大分県中津市まで行ける距離に住んでいた僕は、
この「学問のすすめ」を読み終えた時に、僕は福澤諭吉の生まれた場所を観に行こうと決心した。
 
何か、運命的なモノを感じたのかもしれない……。
 
行ってみると感じる事は、この小さな家から、日本の歴史的にも大きな貢献をした福澤諭吉が育ったという事が信じられなかった。
 
育った場所や環境以上に、福澤諭吉は、家族思いで、人格者で勤勉家であった事は、「福澤諭吉の旧居・福澤記念館」に行った事でわかった。
 
今もなお残されているモノを観るだけで、自分がいかに不学で、何も考えずに生きてきたのかを痛感させられる。
 
ただ、福澤諭吉はそれを伝えたいが為に、それらを残したのでは無いと僕は思う。
自分が生まれ育った日本をもっと豊かな国にしたいと心から願ったのが福澤諭吉という人だと感じる。それが、福澤諭吉の「志」だと……。
 
一方で、今の自分はどうだろうと、それを見ながら自問自答を繰り返した。
ただ、言われた事をやるために、僕は生まれたのではない、何かを成す為に生まれてきたのだと、少しは考えるようになった。
 
福澤諭吉はじめ多くの先人達が、自分達が考える「志」を叶える為に、全力を尽くしたからこそ、今の時代が育まれている。
 
これからの時代、一人一人が改めて、「志」を持つことで、今まで以上に豊かで明るい日本という国を子供達の世代に届ける事ができるのかもしれない。
 
あなたの心に秘めた「志」はなんだろうか。
 
 
 
 
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2019-11-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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