メディアグランプリ

旅行計画は未来日記を書くように


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:大快和子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
オタクというものはレポートが好きな生き物です。
自分が体験したこと、感じたことを感情のおもむくままにSNSに投下する「レポ文化」なるものが発生して久しく、私が覚えている限りで最も印象に残っているものに宝塚歌劇団を初めて観劇した方のTwitterがあります。
 
銀橋(ぎんきょう:歌舞伎舞台で言う花道のような舞台から飛び出す形のステージ)をタカラジェンヌさんたちが流れるように歩いていくという一場面を、その方は「まるで美のベルトコンベアーだった!」……そう表現していたのです!
宝塚の舞台を観たことのない方にも何となくイメージが伝わるのではないでしょうか?
 
イラスト付きのそのつぶやきは非常に印象深く、しばらく時間が経ってからまた見たいなぁと思ったものの、Twitterのもっとも大きな特徴は情報が絶え間なく流れていくところ。検索してもなかなか見つけられないことも多く、後から見直したい時には結構手間がかかります。
レポート好きな各界のオタクの中でもこの流動性を情報源としてはもったいないと感じるタイプの人はブログを利用します。
さらに凝り性になってくると自分で文章を書き、イラストや漫画を描き、写真を撮って本を作っちゃったりしています。
 
世の中にはこういう“商業誌ではない本”を作っている人が多く存在しているもので、そういう本は「リトルプレス」とか「同人誌」とか、おしゃれに「ZINE(ジン)」という風に呼ばれています。
印刷所に出して本格的な本の形をとっているもの、コンビニでカラープリントをしてホチキス止めしただけのもの、1枚モノのペーパー形式のもの、写真であればネットサービスを利用したフォトブックを注文したりと形態もさまざまです。
 
実は、私もそんな作家のひとりなのです。 ふ、ふ、ふ……。
 
私の趣味は旅行およびその記録です。
普段は気軽にブログに感想や写真をアップするくらいですが、あまり行く機会のない国に行けた時にはZINEにまとめて発行し、インターネットや同人誌即売会で販売するということもしています。
 
今日お話ししたいことはここからの部分です。
 
このZINEの制作は旅好きな人にこそオススメの記録方法だと思うからです。
それは何故か?
 
来年に向けての韓国・釜山旅行計画を例にお話ししていきますね。
この旅がおそらく自分にとって特別なものになる、そんな予感があるので今の段階でZINE発行の構想にかかっているんです。
 
「旅行記録の冊子なら、旅行が終わってからまとめていくものなんじゃないの?」
 
正論です!
でも旅行って、あそこに行きたい! と思った瞬間から始まっているじゃないですか。
だから今の時点である程度の見通しを立てられるのです。
 
・韓国映画が好きだから釜山国際映画祭に行って現地で日本公開前の映画を観たい! というのがいちばんの動機。
・韓国映画にハマったきっかけが『新 感染』という映画なのでその舞台となったKTX(高速鉄道)に乗ってソウルから釜山に向かいたい。
・時期は10月上旬、1週間くらいは滞在したい。
・映画祭のスケジュールは今年の情報を検索したらおおよそわかるな。
・宿泊費は押さえたいからゲストハウスを探そう。
・開会式もしくは閉会式のチケットを入手するには費用は余分にかかるけれど代行業者に頼むのがいいらしい。
・開場近くのおいしいお店も検索しなくちゃ。
・せっかくだから会場近くの水族館や海女村にも立ち寄ろう。
・映画はもちろん日本語字幕が無い。 映像を観ればおおよそストーリーはわかるけれど、パンフレットの内容は理解したいし、現地での会話は韓国語だから、今までの韓国語の勉強方法を変えてより実践的な方法で進めよう。
 
ご覧になっておわかりの通り、これってZINEのネタ整理のためでもあるけれど、そのまま旅行までの行動シミュレーションになるんですよ。
未来に起こる出来事が書かれている「未来日記」のようなものですね。
これに沿って準備を進め、かつ、記録を残しておけば、ほぼそのまま原稿にすることもできます。
 
ここでまた思われるでしょう。
 
「そんなに前もって調べてしまったら計画通りに行動するだけで感動が無いんじゃないの?」
 
私の答えはNO。
 
「そもそも旅行って、ネタバレされた上で行くものじゃないですか」
 
インターネットや情報誌を見て、観光スポットはここだ、食べるべき料理はこれ、全部行く前にわかっているのに行きますよね。
YouTubeで現地のようすを動画で見ることも当たり前。
それでも行くのは期待を膨らませていたものが、実際にはどうなのかを体感するため。
がっかりするのか、想像以上の感動があるのかは行ってみないとわかりません。
それに、どれ程シミュレーションしていても想定外のことが起こるのが旅、ですからね。
 
計画を立てて、旅行中の気持ちをメモして、帰ってきてから余韻に浸りながら印象に残ったことや次回また訪れる機会があれば覚えておくと良い情報をまとめて本を発行してみると、もの作りの楽しさ難しさ、それを経て自分の思いをパッケージ化して手に取れるという小さな達成感も味わえます。
発行しないまでも、ノートにまとめておくだけでいつもとは違う旅の思い出を残せますよ。
 
いちどお試しあれ。
 
 
 
 
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2019-11-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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