メディアグランプリ

自分が出来ることは人に頼むな


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:小林れい(ライティング・ゼミ 平日コース)
 
 
あなたはよく人に物事を頼むほうだろうか。
それとも自分がやったほうが早いと思うほうだろうか。
例えば
「ティッシュ1枚とって」
という頼みごとから
「お金を貸して欲しい」
ということまで。
何でもかんでも人に頼む人もいれば、これは自分でやるけど、これは頼む、という線引きがある人、いろいろだと思う。
私は、性格的に抱え込むタイプで、基本的に自分で出来そうなことは全部自分でやるタイプ。
食卓でティッシュがほしいと思った時、夫のほうが近くても自分で席を立って取りにいく。
仕事が忙しくて誰かに手伝ってほしくても、悪いかなあ、と思って自分でやる。
決して自分がやったほうが早いから、というわけではなく、
「なんか悪いなあ」
という罪悪感で、人に頼めずに居た。
しかし、最近、それでは明らかに自分の時間が足りなくなるということに気づき、人に頼むようになった。
子供には
「おもちゃ片付けて」
「お箸出して」
夫には
「洗濯物干して」
どうしても自分のこだわりがあるやり方については指示するようにし、そうでなければやり方までは問わない。
特に夫に頼んだ洗濯物に関しては、
「え~! そんな干し方するの?」
ということも無くはないが、機嫌よくやってくれている揚げ足を取るのもいやなので、乾いていれば、良い、ということにし、スルー。
と、小さなことから積み重ね、仕事でも溜まりまくった仕事を外注さんに頼んだり、ロゴマークやチラシをデザイナーさんに頼む、ということを始めた。
確かにお金は掛かるけど、自分の時間に余裕が出来る。
プロフェッショナル、と掲げているだけあって、自分がやらなきゃと悶々としている時間くらいで、仕上げてくれる。
しかもわたしが四苦八苦したものより、美しい仕上がり。さすが、プロ!
気をよくした私は、お店番も人に頼むことにした。
私は持ち込みラッピングの専門店を経営をしているのだが、そのお店番をラッピング教室の生徒に頼むことにしたのだ。
3年ほど前にも、ハローワークなどから来てもらっていたが、続かなかったので、そのうち求人をするのをやめていた。が、ラッピング教室の生徒なら、きっと大丈夫だ。
「いつかラッピングを仕事にしたい」
といってくれていた彼女。彼女ならやってくれるに違いない。
PC作業などもつも得意、と言うので、顧客名簿など入力作業だけのものを任せてみた。
しかし2ヶ月の研修期間が終っても、1人で店番は自信がないという。
仕方がないので、規定の研修期間が終った後も、私が店舗にいて、
「今日は私がいないと思って、やってみて」
といって任せてみた。しかし
「すみません、ちょっといいですか」
と、尋ねてくる。
「いやいや、私がいないつもりでって言うたやん」
といっても
「どうしても不安なんで」
と質問しに来たり手伝いを依頼してくる。
ある時、どうしても私が不在にしなければいけない日があって、1人で留守番を任せてみた。
が、
「暖房が付かない」
「レジ操作ができない」
など、こちらからすると、それくらい自分でなんとかしてよ、という内容のメールが矢継ぎ早に来る。
ちなみに質問されるようなことは全部マニュアルに書いてあり、研修期間にも説明したこと。暖房が付かないのは、コンセントがきちんと入っていなかったから。
そんな感じで、毎日彼女が出来そうな雑用を無理矢理作り出し、その為の指示書を作ったり、質問に追われ、ミスの修正をする日々。
「あれ? 私、時間が欲しくて人に頼んだんじゃなかったっけな」
と思うようになった。ある時彼女が
「6時間でこれしか出来ませんでした」
と言ったDMの宛名貼り。わたしがしたところ、同じ量が10分で出来てしまった。
ああそうか。
自分で出来ることはやっぱり自分でやらないといけないんだと、はっきりとわかった。
この記事のタイトルで、もし付け足すとしたら、「こだわりがある」自分で出来ることは人に頼むな、になるだろう。
そう、私は家事には一切こだわりがない。だから夫や子供に任せられるのだ。
時折、専業主婦の友達が家事を手伝った夫の成果=仕上がりについて文句を言っているのが不思議だったが、自分に置き換えたら分かる。
つまり、自分が能力的にできないことや、どうでもいいと思っていることは頼むべきだが、そうでない、こだわりがあってきちんとしたいことは、やっぱり自分がするべきなのだ。
1人社長である自分にとって、人に頼む、ということがなかなか出来なかった理由がはっきりした。
そんな私に夫がアドバイスをくれた。
「仕事を部下に振る時は、自分のパフォーマンスの1/3くらいしか期待しないほうがいいよ。俺はそう思うことにしている」
なるほど、これで、全ての合点がいった。
なぜなら私が夫に家事を頼む時、自分のパフォーマンスの1/3しか期待していなかったから不満がなかったのだ。
10分で出来る洗濯物は30分掛かってもOK。
夕飯の支度は3時間掛かってもOK。
私の夫との関係が良好な理由が、意外なところで分かってしまった。
 
 
 
 
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2019-12-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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