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メディアグランプリ

生きる力のないやつは死ね


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:深谷百合子(スピードライティング特講)
 
 
いきなり過激なタイトルで恐縮です。
実はこれ、私が3年前、日本人の仲間20人と一緒に中国の国営企業に転職してきた時に、私たち日本人の中で掲げたスローガンです。
 
それまでも中国で仕事をしていました。でも、その時は、当時勤めていた日本の会社からの出張或いは出向の身分でしたから、何から何まで会社がやってくれました。移動のためのチケット手配、ホテルの手配、ホテルから会社までの車の用意、ビザの申請等々。
 
でもこれからは違います。
私たちが働くのは中国の国営企業です。日系の中国企業ではありません。
もちろん、ビザの申請や住居の手配等は会社が面倒を見てくれますが、基本は「自分のことは自分で」という世界です。
おまけに、日本みたいに「気を回す」という文化ではありません。
いちいち細かなことまで手取り足取り教えてくれることもありません。
なぜなら、中国は人口が多いので、そんな一人一人の事情にいちいち対応していられないのです。
何かわからないことや必要な事があれば、こちらから「質問」や「要求」をしないといけません。
 
町外れにある工場への通勤は、会社の送迎バスを使いますが、急な早出や残業が発生したら、自分でタクシーを呼ばないといけません。
ほとんどのタクシーの運転手は中国語しか通じません。従って、こちらが中国語を話せなくても、何とかして行き先を伝えないといけないのです。
 
住居についても同様です。
お湯が出ない、水の勢いが弱い、トイレが詰まった……。こんなことは日常茶飯事です。最初は総務の人や、通訳の人が助けてくれましたが、いつまでも甘えてはいられません。
管理人に連絡して、修理に来てもらいますが、これがまた一発では直らないことが多い。
本当に、何事につけても常に壁が立ちはだかる、そんな感じなのです。
 
「中国語できないから……」とか、「きっと誰かが気付いてやってくれるだろう」等と言っていたら、本当に生きていけないのです。そういうわけで、「ひとりで生きることができる力を身につけよう」という意味で、こんなスローガンを掲げたのです。
 
「やってくれるのを待つ」のではなくて、自分から要求すること、自分の身は自分で守ること、そういったことをこの3年間で身につけてきました。
 
海外に出てみると、日本の有り難さがよくわかります。サービスは至れり尽くせりですし、こちらから言わなくても、「察して」くれます。頼んでいないことまでしてくれることもあります。
物が壊れることも滅多に有りません。
仮に壊れたとしても、管理会社とかコールセンターに連絡すれば、大抵はすぐに対応してくれます。
宅配便だって、留守にしていて受け取れなかったら、こちらの指定時間に合わせてもう一度持ってきてくれます。
中国では、荷物の預かり所に留め置かれ、1,2日の内に受け取りに行かないと、保管料をとられます。
 
海外の人達も、日本は世界の中でもサービスが非常に良いと言います。
けれども、私はそんな日本での生活を振り返って、ふと思ったのです。日本で生活していると、「ひとりで生きる力」が弱まりそうだなと。随分と甘やかされているような感じがしたのです。
 
お客様の期待以上のサービスが感動を生む。確かにそうです。お客様が何を望んでいるのか、想像し、それを満足させるだけでなく、さらにプラスアルファをつけてもてなす。けれども、人間って、慣れてしまいますよね。初めは感動するけれど、そのうち慣れてしまって当たり前になります。
そうすると、もっと要求のレベルが上がります。そうして、どんどんサービスが過剰になっていくのではないでしょうか?
 
加えて、既に十分なサービスを受けているのに、望む結果が得られないと不満に思ってしまうこともあります。
私も以前、会社が色々な手配をしてくれていた時、自分の希望と違っていたり、ちょっと待たされたりすると不平不満を言っていました。
でも、色んな事が思うように運ばない中国で、何とか私たちの希望に沿えるように総務の人達が努力してくれていたんだと、自分達でやるようになって初めてわかりました。私は甘えていたんです。
 
日本のサービスの質の高さは自慢ですが、サービスとは「お客様を甘やかす」ことではありません。自分でできることは自分でしてもらったっていいのではないかと私は思います。逆に、海外から来た人など、言葉や風習の違いのせいで、自分でやりたくてもできない人に対してこそ、十分なサービスを提供するべきです。
 
私は中国で、色んな壁にぶち当たりながら、「生きる力」を身につけてきましたが、中国の人達が気が利かないとか、冷たいというわけではありません。
本当に困った時には、日本人以上に親身になって助けてくれます。それこそが感動するサービスだと思うのです。でも、普段から過剰なサービスに時間を取られていると、本当に必要な時に必要なことをできないことだってあるでしょう。
 
そろそろ、お客様を甘やかす過剰サービスは止めにしませんか?
私たち一人一人も、自分でできることは自分でやりましょう。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
 

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2019-12-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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