正しい椅子のすすめ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:伊藤 (ライティング・ゼミ特講)
「ちゃんと座って食べなさい」
実家の椅子を見ると、小さい頃に父親に食事中怒られていたことを思い出す。
子どもだったからじっと座っていられなかっただけだと思っていたが、先日また同じことを言われてしまった。
小さい子どもじゃあるまいし、25歳にもなったいい大人がである。
そう言われたことで、改めてなぜじっと座っていられないのかを見つめ直してみた。
もしかして、ちゃんと座っていられない原因は「椅子のせい」だったのではないかと。
私の家の椅子は、木でできた外国製のカントリー調のもの。
私が生まれる前からあり、恐らく30年以上は使っている。
見た感じは母の趣味で可愛らしい雰囲気。
その当時、新築をきっかけにお洒落な家具店で買ったそうだ。
そんな母の思い出が詰まった椅子だが、私には合わないと思った理由が3つある。
1つは、背もたれが硬く背骨が当たって痛い。
2つめは、木の座面なのでじっと座っているとおしりが痛くなってしまう。
3つめは、高さが外国仕様で私に合わない。
この3つが大人になってからより気になるようになった。
硬く高さが合わない椅子は長く座っていると我慢ならなくなり、疲れて脚を崩す。そして、怒られる。これが長く座っていられない原因であった。
こう書くとなぜこんな簡単なことに気づけなかったのだと思うが、そこにあるのが当たり前すぎてその原因に目を向けていなかったのだ。
この違和感に目を向けるきっかけは、インテリアショップで働くようになったからだ。
この仕事をしたことで本当に良い椅子とは何かを知ることができた。
自分の身体に合う椅子に座ったときに「あぁ、良い椅子はこんなにも違和感なく座れるのか」と気づいた。
身体に合うと思った椅子に共通するポイントが3つあった。
1、 背もたれが身体にフィットする
2、 座面がおしりにフィットする
3、 座ったときに足が床にぴったりつく
1の「背もたれが身体にフィットする」は、この中でも特に大切だ。
でも、自分の身体に合う背もたれに出会うことは結構難しい。
例えば、私のように木製の背もたれは得意ではない方もいる。
また、背もたれが高い方が良いという方もいれば、低い方が良いという方もいる。
どんな人にもしっくりくる椅子はあるはずで、その人に合った背もたれを探すことが大切だ。
2つめの「座面がおしりにフィットする」というところだが座り心地が均一なこともポイントだ。
浅く座っても深く座っても変わらない座り心地が良い椅子の特徴だ。
また、椅子の座面には、布・革・木・プラスチックなどいろいろな材質がある。
それぞれ座り心地が変わるので、座面の造りだけでなく自分好みの材質を見つけるのも楽しみの一つだ。
3の「座ったときに足が床にぴったりつく」は、日本人の体型にあった椅子を選ぶということだ。
私の家のように海外製のものを使っていると足がぶらぶらして落ち着かないので、自分の体型に合わせて高さを選ぶことも重要だ。木製の椅子であれば脚をカットすることも可能な場合があるので、お店の人に相談してみるといいかもしれない。
自分に合う椅子は、決してデザインの良さだけではない。
座っていて、しっくりきて、違和感がないということが大切である。
それが自分だけの本当に良い椅子なのではないかと思う。
家具は長年共にすると、思い出と共に愛着が湧いてくる。
私の実家の椅子は、座り心地が悪くても両親にとって愛着があるものだと思う。
だから捨てるという選択は一度も考えたことはないと思う。
椅子はただ座るだけでなく、そこで食事し、学び、育つ…… 大切な場所だ。
そう考えると、自分にあった本当に良いものを使いたいと、私だったら思う。
座る家族に良い椅子の魅力を感じてもらいたいとも思う。
椅子を通して家の居心地がより良くなることを願う。
良い椅子に座っていると、ソファではなくダイニングで一日を過ごすことも多くなる。
私の家族は椅子よりも、床でゴロゴロすることが多いけれど、椅子を変えるだけで、暮らしが変わるかもしれない。今の暮らしに少しだけ別の楽しみが増えることも、もしかするとあるかもしれない。
ここだけの話になるが、実家の椅子を1脚だけ買い替えてみようと思っている。
椅子に全然興味のない家族に、本当に座り心地の良い椅子を感じてもらうために。
そして、私の働くお店に両親を連れてそれぞれの身体に合った椅子を提案してあげたいと思う。
長年寄り添った椅子と同じぐらい、大切にしたいと思える椅子を見つけてもらうために。
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