メディアグランプリ

自分をTV実況中継してみよう


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:葉田さつき(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「さつきさん、山手線に乗って座りました。ラッキーでしたね、この時間に座れるなんて」
「あ、スマホを見始めました。さつきさん、座ったらいつもスマホですね」
「さつきさん、だんだん背中が丸くなってきましたね。いつも姿勢に気を付けようって言っているのに、もう丸くなってきました。胸や肩のポジションもおちてきて、アゴも出てきました」
 
ここで、はっと気が付いた私、さつきは、胸を張り、さらに胸を上方前方に力を入れて張って、上がってきた肩を下ろし、アゴを引いた。
 
この1週間、意識して私が気を付けていることがある。
「姿勢を正しく」である。意識していないとすぐに背中が丸くなる。肩こり、背中痛、腰痛持ちの私が、マッサージの先生に言われた。
「さつきさん、もう少し胸張って、もっと上に伸びるように」
そのいい姿勢はとても苦しい。でも横の鏡でみるととてもきれいで自然。
「さつきさんの場合、肩こり、腰痛すべて姿勢が原因ですよ」
「姿勢がよくなると。体調も良くなりますよ」
「いつも、鏡があると思って姿勢を意識してチェックしてください」
 
トイレに行ったときに姿勢チェック、ショーウィンドウに移った私をチェック。
それらの時間はたかが知れていて、油断するとすぐに背中が丸くなっていた。
 
鏡を見てチェックだったら、動画でチェックできるといいなあ。
ずっと動画をとるってこと?
 
自分で自分をライブ中継してみよう!
 
心の中で、実況中継のアナウンサーを作り、ライブ中継してみた。
 
「さつきさん、今、PC作業の姿勢がよくなりましたね。実況中継が入るとやはり意識するのでしょうか」
 
実況中継が入ると、姿勢の悪い自分は見るに堪えらないので、自然に姿勢がよくなる。
「あ、仕事が中途半端なまま、ネットサーフィンはじめました。さぼり癖が出始めました。
このまま、仕事はほったらかしでしょうか?」
見ているとカッコ悪くて、さぼることなく一区切りつくまで、一所懸命仕事をするようになった。
 
これは、一石二鳥ではないか!
 
暫く続けていると、自然にアナウンサーに加えコメンテーターが入り、解説していることに気が付いた。
 
「さつきさん、この調子でいくと、予定通り仕事が終わるのではないでしょうか?」
「いつもなら、疲れたって休憩が入り、本人が意識しないままに休憩がだらだらと長くなるのに、中継が入るとぱっと切り替えて仕事に戻るようになりましたね」
「中継効果って大きいですね。さつきさんもてきぱきと仕事をこなす、できる女に見られたかったのでしょうか?」
「いやあ、本当に中継効果は大きいですね、本人がとても苦手な片づけも前よりきちんとしているように思いますね」
「いつも、なんでも時間ギリギリでバタバタしていたのに、少し余裕ができてきましたかね」
 
本当に中継されていると思うと、姿勢は正しく美しく、見かけも動作もきれいに渡欧応用になった。片づけや仕事の内容もよりきちんとしなければと意識してするようになった。身から身の回りからすべて美しく、である。仕事もてき声のトーンや話し方も気を付けるようになった。映されている自分は見るに堪える、できれば見ていたい素敵な俳優でいたい。
 
「さつきさん、この課題にはどう取り組むのでしょうか?」
「さつきさんには、この限られた時間でクオリティの高いものは難しいと思います。まずは仕上げることではないでしょうか」
 
コメンテーターさんのコメントは、私を見透かしたようなものが多い。
前に進むための辛口コメントが多く、逆にやる気になる。
 
そうして少しずつ前にいこうとしているうち、いつの間にか、アナウンサーとコメンテーターに加え、時々、応援団が加わっていた。
 
「さつきさん、素敵!」
「さつきさん、大好き! かっこいい!」
「さつきさん、ここをこのようにすればもっとよくなるかも」
 
応援団は3人の時もあれば、20人以上の団体の時もある。
主人公の私が考えたことに対して、ミュージカルのアンサンブルバックみたいに
「そうよ、そのとおりよ」って歌ったり、みんなで効果的にダンスをしてくれたりしている。
少女漫画のバックみたいに花を咲かせたような演出でほめてくれたりもする。
応援団のみんなは、私を元気づけようといろいろ工夫してくれる。
ほめられると単純にうれしい。もっとやろうという気になる。
 
自分実況中継には、アナウンサー一人から始まって、コメンテーターが入り、応援団まで加わった。ミュージカルみたいに効果音と照明までついていることもあった。
それはそれで楽しいし、元気になる。素敵な俳優になれている気がする。
 
シンプルにそのまま実況中継の時もある。
こういう場合は、しっかりと客観的に自分を見つめている。
いい機会だから、自分にいいきかせる。
「俳優だからって天狗になったらだめよ。しっかり自分のありのままをみよう」
 
自分を実況中継すること、言い換えると、自分を外から見るとどういう風にみられているだろうかと肌で感じること。このことは、私が「なりたい私」になるために効果的なツールではないだろうか?
何をやっても最後までできなかったふがいない私にとって「自分を実況中継すること」は最終兵器のような気がしてきた。自分を一度に変えるための強力な爆弾のような威力はないけど、内部から、少しずつじわじわと自分を変えていくための最後の切り札。
 
この最後の切り札をうまく利用して、自分を「なりたい私」に変えていきたい。
 
 
 
 
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2019-12-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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