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無趣味な私


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:わかっぺ(ライティング・ゼミ冬休み集中コース)
 
 
私には、趣味、といえる趣味がない。正確に言うと、以前は趣味があったが、今はない。けれど、この「趣味がない」という問題は、自分だけの問題だけではない。「趣味」という会話を通して、相手とのコミュニケーションの一つの手段として使われることが多いから、趣味がない、という問題は、実は意外と深刻な問題である。趣味がないんですよ、と答えると、質問した相手との間で、困った感じの空気が流れるし、その嫌な空気感に自分が全否定されているような感覚すらするので、お互いに辛い事態になる。もちろん、相手はそこまで思っていないかもしれないが。
 
 

けれど、実は、私はものすごくのめりこむ性格である。一度スイッチが入ったら、とことんやるので、以前は「趣味」という領域を超えて、生活のすべて、になってしまっていた。やるか、やらないか、の極端な性格のため、適度に楽しむ、ということができないのである。もはやこれは「趣味」ではないのだが。こうなるともう、他のことに一切目が向かないし、お金も時間もすべてそれにつぎ込むし、今考えると恐ろしい生活になっていた。大げさに聞こえるかもしれないが、狂気の沙汰、というレベルだったのである。そうこうしているうちに、そのエネルギーが枯渇して、そのこと自体が苦痛になってやめてしまい、一切やらなくなってしまった。そんなことを経て、今は無趣味になってしまった。
 
 
無趣味になってから、趣味を見つけようと、あれこれと模索してみた。けれど、見つけようとすると、見つからないもので、未だに「趣味」が見つからない。狂気の沙汰レベルにのめりこむのではなくても、なんとなく好きなことを「趣味」と言えばいいのだろうけども、なんとなく、というのがどうもできない性格のようである。そして、そのなんとなく程度のことを「好き」と軽々しく自分は言えない。困った性格だと思う。だから、軽い挨拶がわりの質問で「趣味は何ですか?」と聞かれることが、ものすごく苦痛である。そんな程度の、深い意味のない質問に対して、「趣味ってどの程度のことを言うんですか?」とか返したら、迷惑なことぐらいは分かるし、だからと言って、適当に「映画を観ることです」とか答えたら、「どんな映画ですか?」なんて返事が返ってくるわけで。最近観た適当な映画を答えたら、「その監督好きなんですか?」と聞かれるだろうし……。そんなことを頭の中でのシュミレーションしてしまい、適当な返答もできない自分がいる。
 
 
趣味がないというと、みんな決まって「趣味作ったほうがいいよ」とアドバイスしてくる。まるで無趣味が悪いことかのように。自分も今まで、そう思っていた、無趣味は、いけないことだと。だから無趣味になってから、必死で趣味を見つけようとしていた。みんなと同じ程度に、適度に好きなこと、を見つけようとしていた。お料理教室に行ってみたり、新しくスポーツを初めてみたり。けれど、結局そんなに好きになれず、続けられず、趣味のない寂しい人、として自分はやっていくしかない、と諦めた気持ちでいた。
 
 
けれど、ある時、「無趣味」になったことで、開放されたような、フラットになれた自分がいることに気づいた。むしろ今まで「趣味」は私を縛りつけていたのではないか、と。私の趣味は「〇〇です」ということで、それをやり続けなければいけない、その趣味の世界で一番をとりたい、一番をとるまでやり続ける、という強迫観念、強迫行為となって、心血を注ぎ込んでいた。適度に手を抜くなんてことができなかった。だから、「趣味」は私を苦しめた。けれど、「無趣味」になった今、そこから解放されて、なんとなくその時、その場で、目に飛び込んだものをふらっとやってみようかな、とか立ち寄ってみようかな、という気持ちになれたのである。「趣味」を持っていた時は、これができなかった。例えば、たまたまネットニュースで歌舞伎のことをやっていたから、歌舞伎を一度観てみようか、とか、電車の中刷りで見かけた場所の写真があまりに素敵だったから、行ってみようか、と思いつきでやってみるようになった。なんとなく何かをやる、ということができるようになった。今まで自分は、「趣味」以外のことは一切やらなかったし、やれなかったのに。「無趣味」になった今、自分は「趣味」から解放されたのだ、と思った。だから、無趣味であることは、決してマイナスなことではなく、色々なことを楽しめる状態なのだ、と。無趣味万歳!
 
 
だから、今、「趣味は何ですか?」の質問に対して、明るく「無趣味です。」と答えようと思っている。

 
 
 
 
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2019-12-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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