大人になった僕たちは、子どもに何かを教えられるようになったのだろうか。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」を受講したスタッフが書いたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:長尾創真(ライティング・ゼミ日曜コース)
「課長がこんなこと言っててさ、いや、そうじゃないだろって思ったんだよね」
「いや、分かる! なんなんやろうね!! まじ意味わからんよね!」
2020年5月。
東京に来て、初めて行った少しおしゃれな焼き鳥屋さんで左隣に座っているOLらしき2人組の声が聞こえてきた。
コロナの影響と、閉店間際だったこともあって、人はまばらな中、2人組の声が響きわたる。
「あの人が上司だから、上手くいかないんだよね」
「〇〇さんだったら、もっと上手く回してくれるんだろうけどね!」
ケラケラと乾いた声が店内をこだましていた。
店内の少し暗い照明も相まって、飲みの席がジメッとした雰囲気になっていた。
その話を聞いていたぼくは、
「こんな人には、ならないでおこう」
と、思った。
愚痴は、ドラッグだ。
簡単に手に入れることができて、周りのひとも巻き込む危険なドラッグだ。
愚痴を話している時は、楽しい気持ちになる。
いや、楽しい気がする。
周りの人が同調してくれるから、一体感ができる。
自分が会話の中心にいることができるから、注目されている錯覚に陥る。
愚痴の連鎖は繋がって、話が盛り上がっていくから、自分が場を盛り上げたように感じる。
逆に、愚痴を言わないと
「真面目だね」「いい人だね」
ひどいときには、「おもしろくないね」と言われる。
その言葉の裏には
「私たちとは違うんだね」という想いが無意識に含まれていて、
ちょっと距離を置かれたように感じる。
だから、一緒に飲んでいる人に愚痴を言われた時には、合わせて愚痴を言うのが楽。
楽に盛り上がって、一時的に楽しい空気を吸うことができる。
だから、どうしても、愚痴を言いたくなる。不満を言いたくなる。悪口を言いたくなる。
だって、仲間外れにされたくないから。
その場が盛り上がるから。一体感が生まれるから。
でも、それでも。
僕は、そんな理由で愚痴を言いたくない。
いくら一時的に楽しくても、その楽しさは偽りだと思うから。
それは、まるでドラッグのようで。
話は、少し逸れるけど、僕が尊敬する人は、一切悪口を言わない人だ。
感情的にならず、相手の良いところを認めることができて、
口を開けば褒めてくれて、
口を開けば夢を語ってくれる。
幸運にも、僕の周りに何人かそのような素敵な尊敬できる人がいる。
そのひとたちと話していると、
「僕も素敵な大人になりたい」
「尊敬される人間になりたい」
と思う。
いつもポジティブな空気を出していて、ワクワクしていて
人に元気を与えられる人になりたいと思う。
だから、ぼくは、愚痴は言わない。
愚痴を言うと、その場は楽しいけど、後から嫌な気持ちになる。
後からというより、愚痴を言い始めたそばから、嫌な気持ちになる。
「自分がここを離れたら悪口を言われるんじゃないか」
という恐怖に駆られる。
その会が終わってからも、
「自分が言ったことが本人に伝わってたらどうしよう」
そんなふうに考えてしまう。
そんなことを考えるのは、自分の心に、よくない。
それに加えて、だいたい悪口は広まる。
愚痴の対象になった本人の耳に届く。
「あの人がこんなこと言ってたよ」
と、誰かが必ず言う。
噂話が好きな人は、必ずいるから。
そして、影で悪口を言われていたことを知った人は、ものすごく嫌な気持ちになる。
直接言われる指摘よりも、影で回ってきた愚痴のほうがダメージは大きい。
愚痴を言われた人も、愚痴を言った人に悪口をこぼす。
「言いたいことがあるなら、直接言ってこいよ」
「なんでそんなこと言うん、まじでありえん」
きっとそう言う。
愚痴を言った瞬間は、楽しいかもしれない。
でも、愚痴を言った後は、悪いことしか待っていない。
自分にとってプラスなことは何一つない。
そして、周りにとってもマイナスなことしかない。
愚痴を言わなければ、そんなことは起きない。
だから、僕は愚痴を言わない。
愚痴の代わりに、相手を褒める。
愚痴の代わりに、夢を語る。
愚痴の代わりに、励ます。
愚痴というドラッグを絶対に飲まない。
ドラッグをやっている人に絶対にのまれない。
「人にされて嫌なことはしないようにしようね」
小学生の時、先生が教えてくれた。
大人になった僕たちは、子どもに何かを教えられるようになったのだろうか。
大人の僕たちが、背中を見せて、子どもたちに美しい世界を見せたい。
「こんな大人になりたい」
って思ってもらえるように。
「なんでそんなに楽しそうなの」
って疑問に思ってもらえるように。
自分の信念を持って、胸を張って歩ける人生を歩もう。
***
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