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偏愛のススメ


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記事:岡 志津(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
 
 
ビールのラベルを集めて世界中を旅する
本棚のあるところを研究する
なんでも回文にしちゃう
 
これが「偏愛」である。
 
……
 
最近雑誌などでも特集が組まれ、よく見かけるようになった気がする「偏愛」という言葉。
辞書的に書くと、偏愛とは、ある物や人だけをかたよって愛すること。また、その愛情のことである。
 
私が初めて偏愛と関わったのは、2018年12月に東京都の阿佐ヶ谷で行われた「偏愛マーケット」である。
不動産業の仕事の一環として、2017年から阿佐ヶ谷の「まちを面白がるチーム」の一員となり、まち歩きや駅前をジャックした音楽演奏、地図を片手に語り合う会などを行い、まちを楽しめるイベントを行ってきた。
そんな中での「偏愛マーケット」である。
 
「まちの面白さは、人の面白さでもあるんじゃないかと思って」
メインの企画者であるSさんはそう言った。
「強すぎるこだわりをもつ人たちに、ブースで偏愛を売ってもらおうかと。世の中はクリスマスマーケットやってる時期だけど、阿佐ヶ谷は偏愛マーケットってのも阿佐ヶ谷っぽくていいんじゃない?」
最初はよく分からなかったが、Sさんが言うなら面白くなるだろうと思いながら準備は進み、当日を迎えた。
 
偏愛マーケットの出店者は下記の5組。
 
・本があるトコ研究室(本棚偏愛)
本棚を研究しに行くときに使うノートや研究成果が当たるくじを販売。
喫茶店、個人宅など本が置いてある場所を訪れてインタビューや観察をする。中華屋の本棚は特に面白くてついつい研究してしまうそう。
 
・びいるとらべる(ビールのラベル偏愛)
ビールのラベルに関する小話(10円〜メニューあり)やラベル剥がし体験。
アジアのビールは保管の時に水滴が付くことが多く、糊があまくなって剥がしやすいらしい。
 
・ジャイキリ書店(「GIANT KILLING」30巻偏愛)
サッカー漫画「GIANT KILLING」30巻のみの販売。
30巻が一番アツイらしい。読んだことない人向けに偏愛さんのアツイ解説と、オリジナル解説チラシ付き。
 
・阿佐ヶ谷百貨店(阿佐ヶ谷偏愛)
阿佐ヶ谷ライターや阿佐ヶ谷トートバッグなどの阿佐ヶ谷グッズの販売。
 
・偏愛買取所(偏愛偏愛)
お客さんの偏愛を現金買取。人の偏愛を聞くことが大好物の偏愛さん。
 
なかなかパンチの効いた面々である。
 
そんなわけで、お客さんもおそるおそる近づいてきて「えーと?これは?」というところから偏愛さんたちとの会話がスタート。
始まってみると「お〜なるほど!」「わ!すごい!」という声があちらこちらから。
アツすぎる偏愛さんにお客さんが引いてしまうことはほとんど無かった。
 
結果は、もちろん「何百人来場!」「何百万円の売上!」ということにはならないが、「じわじわとくる」イベントとなった。
 
私も「うどんが好きすぎて、美味しくなくてもうどんなら何でも愛せる偏愛」を120円で買取ってもらい、ホクホクした気分で現金を握りしめながら帰路に着いた。
 
……なんだったんだろう? この偏愛マーケットというものは。
 
このイベントを振り返ってみると、「まちの面白さは、人の面白さでもある」というメイン企画者Sさんの言葉が正しかったことが証明されたように思う。
偏愛さんという面白い人たちがいる阿佐ヶ谷というまちは確かに面白かった。
偏愛さんたちは、名所旧跡や地元の名店だけでないまちの魅力になっていた。
 
また、偏愛さんたちから「こだわりのある生活は面白い」ということを教えてもらった。
一昔前だと「マニアック」「オタク」といった言葉がマイナスの言葉として使われ、一部では嘲笑の対象として扱われていたように思う。
その影響で、何か特別に好きなものがあってもあまり公にはせず、分かってくれる人たちだけで共有し合うだけになっていたのではと思う。
 
偏愛マーケット以降、私の居酒屋でのビールの選び方に「ラベルが剥がしやすいか」が加わった。逆に剥がしにくいラベルに挑戦する楽しみもある。
偏愛さん独特の目線で世界を見る。
つまり「◯◯メガネで世界をみる」と、ハズキルーペのCMじゃないが、世界が変わって見えるのだ。
 
偏愛のススメ。
自分の偏愛を見つけて、違う世界を見てみよう。
見えていなかったものを見てみよう。
 
難しかったら、まずは誰かの偏愛を面白がってみる。
ポイントは、「からかい」ではなく「尊敬」の気持ちを込めて面白がること。
その誰かは、自分にはまだ見えていないメガネをかけている先輩なのだ。
 
誰かの偏愛を面白がるきっかけとしては、100組以上の出店者が集まる秋葉原のイベント「マニアフェスタ」、テレビ番組だとTBSテレビの「マツコの知らない世界」、テレビ朝日の「タモリ倶楽部」あたりがオススメである。
 
そして、自分の偏愛が見つかったら、誰かに伝えてみよう。
私も「うどんが好きな話」をSNSに書いたらみんなが面白がってくれた。
たくさんのコメントで、さらに世界が広がった。
もしかしたら、逆に、私のうどん偏愛によって、違う世界を誰かに見せられたかもしれない。
 
偏愛のススメ。
世界が変わって見える、自分の偏愛メガネをかけてみよう。
世界は広いのだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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