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ワインとは表現を楽しむことである


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:井上祥邦(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
2020年7月7日は私たち夫婦の結婚記念日。
私は美味しいワインと料理を堪能した帰路の途中、妻にこう言った。
「いつも私を助けてくれて、どうもありがとう」
ワインを学んだおかげで、普段伝えられなかった感謝の気持ちを表現できたのである。
 
◉「つまみ」を楽しみたくてワインに目覚める
 
この冬から春にかけて、新型コロナウイルスの影響で世間は自粛ムードとなった。
そのため私は外食を楽しむ機会が減少し、オンライン飲み会が増えていったのだが、正直私はオンライン飲み会を楽しめなかった。
コンビニで買ってきた簡単な「つまみ」でお酒を飲むことに空虚な物足りなさを感じていたのだ。
 
この不満を解決するために勉強を始めたのがワインだった。
もともと私はパルミジャーノチーズや生ハムやナッツ類が好きだった。上手にワインを合わせれば、調理の必要がないこれらの「つまみ」を美味しく味わえると思ったからだ。
 
ワインの勉強を始めて数ヶ月経ったが、いまだにワインのぶどうの品種や産地などかろうじて覚えている程度ですぐには浮かんでこない。ワインのラベルの見方も正直読み解けない。コルクもまだ上手に開封できないでいる。
 
しかし初心者向けで味がわかりやすいリーズナブルなワインを週1〜2本飲んでいたおかげで、「つまみ」とワインの相性についての理解は、劇的に深まった。赤ワインの渋み・色味の違いや、白ワインの酸味・甘さの違いが認識できるようになってきたのだ。
例えば、しょっぱいチーズに合うワインは「甘口の白」が合う、なぜなら味が対極にあるもの同士は実は相性がいいからだ。ほかにも生ハムに合うワインは「味がしっかりした赤」、これは色が似ているもの同士の相性がいいからである。
 
ワインを勉強したおかげで、格段にオンライン飲み会が楽しくなっていった。
「つまみ」とワインを一緒に楽しめるような組み合わせ、や味覚の表現ができるようになったからだ。
 
◉ワインと料理のカップリング
 
数週間後にはコロナ感染拡大が落ち着いたので、今度はお店に行って本格的にワインと料理の相性についても知りたくなった。「食を味わって表現を楽しむ」ことについて次のステップに進みたいと思ったからだ。
 
忘れもしない2020年7月7日。その日は私たち夫婦の7回目の結婚記念日だった。自分の感覚を試すために美味しいワインが揃っているお店を訪れた。
そのお店はオーナーがオリジナルワインを作っていて、ワインを楽しむためにそれに合う料理を提案してくれるという、ワイン初心者である私たち夫婦に優しいお店だった。
 
その日のコースメニューは、ある貴重な赤ワインが主役になるという料理の構成だった。シェフは、そのワインに合わせてわざわざ料理コースを考案して組み立てたという。
私たちは、ソムリエに相談をして、前菜とメインで相性の良いワインをグラス毎にオーダーした。
 
最初の一品は、イエロートマトのガスパッチョ カボチャのパイ 玉ねぎのフリット。各々程良い酸味が聞いた小皿料理だったので、ウォーミングアップがてらスパークリングワインで舌と胃を刺激して次に出てくる料理を期待しながら待った。
 
次は手毬エビと冬瓜(とうがん)、そして剣先イカのマリネ&柑橘のサラダ仕立ての2品が前菜として登場。新鮮な海産物が、酸味を効かせたさわやかな風味に仕立てられていた。
それに合わせた白ワインは、柑橘系の香りですっきりした酸味とさりげない甘さだったので、海産物のストレートな酸味をより一層引き立てていた。それは口の中で社交ダンスをおどるような優雅な感覚だった。
 
そしてメインディッシュだが、その前にこのコースの主役である赤ワインを用意してもらった。初見でこれは特別なワインだと直感した。
グラスに注いでもらったこの赤ワインは、濃い赤なのに透き通るように鮮やかで、匂いは樽の香ばしさにベリーのさわやかさ、バニラ・シナモンのような甘さも感じる複合的な香りを感じた。
 
そして口に入れた感触は、飲む人の感覚を試すような複雑で渋みのある大人の味だった。
数種類のぶどうの存在が認識できるように舌をなめらかに包み込み、味を変化させていく感覚。自粛中に飲んでいた味がわかりやすいワインとはあきらかに違った。
 
このワインに合わせる「鰻とナスの重ね焼き」は、タレと一緒に焼き上げた鰻の蒲焼の上に、6mm角に小さく切ったカラッと揚げていたナスが積まれた料理。
芳醇な香りで色味がやや強いけど、味付けが濃すぎることがなく、赤ワインの濃厚な渋みと味わいを際立たせていた。さらにサクサクした食感だったので、噛むごとにうなぎとナスとワインが口内でシャッフルされて、お互いの素材の良さを引き出していた。
 
次に「信州和牛ミスジ肉のグリル」。見た目はスッキリしているが希少部位のミスジだけあって脂がしっかり乗っていた。
お肉一片を口にいれるとジュワーと濃厚過ぎるほどのお肉の味が広がる。しかし赤ワインを飲むと不思議なことにこの濃厚さが調和されて、噛み始めるとこってり感が取り除かれてお肉の上品な味がクローズアップされるのである。最初に荒々しい陣太鼓が鳴り響き、その後日本舞踊になるようなギャップを楽しむ感覚だった。
 
食事の時間もデザートを食べながら、余韻に浸る時間となった。
私は「マリアージュ」という言葉を実感すると共に、ワインを飲みながら「夫婦の関係」についても思考が及んだ。
私たち夫婦は、夫がクリエイティブを生み出すデザイナー、妻は金融業界で堅実なOL。全然違う人種でありながら、クリエイター思考と現実思考の長所と短所を、お互いフォローしてきた。
 
結婚記念ということもあり、センチメンタルに日常を振り返ると、妻には感謝することがポンポン浮かんできた。知らない間に部屋の掃除をしてくれること。当たり前のように朝晩の食事を作ってくれること。私が仕事で忙しいときは、子どもと一緒に遊んでくれること。 大変なことをさりげなくこなして私を助けてくれていたのだと今更ながら気がついた。
 
毎年結婚記念日を二人でお祝いしているが、このように感謝の気持ちが込み上げたのは初めてだった。ワインを勉強してから「食を味わって楽しむ」=「当たり前のことを深く考えて表現する」という感覚が強くなったからだろう。
ワインの知識だけではなく、人生の教訓のようなものにも気がつけたことは本当に幸運だった。
これからもワインの好奇心を追求すると同時に妻を大事にしていきたいと思えるような記憶に残る7回目の結婚記念日になったのだった。
 
 
 
 
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2020-08-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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