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予算はセクシーであれ


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記事:フジタシン(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「予算」という言葉は、多くの会社員、特にマネージャーにとって、よく耳にする嫌な言葉の代表といっても過言ではない。
 
例えば、達成するべき売上の「予算=ノルマ」に追われて苦しんだり、「経費の予算が足りない!」と嘆いたりする場面は少なくないだろう。
 
そもそもなぜ、会社は予算に縛られているのだろうか。
それは、とても平たくいうと、会社が株主に「今年はこれだけやりますよ」と約束をした成長と利益を守るために必要な数字だからだ。
 
私は、メーカーで予算作成の仕事を経験した後、コンサルティング会社で様々な会社の方々と予算管理について議論をしてきた。
 
そんな私が最近、確信していることがある。
それは、「良い予算はセクシーである」ということだ。
 
少し前、小泉環境大臣が「環境問題を“セクシー”に解決する」と言って少し非難を浴びていたので、ここでは何故、セクシーという言葉が相応しいかを説明しながら、その理由について説明したい。
 
まず、セクシーには、「派手」「キラキラ」「大胆」という印象があるだろう。
会社の予算も大胆でキラキラした戦略を中心にしたものにすべきなのだ。
例えば、予算編成会議で部長がこんなプレゼンテーションをしたらどうだろう。
 
「来年度のタピオカ事業部の予算は、過去最高の売上+50%を見込みます!」
 
(会場:おおお……!!)
 
「夏に発売を予定している新商品の成功がカギです。我々が3年間の研究の末に開発した新タピオカドリンクは、これまでの常識を覆す圧倒的な食感とおいしさに仕上がりました! 発売の際には、当社過去最大規模のマーケティングプロモーションを行います。そのコンセプトが、これです!!」
 
と言ってプロモーション映像を流せば、かなり「セクシー」である。
 
偉い人が見たら、「お、タピオカ事業部はやってくれそうだな!」と思うだろう。そして、部下が見て「よし! 今年は新製品の発売マジで頑張ろう!」と感じてくれれば、完璧だ。
 
しかし、セクシーさを語るには派手さだけでは十分とは言えない。
 
セクシーというと、引き締まった健康的な身体のイメージはないだろうか。
ダイエット広告によくある、「筋肉が程よくついた、メリハリのあるボディ」というやつだ。
 
会社経営では「筋肉質な財務体質」が良いと言われている。
会社にとっての筋肉とは、売上や利益を生み出す資産のことであり、優秀な社員や戦略、商品のことだ。この筋肉を増やす努力が必要だ。
その一方で、売れ残った在庫や過剰な設備は、ぜい肉のように削ぎ落とす。こうして筋肉質な会社を作るべきと言われている。
 
ただし、予算についてはただのムキムキではいけない。
予算には「筋肉と脂肪でメリハリのある」セクシーさが必要なのだ。
 
もし、先ほどのタピオカ事業部が、毎月のように新製品キャンペーンを成功させることを前提にした予算を組んでいたら、どうだろうか。
それぞれに綿密なマーケティング戦略が組まれていたとしても、思った通りの成果を上げられない可能性だってある。
想像以上に競合が増えたり、ブームが去ってしまったり、予算を構想した段階とは会社を取り巻く環境が大きく変わってしまっているかもしれない。
それにもかかわらず、毎月死ぬほどタピオカを売らないと達成できないノルマが組まれていたら、社員は疲弊して辞めていってしまうだろう。
 
予算会議でのプレゼンでは、新発売商品に集中して急成長を狙うという派手な戦略を予算化しているように見せておく。
しかし実は、裏にレモネードや抹茶スイーツの販売プランを隠し持っておいて、予算の中に小さく入れておく。それらは、うまくいかなくても大丈夫なように、在庫やコストを多めに見込んでおけば完璧だ。
 
もしタピオカが思ったよりも売れなかったら、筋肉だと思っていたタピオカはぜい肉に変わってしまう。そのときは、ぜい肉のように見せていた他の商品を鍛えて筋肉に変えられるようにするのだ。
 
でも、このぜい肉はあくまで筋肉と一緒にならないとセクシーではないというところがポイントだ。
 
派手でカッコいい戦略を掲げ、気合を入れて超えていく数字である「筋肉」の部分と、もし計画がポシャっても吸収できる「ぜい肉」部分をちょうどよく合わせ持つような予算が「セクシー」なのだ。
 
ちなみに、このぜい肉のことを専門用語では「予算スラック」という。
 
スラックは、多くの日本企業では「悪」とされる傾向にある。
本当はもっと頑張れる会社なのに、予算の「スラック=余剰部分」に甘えて成長機会を逃してしまっている! という論調だ。
 
これは、そもそも予算の中に力強い戦略が存在していないことが原因であることが多い。筋肉がないのに脂肪が多ければ、ただのデブだ。指摘をされても仕方がない。
 
本来、予算には正しいスラックが必要なはずだ。
特に、目まぐるしく市場環境が変わる昨今、昨年考えた戦略をそっくりそのまま実行に移せることの方が稀である。力強い戦略を持ちつつ、柔軟な対応ができるスラック部分が必要なのだ。
 
あなたの担当している事業の予算は、セクシーだろうか?
ぽっちゃりしすぎず、ムキムキすぎず、ナイスバディな予算をめざしてはいかがだろうか。
 
しかし、ナイスバディは1日では作れない。
場合によっては、一緒に頑張るトレーナーが必要である。
もしセクシーな予算作りに興味を持っていただいた方がいれば、今度一緒に議論できれば幸いである。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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