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出産の心得~超能力の存在を信じて~


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:海野そら (ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
パーン!
まるで、風船に針が刺さって弾け割れたような音がした。
一瞬の出来事だった。
何が起こったか理解するまでに、しばらくの間があった。
気が付くと生暖かい液体が腿の間に流れていた……。
確かに「もういつ出てきてもいいよ」とOKサインを送ったのは私だった。
 
皆さんは超能力の存在を信じるだろうか?
私は、科学的に証明できなくても本来は誰もがもっている可能性があるのではないかと思っている。
なぜなら、三度の出産を通して、赤ちゃんとテレパシーが通じるという経験をしたからだ。
 
長男出産の時は、里帰り出産だった。妊娠中毒症の心配があり8か月めで実家に帰った。その後症状がひどくなり9か月にはいってすぐ入院。院内感染でインフルエンザを発症。危険な状態になったため38週で計画的に分娩することが決まった。朝、陣痛促進剤をうち、もし夜までに生まれてこなければすぐ帝王切開に切り替えると宣告された。
 
緊張の朝を迎え、「もういつ出てきてもいいからね」と赤ちゃんに向けてテレパシーを送った。ほどなくして陣痛が来た。出産本には初産では陣痛発来から出産まで平均14時間かかる、陣痛がきてから子宮口が全開(10㎝)するまでその2/3以上を要すると書いてあった。しばらく我慢していたものの、こんなひどい痛みがずっと続くと思ったら耐えられない。不安になって看護婦さんを呼んだ。あまりにも痛がる私をみて、とりあえずという感じで子宮口をチェックした看護婦さんが驚きの声をあげた。すでにかなり開いていたようで、ばたばたと分娩台に運ばれた。
母子手帳に書かれた分娩所要時間は2時間26分。こんなにすぐに出てくるなんて、私のテレパシーが赤ちゃんに伝わったのだろうか……。と思ったが、その時はまだ半信半疑だった。
 
次男出産の時は、長男と夫は夫の実家にみてもらい、次男と私は実家の母が自宅にきてみてくれる手筈になっていた。母が働いていたため、3週間の休暇をとってもらうのに事前に日にちを決める必要があった。
それに加えて、自然分娩はなんだか怖いという不安があった。家で長男と二人きりのときに急に陣痛がきたらどうしよう。初産であんなに早かったのだから、あっという間にでてきてしまうかもしれない。
そんなわけで次男の出産も計画分娩に決め、計画した日の前日に入院することになった。
夫にはその日から2日休暇をとってもらっていた。
明日また来るからと夫が帰ろうとしたちょうどそのとき、テレパシーを送った。
「パパ帰るって。無事入院したし、もういつ出てきてもいいよ」
そして、冒頭のパーン! だ。突然、破水した。
 
すぐに先生が診察してくれた。
「えーっとね、今赤ちゃんと握手している」
「はぁ?」
「赤ちゃんが爪で卵膜を破って、片方の手が頭の上にある。このままでてくるのは難しいね。帝王切開になると思う」
思いがけない状況に啞然としたが、それでも平常心を保つことを心掛け、一生懸命テレパシーを送った。「このまま下からでてきてね。お願いね」
次男はほどなく自然分娩で誕生した。
「奇跡だね」と先生が出産後ぽつりと言った
 
三男出産の時は、和痛分娩を選択した。もう二度出産で痛い思いをしている。三度目くらいはせめて痛みを感じることがない方法を選んだとしても罰はあたるまい。
背中から硬膜外に細いチューブを挿入し硬膜外麻酔の処置を受け、腰部から足先までの感覚を鈍麻させる。とはいっても、足先を動かすことはできるし、子宮が収縮する感覚や赤ちゃんが降りて来る感覚も残るので赤ちゃんの回旋に合わせていきむこともできるという分娩方法である。全身麻酔ではないため、麻酔薬による赤ちゃんへの影響も少ないという。
 
いよいよ出産の日、麻酔をしてもらった。そして、例のごとくテレパシーを送った。
「もういつ出てきてもいいよ」
またしてもほどなくして陣痛がきた。
しかし、ここで問題が発生。麻酔をしたはずなのに、前に経験したのと同じくらい痛い。麻酔が効いていないのではないかと問うと腿をつねられた。痛くなかった。麻酔は効いているらしい。結局、残念ながら最後まで陣痛は和らぐことはなかったが、見事テレパシーが通じすぐにでてきてくれた。
 
出産は、女性にとって失敗するわけにはいかない人生の大舞台だ。
皆成功を祈って、母親学級に参加したり本を読んだり、事前に脳内リハーサルを何度も
繰り返して臨む。もちろん、本に書いてあることも科学的な知識を得ることも大切である。
けれど、これだけは信じてぜひ実践してみてほしい。
産む体制が整ったら、まずは「もういつ出てきてもいいよ」と赤ちゃんにテレパシーを送ること。必ず赤ちゃんは応えてくれる。
 
そしてもう一つ。予期せぬハプニングが起こる可能性が大いにあるということを心に留めておくこと。
出産は十人十色の即興舞台だ。たとえ何が起きたとしても、慌てずに心を整え乗り越えてほしい。
決して独り舞台ではない。お医者さんも看護婦さんも家族も、周りにいる皆があなたの味方である。そして一番の味方はおなかの赤ちゃんだということを忘れずに。
何かあったら赤ちゃんにテレパシーを送ろう。あなたの想いが伝わりどんなハプニングもきっと乗り越えられるはず。
 
三度の出産経験を通して私は信じる。あなたと赤ちゃんはテレパシーで繋がっていると。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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