「思い込み」の魔法
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
「思い込み」の魔法
記事:布袋 綾子(ライティング・ゼミ日曜コース)
あなたは「思い込み」という言葉に対して、どんなイメージを抱くだろうか?
よく聞くのは、「○○さんは、思い込みが激しい」とか「上司の○○さんに嫌われているんじゃないかと思い込んでいた」とか、凝り固まった・事実ではない情報にこだわる=悪いイメージはあるのではと思う。少なくとも、良いイメージはあまりない気がする。しかし、「思い込み」というのは、やっかいでもあるが、使い方によっては結果を変えるほどの力にもなる一面も隠されているのだ。
それを強く感じるようになったのは、第29回兵庫県高校女子駅伝競走大会、第4中継地点。
思っていたよりも暑さが残る10月の空の下、高校生3年生の私は、襷を持つ後輩が近づいてきた合図である「22番、○○高校、○○高校」の場内アナウンスがかかる瞬間を待っていた。
もともと緊張しがちな性格、いざ本番になると汗腺という全汗腺から汗が出て、手と足の動かし方まで分からなくなり、開口するにも苦労するくらいである。
そのうえ、高校生活3年間の集大成。ずっと憧れていたアンカーの座。もう後はない。緊張しないわけがない。
ただ、この日の私の気持ちは、普段の私とは違っていた。緊張するはずのこの状況下にも関わらず、不思議と頭の中はとてもクリアだった。
なぜなら、「走ってきた距離は裏切らないからなぁ。自信は持たなくても良いから、今まで走ってきた距離を信じればいいんじゃないの」出発前、父から掛けられたその言葉を、頭の中で何度もリフレインさせていたからだ。大雨警報の日も台風の日も、かんかん照りの日も、たった1日この日のために練習を重ねてきた。熱中症にもなったし、練習が終わった後はそのまま地面に倒れこむまで追い込んだ。あれだけ毎日、自らを極限まで追い込んで、仲間とともに積み重ねてきた距離というのは、本番に弱かろうが緊張しようが揺るぎない事実だ。
「先輩! ファイトー!」
沿道から聞こえる声援も、“プレッシャー”に目を向ければ不安になるが、“走ってきた距離”や“仲間たち“を思えば「まだ頑張れる」と、上を目指す気持ちが湧いてくる力の源になる。
「進め、前に進め」
どちらの思考にフォーカスをするかを考えた時に、後者を選択することを心に決めていたからこそ、苦しくなった場面であっても、揺るがずに前を追って走り続けた。
ゴールの直前には、一番勾配が厳しい坂道。ゴールに近づくにつれ沿道からの声援が大きくなる。
「行け―! ラストファイト!」
結果、ゴール後に確認したタイムは、1年ぶりの自己ベスト更新だった。
この体験から、私は「思い込み」の力の存在に気がつき、良くも悪くも利用できるのでは、と考えるようになった。
思い込みは、まるで毎朝考える服装のようなものである。
今日着ている服装、あなたはどうして、クローゼットの中からその服装を選んだだろうか?
今日こそ良い仕事をするのだ、そう意気込む日にはパリッと襟の決まったスーツを。デートの日には意中の相手に自分だけ見てもらえるようお気に入りのワンピースを。当たり前だが、その日の自分が、どの服装に身を包むか、それは自分自身が決めることができる。
そして、それは自分自身の気合いや心理にも影響し、さらには訪れる結果までも左右してしまうことだってある。
ここぞという場面で、色褪せて裾のほつれた洋服を選ぶ人はあまりいないはずだ。
思い込みもまた、おなじである。
感情(感じる気持ち)は自分の意識では変えられないが、一方で思考は変えることが可能だ。つまり、思い込みは自分の意識で変えられる。選択することができる。今ここで、最善の結果を得るためには、どんな気持ちで臨むのか、どんな思い込みをするか。それは、自分で選択することができるのだ。
自分はどんな思考の経路を辿っているのか、そして自分が幸せに生きるためにはどんな思考にしていきたいのか……。色々成果が出ず大きな壁を感じた時、そんなことについて思いを馳せ、紙に書き出してみると、ふと人生が色鮮やかに開けてくる時があると、私は感じている。
さて、現在、私は、人生で初めて、自分の貯金でセミナーを受講している。
何もない所から文章を生み出す「作文」は大の苦手、他人から評価を受けるのが怖いという気持ちも、ないわけではない。挑戦である。
だが、ここで失敗はプラスであるという思い込みを選択するとどうだろう。失敗することも学習であり、成長。何も取り柄が無い分、新しい可能性にかけてみたいという想いにはならなった。
参加すると決めた以上、何が何でも成長してやるのだ、そんな思い込みを繰り返し想起し、ひたむきに進みたい。そして、あの青春の日々のように忘れられない4か月にしていきたいと考えている。
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
お問い合わせ
■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム
■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
■天狼院書店「東京天狼院」
〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)
■天狼院書店「福岡天狼院」
〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
■天狼院書店「京都天狼院」
〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00
■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168
■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」
〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325
■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984