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サッカー観戦は修行だ


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記事:万力勇之介(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私は、サッカーが好きだ。
 
地元のJリーグクラブである、FC東京というクラブをかれこれ15年近く応援している。
 
15年近く、このクラブを応援してきて、優勝争い、降格、残留争い、主力選手の移籍など、クラブが遭遇してきた様々な出来事にひとりのファンとして立ち会った。そういった様々な出来事に立ち会い、その時々で様々な感情になる中で、私の中であるひとつの方程式のような物ができた。それは
 
「サッカー観戦は修行である」」
 
なぜ、私がそう考えるのか? また、なぜそのように考えるようになったのか、私のこれまでのサッカーと、FC東京と触れた出来事から書いていきたいと思う。
 
私は、東京都府中市で育った。FC東京のホームスタジアムがある味の素スタジアムまで自転車で約30分の場所で、私が小学4年の時に味の素スタジアムが完成してから地元の駅や商店街には横断幕やポスターなどが掲示されており、小学校高学年から中学生ぐらいにはFC東京は「地元のクラブ」という感じで街に根付いていた。また、そんな地域で育ち、サッカー好きであった父親の元、幼少期からサッカーに触れていて、自分でもプレーをしていたので、自然と「FC東京」というクラブに親しみを覚えていった。そんなFC東京の試合を私は、中学2年の時から友人に誘われて観に行き始めて、次第にハマり出し、「高校に進学したら、本気で応援しよう!」と真剣に思うようになっていた。
高校に進学した私は、その年のお正月に家族からもらったお年玉を使って年間チケットを購入した。土曜日も午前中は授業がある高校だったので、試合がある日は勉強道具、応援グッズを持って、通学して、授業が終わったらスタジアムに行くというようなことをやっていた。
大学に進学してからはアルバイトをしたり、成人してお酒が飲めるようになったこともあってスタジアムでの人間関係が構築できるようになっていた。スタジアムで知り合いに会って「こんにちは!」と挨拶する方も増えていった。また、そういう人間関係が構築していく中で、「今度の湘南戦、みんな一緒に車で乗り合わせて行くけど、お前も一緒にどう?」、「鳥取行くでしょ?みんなで車で行こうよ!」、「北京一緒に行こう?」など遠方の試合で一緒に行動したり、試合後、一緒に食事したり、観光したり、ホテルに泊まったりする関係の方も増えていった。そんな中で学校や仕事では知り合えなかった人達とお近づきになったり、楽しい趣味ができたと感じている。
 
そんな生活をして行く中で、決して良い思い出ばかりではなかった。寧ろ、悪い思い出の方が多かったかもしれない。
強いとは言えない、優勝争いは数年に一回、時には降格争いをする時もあるクラブを応援していく中で、勝った試合でもつまらない内容であったり、遠方の試合で高いお金、長い時間を掛けて試合で負け試合を見せられることもある。様々な想いを持って、行動していても報われることが少ないので、楽しい時間よりも耐える時間、悔しく、歯痒い時間を過ごすことの方が多かった。
選手の移籍や引退を目の当たりにした時も感情的に「え?何で?」と思う時もあったが、「選手もひとりの人間だよね」と考えるようになってからあまり考えなくなった。短い選手生活の中で、より高い年俸やより良い契約条件で他のクラブから誘われたら、そちらに流れるのは当然のことだし、「海外で自分の実力を試したい」などの夢に手が届くところにあるのであれば、その夢を選ぶのもひとりの人間の人生と考えれば当然のことかもしれない。いちファン、いちサポーターから見れば「チームが弱くなるから、行かないで!」という感情が湧くかもしれないが、「ひとりの人間の人生の選択」と考えた時に「頑張れよ!」と素直な気持ちで言えるようになった。
 
ライブや演劇、コンサートはファンであれば常に楽しいし、結果的に楽しい時間を過ごす事ができるかもしれない。しかし、贔屓の選手、チームがあってのサッカー観戦は常に楽しく、楽しい時間を過ごす事はできない。15年間で、300試合近く観に行った試合で、最高に楽しい試合、「本当に観に来てよかった!」と心の底から思える試合はひょっとすると年間で1試合あるかないか、トータルすると10試合もないかもしれない。勝つ時もあれば負ける時もあるし、勝ったとしても内容がつまらない試合もある。高いお金と時間を掛けて行った試合で負けた日には最悪だ。贔屓の選手が試合に出場しない時もある。基本的にストレスが溜まることの方が多いし、日常生活に支障をきたすこともたまにある。シーズンオフには贔屓の選手の移籍、引退によって失恋をしたかのような気持ちになることもある。基本的に目の前で起きている出来事に対して我慢すること、耐えることの方が多い。私が「サッカー観戦は修行である」と言う理由である。
 
「修行である」と言ったサッカー観戦だが、満員のスタジアムで体の芯から、日常生活では出さないような大きな声で歌ったり、旗を振り回したり、マフラーを掲げたりして、盛り上がって、ゴールが決まった時は狂喜乱舞する。その瞬間が病みつきになるから、「修行」に私は、15年ものめり込んでいるのかも知れない。
 
 
 
 
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2020-08-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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