メディアグランプリ

ウオーキングの世界から今新しい扉を開けライティングを始めた私

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:かとうみゆき(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私は毎朝5時ごろ起きてウオーキングをしている。40分~50分ほど川沿いを歩くのだ。それが今の自分にとって毎日の日課で平日のほぼ唯一外に出ている時間でもある。そこから私の一日が始まっていく。
 
朝歩いて家に帰ったら家族の朝食と夫のお弁当を作る。その後ご飯を食べて家族を仕事に送り出したら、すぐに夕飯の下ごしらえをしてからトイレ掃除など家事をする。
そして大体9時になった頃にパソコンの前に座るのだ。そこから締め切りに追われながら製図の仕事をするのである。合間にラジオを聞きながらお茶を飲みながらパソコンで作図をして、お昼になったらご飯を食べ、午後からも仕事をしてあっという間に夕方になる。
そして早めに夕食を済ませてかたずけをし、今日の予定分までの仕事を最後まで済ませたらやっとのんびりできる。
勤めを辞めて家で仕事をするようになって今年で5年目だ。通勤時間もいらないし面倒な人間関係もない。この生活スタイルは自分の理想のはずだった。
 
現在54歳。人生100年時代ならちょうど折り返し地点、旗の立っているポールをクルリと回って4つ歩を進めたばかりのところだ。仕事をして老後の蓄えをして、健康のために毎日歩く。変化のない決まった毎日を一日ずつ積み重ねていく。次の日も次の日も‥するとふとこのままでいいのだろうかという気持ちが出てくる。おかずのない白米だけ食べているような味が無いような毎日なのだ。
 
時々もうすぐ80歳になる母から電話がありイヤホンを付けて話をしながら仕事をする。
活動的な母からは「毎日いつも仕事ばかりしていてなんか楽しみあるの?」とおっとりと明るい声で言われたりする。
 
いやいや私だっていろいろ探してみた。資格の勉強もいくつかチャレンジしてみたり、人の助けになるような仕事をしてみたいと短い時間帯の介護や保育の職に3回くらい就いてみたけど、どれも上手くいかなかった。
特に福祉の仕事はその時々で瞬時に判断して行動に移さなければいけない事や命を守る責任の重さに押しつぶされいつも2か月続かなかった。
人生半ば? ……私にはいまだ自分の人生のテーマが見つかっていなかった。
 
それでも毎朝のウオーキングだけは、続いていた。雨や体調が悪い時以外は、どんな時も。
人に気になる事を言われてへこんだ時も、父の病気を知らされた時も、仕事で失敗した時も、家族の事で考えることがある時も、やめずに歩く。そして行って帰ると少しすっきりとして落ち着いた。
先日は蝉が道の端に落ちていた。この蝉は成虫になって6日目かな7日目かな..この間ラジオのパーソナリティーが、「死んでいると思った蝉が突然音を立てて暴れだすの、あれがすごい苦手!」と話してい……みんながいやだ、苦手だというけれど蝉の立場にしてみれば短い命なんだから最後まで力を惜しみなく使っているのだ。だから頑張っているんだよね、最後まで‥と蝉の事を考え、皆に嫌がられるのは不憫だな、でも私は認めているよ……その日は蝉に思いをはせながら家路についたのである。
私にとってウオーキングは本を読むのに似ているかもしれない、自分の気持ちを読んで感情を整理する、目に映ったものや事柄に対して頭の中で自分の文章が流れてくる。
 
そんな中、私は人から自分の書く文章について“暖かくて読みやすい内容だから、コピーライティングを勉強してみたら?”と言われる機会があった。そういうことを言われたのは初めてだった。えっ?という驚きがあった。……でもとても嬉しかった。小さなことを大きく言ってもらえただけかもしれないが、自分の文章が書けるようになりたい、自分なら出来るんじゃないか!という思いがむくむく湧いてきた。そしていつの間にかネットでこのライティングゼミを見つけて受講を申し込んでしまった。
 
しかし講座開催の数日前になり本当に自分に書けるのだろうかと不安が湧いてきた。自分には豊富な体験や人生経験が少ない。いろんな人と関わる事も苦手だし、毎日パソコン作業とウオーキングの繰り返し……私の生活は立体感が無い、ほぼ2次元の世界だ。そんな自分に文章が書けるだろうか。
ある日の朝も、私は本当に書けるだろうか・・と思いながら歩いていた。すると前の方から犬を連れて歩いてくる初老の男性がいた。あれ?朝歩いていて初めて見かける人かもしれない・・そう思って近くまで来たときにマスクの中から「おはようございます」とあいさつをした。するとその方は私に向かって人の良い笑顔と力のある声で出し惜しみせず「おはよう」と実に気持ちよくあいさつを返してくれた。
その瞬間、「今、世の中大変だしこれから暑くなりそうだけど、お互い良い一日でありますように!どうぞ今日も楽しく笑顔を忘れずに」そんな文章が頭を流れて、自分の世界が2次元から2.5次元に浮き上がってきた、そんな一瞬の出来事だった。その時確かに私は見知らぬ人からエールを受けた。力をもらった気持ちがした。はたから見ると普通そこまで感じる?と思われるかもしれないが、私はまだ見ぬ自分、これからなりたい自分と対峙した瞬間だったように感じた。見知らぬ方の笑顔が心に刻まれた。
私は人とのかかわりは得意じゃないけれどやっぱり人に興味があって人が好きなのだという事、そして人に対して無関心でいられない事も改めて気づいた。
だったら書けるかもしれない。私が書いたものをたくさんの人が読んでくれる、この画面の向こうにいる人たちに1つでも2つでも届く言葉があれば本望だ。自分の書く意味、生きてる意味がある。人の心に触れられるようなそんな文章が書けるようになれたらいいな。これからよろしくお願いします。
 
 
 
 

***
 
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2020-08-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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