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メディアグランプリ

語学学校では学べない英語


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:櫻木聖子(ライティング・ゼミ5月開講通信限定コース)
 
 
「教室にいても君たちの英語スキルは上がらないよ。語学学校に通う必要なんてないんだ。授業が終わったら街に出てアイルランド人と話しておいで。家に帰ったらテレビでもNetflixでもゲームでも何でもいい、とにかく字幕なしで1時間見るんだ」
 
突然教室に入ってきた、見慣れない顔の先生は椅子に座ると私たちにこんな話を始めた。
 
先生の話にみんな夢中になる。
 
もちろん私も。
 
語学学校の先生が「語学学校に通う必要なんてないんだ」っていうからびっくり。
 
「語学を習得するのに高いお金を払う必要はないんだ。私は中国語が話せる。でも勉強は一切しなかった。語学学校にも通ってない。ただひたすら字幕なしの中国のドラマや映画をみまくったよ。それを毎日続けたんだ。そしてめちゃくちゃな中国語で中国人と話しまくった。それだけだ」
 
そう言って先生は流暢な中国語を私たちに披露した。
 
中国人のクラスメイトは先生の中国語に驚く。
 
あまりに上手だったらしい。発音がきれいだって。
 
先生は私たちの担任が遅れてくるということで代わりにやってきた先生だった。
 
先生は熱く私たちに語った。
 
どうやったら英語が上達するのかを。
 
その前に、なぜ私がアイルランドにいるのかを話しておこう。
 
大学2年生の夏休み、私はアイルランドに語学留学をした。目的は、英語だけの生活にどっぷり浸かってみたかったから。そして、英語でコミュニケーションをとれるようになりたかったから。
 
そのきっかけとなったのは、好きな洋楽アーティストのライブでのことだった。
 
楽しそうにトークをしている洋楽アーティスト。
彼のジョークに笑うお客さんたち。
周りに流されて遅れて笑う私。
彼が何て言っているのかも、お客さんたちがなんで笑っているのかも、わからないのに。
 
私はそんな自分が悔しくなった。
 
そうして私はアイルランドへの短期留学を決意した。
 
私の語学力といえば、語学学校のクラス分けテストで下から2番目のクラス。初心者レベルだ。
 
約2か月間でどこまで成長できるか自分が楽しみだった。
 
しかし、語学学校に通えば英語が上達できるはず、と思っていた私はどうやら大間違いだったようだ。
 
「今、私の英語が聞き取れるのはわざとわかりやすい英語でゆっくり話しているからだよ。街に出てみて。こんな話し方で話す人はいないはずだ。本当の英語は語学学校では学べないよ」
 
先生はこう言った。しかもとってもわかりやすい英語で。
 
「なんだ、結構聞き取れるじゃん」って初日の授業で思ってしまった自分が恥ずかしくなった。
 
「騙されたと思ってやってみてほしい。毎日1時間、字幕なしでテレビでも映画でもNetflixでもゲームでも何でもいい。続けるんだ。最初はさっぱりわからないと思う。聞き取れないと思う。面白くないかもしれない。でも続けるんだ」
 
私は彼の話にどんどん引き込まれた。
 
これは騙されたと思ってやってみるしかない。
 
早速、Netflixを登録してお薦めされたドラマをその日から見始めた。案の定、喋るスピードが速すぎて全く理解できなかった。もはやただ映像をみているだけ。
 
聞き取れない日々が続いていた。
 
ところが、ある日いつも通りドラマを見ているとセリフが鮮明に耳に入ってきた。それに、意味もなんとなく想像がつくのだ。なぜなら映像が状況を教えてくれるから。
 
少しずつ、少しずつ、私は聞き取れる言葉を増やしていった。
同時に、聞き取れた英語を真似て発音するようにもなった。
 
毎朝ホームステイ先のリビングではラジオが流れている。はじめは全く聞き取れなかったそのラジオも無意識に耳に入ってくるようになった。
 
学校終わりにはアイルランド人と日本人のミートアップ(交流会)にも参加し、そこでネイティブと会話をした。休日にはひとりでアイルランド国内旅行にもでかけて、パブで現地の人と話すこともあった。
 
自分の世界がどんどん広がってとってもワクワクした。
 
アイルランドに来て1か月が経った頃、私は上のクラスに入るための試験に挑戦した。ちょっと力試しに受けてみたら、高得点をとって上のクラスに上がることができた。
 
続けてきたことがそのときはじめて結果として現れた。
 
残りの約1か月新しいクラスでの授業がスタートした。やはり、上のクラスだけあって今までの授業より難易度がグッと上がった気がした。
 
そんなある日、またあの先生が教室にやってきた。このクラスの担任になったそうだ。先生ははじめにまたあの話をし始めた。
 
「毎日1時間、テレビでも映画でもNetflixでもゲームでも何でもいい。字幕なしで見続けるんだ。そして街に出てネイティブたちと話すんだ」
 
先生が言っていたことを続けてきて約2か月。
 
私の英語を聞いた先生は最後にこんなことを言ってくれた。
 
「ものすごくリアルな英語を話せるようになったね。上手だよ」
 
お世辞だったかもしれないけれど、自分の成長を実感した留学生活だった。
 
 
 
 
***
 
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2020-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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