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レジ袋は私を変える


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記事:高岡恵子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
なんだか最近、スーパーのレジがとても大変である。
アプリ登録によってクーポンが画面表示されるようになり、スマホの用意が必要になる。
その商品がレジを通過してからしか使用できないので、画面が消えないように注意しながらスマホを持ったまま待つ。
前回買い物をした際に発行される紙のクーポンも持っているのでそれの準備。
おまけにコロナの影響でマイバック持参の場合は、衛生上かごにバッグをセットするのもこちら側の仕事。
そして最後にプリベートカードの用意をしてそのカードを使う旨のボタンを押す。
なんだかなぁ のすごい作業量である。
 
昔、おばあちゃんと行った買い物は、これらのことはなに一つなかった。
竹細工の買い物かごに財布をポンッと入れて、ものを買ったらお金を払い、自分でかごに入れる。
個人商店ならクーポン無くても、端数負けとくよーで済んだ話。
便利にお得になったようで、実はとっても複雑な世の中になった。
 
そんな中、7月から今まで便利にもらっていたレジ袋の有料化が始まった。
1円でも安くと思う主婦としては、なるべくエコバッグを持参しようと考える。
考えるには考えたけれど……。
お金のためもあるけど、環境問題のため、プラスチックの過剰使用抑制のため。
わかる。
でもね、私はレジ袋は欲しい。
私は今まで配られていたレジ袋を無駄にした事は無い。
小さな袋は、台所で生ゴミ入れとなり、大きな袋はゴミ箱にセットして、活用される。
むやみに捨てた事は1度もないから。
だから反対に、今ではわざわざゴミ袋用の袋(レジ袋と同じもの) を買う羽目になってしまった。
ゴミになる予定の100枚入りのビニール袋を、エコバッグに入れて買ってくるのだ。
でもそれって本末転倒だよね?
結局袋を使うなら、ちっとも環境問題に貢献していないじゃないか。
この取り組みに、私は何も役に立っていないじゃないか。
 
未来の地球、未来の子どもたちのために?
大袈裟なことは言うことも、することもできないけれど、少しでも考えていきたい。
じゃぁ、袋問題で私にできる事はなんだろう?
ちょっと真剣に考えてみる。
発想の転換というやつを考えてみた。
 
住んでいる地域によって分別方法が違うと思うが、私の住んでいる場所では、生ごみ・紙類・プラスチックはすべてまとめて「燃やすゴミ」 で処理される。
回収用のゴミ袋は有料であるが、その分割と分別がたやすい。
その中で、生ごみは結構少ない。
ほとんどが紙とプラスチック類。
つまり回収日まできちんと袋詰めをしなくても匂いとかないゴミがほとんど。
それを今まではすべて、袋をかぶせた室内のゴミ箱へ入れて、袋ごと結んで室外の大きなゴミ袋に捨てていた。
次の回収日まで繰り返される。
つまり、大きなゴミ袋の中は小さなゴミ袋の集まりだった。
回収用の有料のゴミ袋は、小さい袋をまとめるためだけに使われていた。
 
二重に包みたいものはごく少量だということに今更気がついた。
そうだ! 紙などは、袋ごとではなく中身だけを直接室外の大きな袋に直接捨てに行けば済むことだったのだ。
今まで考えもしなかった。 気がつくこともなかった。
人によっては当たり前のことだろうが、私には当たり前でなかった。
全然使いませんということはできなくても、袋自体を減らすことはできた。
これでちょっぴり貢献できるかも。
 
そして今では反対に、袋をもらえないことがありがたかったりする。
「袋」 という存在が家の中にあふれることなく、自分の意思で使う分だけを用意することができる。
自分の立ち位置が、モノより上になったと感じた。
 
発想の転換をしたら、もらえないことが嬉しいという真逆の結論になった。
 
「見方を変える」
なにげなく毎日を送っていたら、それが当たり前で考えることすらない。
特に意識もしないで空気のように日常が過ぎていく。
「なにかがおかしいかも?」 「もっといい方法があるんじゃないか?」 と疑問に抱く力があれば、そこから取り組むことができる。
自分にとっても人にとっても心地よく感じる時間や場所や考え方が育っていくように思う。
 
最近の世の中、当たり前と思っていたことが、実は当たり前ではなくなってきた。
この変化についていくために、自分にできることを考える機会が増えてきているように思われる。
たかがレジ袋、されど である。
小さな小さな取り組みだけど、ここからスタート。
 
しかしながら、次の課題はもう見つかっている。
紙袋は無料でもらえる。
有名どころの紙袋は素敵で、手に入ることがうれしかったりして、捨てられないで溜まっていく。
さて、どう解決していこうか?
 
《終わり》
 
 
 
 
***
 
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2020-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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