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華麗なるジェットコースターストーリーの沼へようこそ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:イマムラカナコ(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「あーあ、続きはまた来週か……」
金曜日になると、一週間の楽しみが途切れてしまう。
来週になるまで、続きが気になるが仕方ない。
月曜日から金曜日までの週5日。
私は、ローカルテレビで放映されている韓国の時代劇にハマっている。
 
韓国ドラマとの出会いは、今から15年以上前だったと思う。
きっかけは、実家の母が観ていた『宮廷女官チャングムの誓い』。
「面白いから、観てみてよ」
ドラマにハマらない母が、珍しく熱中していた。
 
韓国ドラマ、とりわけ歴史ドラマは、怒涛の展開に驚くことが多い。
日本だったら、そんなことあり得ない。
そう思うことも度々だ。
かく言う私も、疑心暗鬼で観ていたのだが、母お薦めの「チャングム」に見事に両足を突っ込んでしまった。
 
初めは、ちょっと斜に構えて観ていた。
何だか、日本のドラマと比べたら大袈裟で、ドラマチック過ぎるから。
そんなことあるワケないやん。
なのに、そう突っ込みつつも続きを見てしまう。
 
何しろ話が面白いのだ。
韓国の歴史ドラマは、たいてい王位を巡る確執や陰謀が背景にあるのだが、その中で主人公が、健気にも真っ直ぐ生きていく姿に心を打たれてしまう。
次から次へと襲ってくる刺客、罠、流刑など不幸の数々。
実際にはあり得ない設定が多いことも認めよう。
でも主人公たちは、どうにかこうにか奇跡的に数々の難関を潜り抜けていくのだ。
 
いつの間にか、主人公に感情移入してしまう。
ガチガチの儒教的考えや身分制度に縛られて、自由に身動きができない立場の弱い人々を、ついつい応援したくなってしまう。
純粋に真っ直ぐに権力に屈せず、自らの才覚で人生を切り開いていく登場人物に憧れすら感じてしまうのだ。
 
毎回、放送終了2、3分前には、必ず次の話へつながるショッキングな出来事が起こる。
主人公の不安そうな顔や、驚いた顔のカットで終わることが多いのだ。
そんな終わり方をされては、次が気になって仕方ない。
今度は、どんなやり方で乗り越えていくのだろう。
主人公だから死にはしない筈だけど、この難局に対抗する手立てはあるのだろうか?
気持ちはすっかり、主人公である彼らの親戚のおばちゃんである。
 
視聴者を引き込む力。
韓国の時代劇には、それが備わっている。
韓国のドラマは、日本のドラマのように1クールが10話や12話くらいでは終わらない。
確か「チャングム」も50話以上あったように記憶している。
とにかく、長い。
それなのに、初めはその設定に違和感を覚えることがあったとしても、最後まで私の心を捉えて離さないのだ。
 
私の影響で、夫まで韓国の歴史ドラマにハマってしまった。
夫は、恋愛ドラマを観ることはない。
ベタな恋愛ドラマは、観ていると寒くなってしまって、(本人曰く、恥ずかしくなってきて)落ち着かないらしい。
歴史ドラマだと、政治的要素もあるので恋愛エピソードがちょっとくらい出てきても大丈夫らしい。
私が観ているローカルテレビは、平日の朝8時から1時間を韓国時代劇枠にしているらしく、視聴しているドラマの最終回の5日前ぐらいから新しく放映されるドラマの告知がある。
今見ている物話が終わっても、告知を観るとまた新たな物語に期待してしまう。
韓国ドラマファンとなった私たち夫婦は、毎朝録画したものをその日の晩御飯の時に視聴するのがルーティンになった。
韓国ドラマは、夫婦の会話にも一役買ってくれている。
 
だいたい、韓国の歴史ドラマは、主人公が対抗勢力に打ち勝ち、自分の生き方を貫くというラストが待っている。
ラストが悲劇的になることはあまりなく、全て観終わった後に何だか良かったよねと清々しい気持ちになるものが多い。
 
日本のドラマで言えば、さしずめ水戸黄門のようなものだ。
水戸黄門は、勧善懲悪のストーリーだ。
様々なしがらみの中必死で生きている人達と出会った黄門様が、伝家の宝刀「葵の御紋の入った印籠」を武器に、世直しの旅をしていくというのが毎回の流れだ。
私たちは、黄門様が困難を収めてくれると分かっているのにハラハラし、いざという時に助けてくれる黄門様御一行に安心してストーリーに身を委ねることができるのだ。
 
予定調和的安心感。
どんなに困難があったとしても、必ず乗り越えていける。
何か起こったとしても、手を差し伸べてくれる仲間がいる。
真摯に生きていれば、きちんと見てくれている人がいる。
現代に生きる私たちも、心の中にこんな安心できる核があれば、前向きに生きていけそうな気がする。
 
お隣の国の、時代も文化も違うストーリー。
韓国の時代劇が長編にもかかわらず最後まで見てしまうのは、まるでジェットコースターのように疾走感のある物語展開と、登場人物のひたむきな生き方に引かれるから。
最終的に主人公と敵対する勢力の悪事が暴かれる様は、散々どうなるか気を揉んだおばちゃんにとっては、スッキリすることこの上なしである。
ストレス社会に生きる私たちに、一服の清涼剤を与えてくれる。
ちなみに、登場人物は美男美女が多いので、美意識が刺激されることも付け加えておこう。
 
私のお薦めは、宮廷女官から後の王の母となる『トンイ』、王位継承者でありながら波乱万丈な人生を歩む『イ・サン』、獣医から王の主治医まで登りつめる『馬医』。
まだ観たことがないという方、試しにちょっと観てほしい。
Amazon Primeなどでも、観ることができる。
気軽に楽しめるエンタメの沼へようこそ。
気づいた時には、その魅力から抜け出せなくなること間違いなしである。
 
≪終わり≫
 
 
 
 
***
 
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2020-09-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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