一冊のノートで弱い自分から抜け出せた話
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一冊のノートで弱い自分から抜け出せた話
記事:森本雄大(ライティング・ゼミ日曜コース)
僕は決して強い人間ではない。
でも、以前に比べれば少し強くなれた実感がある。
僕を変えてくれたのはノートに日記をつける習慣だ。
毎日ではないが、もう5年以上も日記をつけている。
不思議なことに、日記をつけ始めてからというもの、人生が良い方向に向かい始めている実感があるのだ。
日記の習慣を取り入れたのは大学1年生のころ。それまでの自分は、非常にくよくよ悩む性格だった。それに加えて、判断力が致命的になかった。
ひとつ悩み事があると、そのことが頭から離れず、ぐるぐるとループしてしまう。
人から言われた嫌なこと、部活で失敗したこと、彼女との恋愛のこと……
高校の部活では、上手ではなかった僕はとにかく顧問から怒られ続けた。
委縮してしまい、よりパフォーマンスが上がらず、結果が出せなくなった。
人間関係では、数時間経つと気持ちが変わっていることなんて日常茶飯事で、全て感情に任せて判断していた。
そうすると当然判断ミスを起こし、発言一つで人間関係もこじれた。
友達のグループにいることに、どこか神経をすり減らしていた。
頭の中を整理する術を知らず、悩みすぎて胃が痛くなることもあった。
一時期は体重が10キロ以上も落ち込み、これはいよいよまずいと思っていた。
そんな僕に転機が訪れたのは、大学生の頃に彼女とケンカをした時だった。
旅行先で、恋人の鐘を鳴らすかどうかのような些細な原因だったことを覚えている。
しかし、変にこじれてしまい旅行の雰囲気は最悪。解散してからも気分が重かった。
例のごとく頭の中で様々な感情が巻き起こり、何も他のことが手がつかなくなった。
布団にもぐって気持ちをやり過ごしていたが、このままでは何も変わらないという気持ちが僕を動かした。
目に入ったのは一冊のノート。
ふと思いたち、そのノートに自分の気持ちを全て書き綴ってみた。
何に自分は怒っているのか、後悔しているのか。何がいけなかったのか。今後どうしたいと思うのか。脈絡のない文章だったが、3ページに及ぶほどひたすら書きまくった。
少し気持ちが落ち着いては、また書く。その繰り返しで、自分とひたすらに向き合ってみた。
無我夢中だったが、書き終えるとこれまでになく心が晴れていた。
そして、今後どうやって彼女と向き合っていくのかの解決策が見えていることに気が付いた。
それは今まで、頭の中だけで考えていてはできないことだった。
それからは感情を書き綴るだけでなく、問題が起きたら樹形図を書いて原因を探ってみたり、これからやりたいことを書いたりもした。
日記をつけることが楽しくなり、いつしか習慣になっていった。
初めは脈絡のない文章だったが、徐々に簡潔な文章でも頭の中を整理できるようになった。
今ではほぼ1ページ分、箇条書きの文章だけで問題が解決することも多い。
日記での問題解決を身に着けると、失敗を恐れることが減った。
大学のサークルでは代表に挑戦し、紆余曲折ありながら任期を全うした。
当時の彼女とも信頼関係を築けるようになっていった。
就職は営業職にチャレンジした。成功かどうかはわからないが、日々直面する問題にも何とか食らいついていけている。
今は自分の好きに気づき、ライティング活動に絶賛没頭中だ。
書き始めた当初は、こんなに自分を変えてくれるとは思いもしなかった。
まるで弱い自分を抜け出すトンネルを見つけたような感覚だった。
日記を書くことのメリットは大きく下記の4点だと僕は感じている。
①くよくよ悩まなくなった
自分の感情を客観的に見ることができるとともに、ストレス発散の効果があった。
書いていると悩みの原因が見えてくるので、悩んでも仕方ないことが明確になる。
新たな悩みができた時も、過去の日記を読み返すことで、「あの時も大丈夫だった!」
と自信が持てるようになった。
②深く考えることができるようになった
問題に対して、頭の中だけではたどり着けないレベルまで深く考えることができるようになった。悩む時間が減り、解決のための行動に移す時間が増えていった。
③自分を知れた
どういうことで自分は感情が動くのか、どういう時に失敗しやすいのか、というような傾向が見えてきた。失敗が減ったり、物事を選択するときの基準ができた。
④人生が楽しくなった
今後こういうことしたい!というビジョンを書くと、より意識の中に残り、人生に希望を持てるようになった。行動力が上がって、活発になれた。
あの時ノートを手に取らなかったら、きっと今でもくよくよと悩み続ける日々が続いただろう。
僕は少し特殊なのかもしれないが、何か皆さんに伝わることがあればこんなに嬉しいことはない。
自分を変えるきっかけは、ほんの少しの行動で作り出せる。
今日も仕事に、人生の方向性についてと考え事が満載だ。
とりあえず、ノートを開いて考えることにしようか。
***
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