坐禅会は枕のようなものである
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記事:E.MIO (ライティング・ゼミ日曜コース)
坐禅といえば、みなさん、どんなイメージを持っているだろうか?
棒で叩かれる、ずっと同じ姿勢を維持していなくてはならない、余り良いイメージがないのではないだろうか?
私は、かれこれ坐禅を始めてから4年ほどになる。もし、ネガティブなイメージを持たれているとしたら、そうではないことをお伝えしたい。そして、坐禅は効用もあるので、是非みなさんにも勧めたい。
私が坐禅を始めたきっかけは、朝活の一環で、ただ、面白そうだという好奇心からだった。確かに、イメージとして、足が痛いだろうな、というのはあった。しかし、実際にお坊さんの指導を受けて座ってみるとそうでもなかった。というのも、坐禅の前に、入念なストレッチの指導があったからである。
坐禅は、鎌倉時代に曹洞宗を開いた道元禅師の言葉をもって「安楽の法門」と言われるくらい、心も体も楽にしてくれる姿勢である。しかし、残念なことに、我々現代人と鎌倉時代の道元禅師とは、同じ日本人とはいえ、全く生活習慣が異なる。特に、洋風の生活に慣れた現代の日本人は、畳の上で立ったり座ったりする生活をしていないため、下半身が柔軟に使えないことが多い。そのため、坐禅を始める前に、特に下半身を緩めるストレッチが必要なのだ。だから、無理に、結跏趺坐といって、両足を互いに交差させて膝の上に上げる必要もない。あぐらの姿勢からで十分なのである。
そのため、最初に体験するのであれば、ただ坐ることから始める坐禅会ではなく、坐禅の前に、ストレッチや柔軟体操を行っている坐禅会に参加したほうが良い。初回でも、十分にストレッチをすれば、だいぶ楽に坐ることができるし、回数をこなせば、だいぶ体は変わってくる。
さて、姿勢については、慣れてくることができるが、そもそも坐禅の効用とは何だろうか? 効用を求めてやみくもに坐禅することを良しとしない考え方もあるが、私は2つの点を提示したい。
1つ目は、やはり、心が落ち着くことである。私もそうだが、現代人は日々、忙しく過ごしている。時間の流れが速くなっていることで、仕事も私生活も、同時並行で何かをこなさなければいけないことがよくある。さらに、スマホが広まったことによって「ながら」行動も増えた。私などは、本来、体に栄養を取り込む大切な時間であるはずの食事の時間も、スマホを見ながら食事をしている始末である。
しかも、コロナ禍で、在宅勤務が増加し、公私の境目がなくなると、余計に忙しい。洗濯機のボタンを押したと思ったら、ウェブ会議が始まり、会議の途中にAmazonの配達が来て大慌てで、配達を受け取り、会議に戻る。昼食の時間もそこそこに資料を作り、何本もの会議をこなし、気がつけば夕方18時だ。
そのような心身ともにざわついている時、正しい姿勢で座る。丹田にすっと力が入り、「今ここにあること」だけに集中していると不思議と、目の前の世界がクリアになり、落ち着いてくる。さらに、呼吸に集中すると、胸に空気が広がり、そこから身体の隅々まで酸素が行き渡る感覚が出てきて、エネルギーが湧いてくるのだ。体にエネルギーが湧いてくれば、何かポジティブな気持ちになれるのだから、全く不思議な効用である。大事なことは、雑念は湧いてくるのをそのままにしておくこと。無理に消そうとしなくても良い。
坐禅はいつでもどこでも手軽にできるのも良いところだ。1日に1度、5分でも10分でも、坐る時間を持てれば、心は大分、落ち着いていく。
さて、坐禅の2つ目の効用だが、これは、坐禅仲間との繋がりがもたらす安心感である。坐禅は手軽に一人でもできるが、坐るのに慣れていなくて、体の使い方を学んだり、1人で集中できない時は、坐禅会に参加するのが良い。坐禅会は強制的に皆でその場に没入するようになっているから気が散りにくい。また、坐禅会によっては、坐禅を終えた後に、簡単な茶話会があるところもある。出席者の自己紹介と、何故坐禅会に来たのかを簡単に全員で共有することになっているのだが、何を話しても良い。どんな話であっても、ただ皆で、否定するのでもなく、受け止める。日常生活で、ただ話し、それが受け入れられる場というのは意外と少ないのではないだろうか?
一方で、坐禅会で茶話会がなかったとしても、全員で坐り、同じ時間を共有することで、終わる頃には何か暖かい空気に包まれ、安心感が生まれるのだから、全く不思議なものである。コロナ禍で坐禅会も休止していたところが多かったが徐々に開催されるようになってきた。多くの坐禅会がインターネットで検索もできるので、これから始めてみようという人は是非調べてみてほしい。
あれこれと書いてみたが、坐禅は、簡単に言ってみれば、寝るときに使う枕のようなものである。就寝時に、首を支え、寝やすい姿勢に保ってくれる枕は、なくても寝られるが、あった方が断然、ぐっすりと寝やすい。坐禅も同じようなもので、坐らなくても困らないような気がするが、坐った方が断然心が落ち着くものだ。
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