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プロレス復活を支えたイケメンレスラー


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:篁五郎(ライティング・ゼミ特講)
 
 
プロレスラーと聞くとどんなイメージをするだろうか。
 
「身体がごつい」
「顔が怖い」
「大食い」
「近寄りがたい雰囲気がある」
 
こうしたイメージを持たれるだろう。それはその通り。かつてプロレスラーは一般人とは違うんだと思わせるためにかなりの無茶をしてきた。
 
有名なのがお酒。アントニオ猪木は師匠の力道山の付き人をしている頃、ビールの一気飲みなんてできて当たり前。ヘネシーを瓶ごと一気飲みさせられていた。失敗すると力道山から灰皿で殴られるというプレッシャーの中でやっていたという。
 
食についてもそうだ。プロレスラーは身体が資本。デカくするために食事は常に山盛り。新弟子はちゃんこ鍋でどんぶり五杯、ご飯もどんぶり五杯がノルマ。食べないと部屋に帰してもらえない。一回の食事で炊くご飯の量は一升が普通で合同練習でレスラーが増えると二升、三升までいくという。肉は一〇kg単位で消化される。
 
昔、新幹線に食堂があったときに食事のメニューを全部食べた大食漢もいた。今年の2月に引退した中西学はホテルのビュッフェメニューを「モンスターモーニング」と名付け、大量の朝食をツイッターに投稿していた。余りの量の多さはネットメディアでニュースにされるほど。
 
しかし、現在ではそんなイメージとは違ったプロレスラーがたくさんいる。端整な顔立ちでビルドアップされているが、シックスパックは見えるほど絞り上げた肉体を持ち、華麗な技で観客を魅了するイケメンレスラーがプロレス女子の間で大人気である。
 
その筆頭が棚橋弘至。棚橋は茶髪のロン毛でチャラさをプロレスに持ち込んだイケメン系レスラーの元祖。試合が終われば笑顔をファンに見せて「愛してまーす!」と叫び、エアギターをかき鳴らす。
 
リングから帰るときにはファンから投げ込まれたタオルを受け取り汗を拭いて返し、ハイタッチも忘れない。
 
サイン会を開けばファン一人ひとりの目を見て話をしてハグのサービスも望まれればやる。かつてはサインどころか近づくのも怖い存在だったプロレスラーがファンの近くにまで降りてきた。
 
棚橋弘至の存在なくして今の状況はあり得なかっただろう。
 
その棚橋を乗り越えるべく奮闘してきたのがオカダカズチカ。2012年に2年間の海外遠征から凱旋帰国したオカダは棚橋に挑戦状を叩きつけて新日本プロレスのトップに立つことを宣言。ファンからはブーイングを浴びるも棚橋が持つベルトを一発で奪い取ってしまった。
 
この時の戦いは「レインメーカーショック」と呼ばれ、新日本プロレスは棚橋とオカダの二大体制に入った。
 
そこからオカダの人気は爆発。190cmの長身、整った顔立ち、無駄な脂肪がないボディ。それに加えて100m11秒台で走り、垂直跳び1mと高い運動能力を持ち、当時24歳と若さ故の憎まれ口もプロレス女子の心をくすぐった。
 
あまりの人気に会社が結婚禁止令を出したほどである。
 
しかしプロレスに一切妥協はない。棚橋の存在を超えるかのように団体の象徴であるIWGPヘビー級のベルトを何度も腰に巻き、メインイベントを閉めれば
 
「この俺がいる限り、新日本プロレスに、いや、プロレス界に金の雨が降るぞ!」
 
こう叫び、プロレス界を潤してきた。そんなオカダも32歳。名実共にプロレス界を引っ張る存在として走り続けてきた。昨年、結婚をし、公私とも益々充実している。
 
その二人に負けないほどのプロレス女子のハートを掴んでいるのが飯伏幸太だ。
 
飯伏は先の二人とちょっと色合いが違う。
 
元々新日本プロレスに入門してきたわけではなく、別のインディ団体でデビュー。クールな眼差しにギリシャ彫刻のような筋肉を身にまとったイケメンレスラーである。見た目の良さからプロレス女子に人気で、芸能プロダクションと契約してメディアの仕事をしていたほどである。
 
しかし、試合はあまりにも破天荒。華麗な空中技を持ち、その場でバク宙をして身体ごと相手にぶち当てるなんて朝飯前。トップロープから何回転もしてボディアタックをしてくる。
 
しかもプロレス入りする前はキックボクシングをしていてKー1から声がかかるほどの才能を持っている。試合でも蹴りのコンビネーションを決め、キレると相手をKOしてしまうほどの切れ味だ。
 
この3人に負けず劣らずの人気を誇るのが現在、新日本プロレスの主役である内藤哲也だ。
 
棚橋弘至に憧れて新日本プロレス入りをした少年は筋金入りの新日本プロレスファン。中学時代はお小遣いを貯めてプロレス観戦。高校時代からアルバイトで稼いだお金はすべて新日本プロレスに注ぎ込んだ。そのときにリングで奮闘していたのが棚橋弘至である。
 
棚橋を追いかけるために高校卒業後、元プロレスラーでアマレス五輪代表だった浜口京子の父・アニマル浜口が主宰するジムへと入門。プロレスラーになるべくトレーニングを積んだ。
 
その甲斐あって全受験生中トップで合格。棚橋の次に新日本プロレスの顔になると期待されていた。マスクも甘い顔立ちでアイドルグループのメンバーにいてもおかしくないほど。
 
しかし、オカダカズチカの帰国によってすべてが狂った。
 
そのオカダに追いつくべくリングでアピールを繰り返すも空回り。正統派なのにブーイングを浴びるようになる。
 
そんな環境に嫌気がさした内藤はメキシコへと逃げた。
 
自分の中で何かを変えるために。そのメキシコで見た光景はブーイングを浴びても楽しそうに試合をするプロレスラーの姿だった。
 
「ロス・インゴ・ベルナブレス」
 
スペイン語で「制御不能な奴ら」という意味を持つ。彼らに誘われた内藤は観客のコールを気にせずに好き勝手に暴れてみた。
 
すると、嫌いになりかけていたプロレスが面白くなったのだ。
 
「次の試合はいつだろう」「早く試合がしたい」
 
プロレスラーになった頃の気持ちに戻っていた。こうして自信を付けた内藤はブーイングを浴びても自分のペースで試合をし、観客をコントロールするまでになった。
 
付いた異名は「制御不能のカリスマ」
 
ずっと追いかけていた棚橋を超え、オカダに並ぶ新日本プロレスの顔となった。
 
プロレスラーにはストーリーがある。それはイケメンも同じである。やられてもやられても立ち上げる姿はきっとあなたの心に何かを刻んでくれるだろう。
 
かつてプロレスはにわかファンを拒絶し、マニアだけで楽しむようになって衰退した。しかしながらイケメンレスラーたちが女子をプロレス会場に連れてきてくれた。
 
これからも新たなイケメンレスラーが次々と生まれてくるかも知れない。そのとき、古参のファンはにわかファンと一緒に会場で、インターネット生配信で声援を送っているだろう。
 
 
 
 
***

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2020-10-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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