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創業昭和7年のお豆腐屋さんお気に入りの、食べたらホワホワ【しあわせになる】おとうふご飯の作り方


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事: 須黒 亮吉(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
ぴゅー、と冷たい風が吹いて、日に日に夕暮れが早くなる秋の頃。「早く衣替えして、あったかいセーター出さなくちゃ」とか思います。それと同じく【食べ物の衣替え】も同時に始まります。「アッツアツのおでん食べたい!」そうそう、すっかり日が暮れた帰り道で、突然そんな風に思いつくのです。
 
皆さんは寒くなってくると途端に食べたくなるものってなんですか? アツアツのお鍋や、おでん、トロトロのクリームシチュー、ホクホクの焼き芋とか食べたくなりますよね。その中でも、やっぱり食べたくなるのがホッカホカの湯豆腐です。
 
「なんだ湯豆腐かぁ……」と思ってしまったあなた。まだ本当においしい、絶品の湯豆腐を味わったことがないのかもしれません。湯豆腐って上手に作ると、とってもおいしくて、ホワホワしあわせになれるんです。
 
食べものってみーんなおいしいです。それぞれの食べ物には、その食べものなりのおいしさってありますよね? おいしさを言い換えてみると、例えば「すき焼き」だったら…… 綺麗なお姉さんにもう正面からギューってしてもらった感じ!!トロケマシタ~。 頭から湯気がシューっと出て来ちゃう様なおいしさ。それと比べると「湯豆腐」は…… お母さんに添い寝してもらって、背中をトントンさすってもらう感じ。ほっこりじんわ~り幸せなおいしさです。
 
すき焼きのお姉さんにはとても敵いませんが、ほっこりじんわりおいしい湯豆腐が、ほんのちょっとのコツで、簡単に作れちゃいます。お豆腐を毎日作って、もちろん毎日食べている、とうふ屋三代目の私から、これからみなさんにおいしい湯豆腐作りのコツをお伝えしたいと思います。
 
おいしい湯豆腐を作るポイントは3つあります。1つ目のポイントはもちろんおいしいお豆腐を選ぶこと。2つ目のポイントはお豆腐のおいしい温め方。3つ目のポイントはおいしいタレの作り方。では早速順番にお伝えして行きますね。
 
【1つ目のポイントはおいしいお豆腐選び】
 
湯豆腐のメインはなんといってもお豆腐ですよね。お豆腐は大豆・水・にがりの3つでできています。使っている大豆はお豆腐のおいしさを決める基本です。使う大豆の味でおいしさが大きく変わるんです。ですから甘みと風味がしっかりと味わえる【国産大豆を100%使用したお豆腐】を選んでみてください。国産大豆の国内自給率はなんと7%しかありません。言い換えたら93%は輸入の大豆です。貴重な国産大豆を100%使って作られたお豆腐を湯豆腐でぜひ味わってみて下さい。
加えて【天然にがり使用】と書いてあるお豆腐を選んでみてください。お豆腐は温かい豆乳に【にがり】を入れることで固まって出来上がります。大豆に含まれる植物性のたんぱく質が、にがりに含まれる塩化マグネシウムと反応して凝固反応が起きるのです。使われるにがりでお豆腐の食感が変わります。天然のにがりで固められたお豆腐は固まり方が柔らかく、湯豆腐で温めたときにホワホワと柔らかく、ふんわりと口触りの良い食感が生まれます。湯豆腐のメイン食材であるお豆腐は天然にがりで作ったおいしい食感ものを選んでみてください。
そして、出来れば絹ごし豆腐と木綿豆腐をそれぞれ一丁ずつ使ってみて下さい。滑らかな絹ごし、旨味たっぷりの木綿。同時に食べ比べると、どちらのお豆腐にも違った美味しさがあることに気づいていただけると思います。最近市場では柔らかい絹ごし豆腐の方が好まれる傾向にあります。ですが湯豆腐の時には、ぜひとも木綿豆腐も食べてみてください。きっと大豆の風味たっぷりの木綿豆腐のおいしさに気付いてもらえると思います。「あら! よく見たら案外いい男!」きっとそんな感じです。
 
【2つ目のポイントはおいしい温め方】
 
先ほど豆乳に苦汁を加えて固めるお話しをしました。タンパク質とマグネシウムが反応するためには、豆乳の温度が温かくなければいけません。大体65度から80度位までの温度の豆乳へにがりを入れると反応してお豆腐が固まります。湯豆腐ではお豆腐の温めすぎは厳禁です。
お豆腐を温め始めるときは、必ず水の状態からお鍋に入れて火にかけてください。お水の状態からゆっくりと時間をかけて温めることで、鍋の中でお豆腐もゆっくりと温まります。お豆腐がクラクラと少し動いて浮いてきた状態が食べごろです。温度の目安は60度から70度くらいの間です。それ以上温めてしまうとお豆腐に含まれるにがりが、お湯の温度で反応しお豆腐が硬くなってしまい、うまみが鍋の中に抜け出てしまいます。湯豆腐のお鍋のお湯がだんだんと黄色みがかって来るのは、お豆腐の中から出てしまった旨味のせいです。出来上がっても油断禁物。予熱でお豆腐が温まり過ぎないように、早めに鍋から取り出して食べてしまいましょう。
 
【3つ目のポイントはおいしいタレの作り方】
 
湯豆腐を食べる時、皆さんは何をかけて食べていますか? 最近は冷蔵庫の中のポン酢をシャーっとかけると言う人が多いのではないでしょうか。今日は、ポン酢一辺倒を卒業して、湯豆腐が1番おいしく食べられる、昔ながらの醤油とネギのタレの作り方をご紹介します。
 
【湯豆腐が1番おいしく食べられるタレの作り方】
 
材料
醤油  100 CC
酒   50 CC
みりん 50 CC
長ネギ 2分の1本
鰹節  1パック
 
作り方
①小さな鍋に醤油、酒、みりんを入れて火にかける。
 
②煮立ったら長ネギと鰹節を入れすぐに火を止める。
 
以上で出来上がりです! 以上? もう完成?! と思われるのは無理もありません。だってこんなに簡単に出来ちゃうんですから。これは作らない手はありませんよね。このタレで湯豆腐を食べたら「俺、湯豆腐100丁食べられるよ!」と、思わず中学生男子みたいなセリフが出て来ちゃうほど、すんごくおいしくパクパク、ひょいひょい食べられます。
 
では、おいしい湯豆腐が出来上がったところで、お待ちかねの実食タイム! ここで皆さんにお豆腐屋さんとっておきの湯豆腐の食べ方【おとうふご飯】の作り方を教えちゃいます。
 
【みんな大好き! おとうふご飯の作り方】
 
作り方
①熱々の炊きたてご飯を1膳用意します。
 
②絶品湯豆腐をご飯の上にフルフルと乗せます。
 
③湯豆腐が一番おいしく食べられるタレを上からたっぷりかけます。
 
④お豆腐を崩してご飯と混ぜながら、口の中いっぱいにほおばります(ヤケドに注意)
 
ホワホワの湯豆腐が、アツアツのご飯と合わさって、口の中で甘くトロンととろけます。「ああ……なんて幸せなんでしょう……」ほっこり、じ~んわりのおいしさです。
 
季節の変わり目。心も体も、そして胃腸も、どーっと疲れが出て来ますよね。「最近ちょっと疲れ気味だなぁ……」そんな時は、ほっこり、じんわりおいしい湯豆腐とおとうふご飯を頬張って、お背中トントンさすってもらってください。
 
秋深し、隣は湯豆腐をごはんに乗せて食う人ぞ(めちゃ字余り)
 
 
 
 
***
 
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2020-10-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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