メディアグランプリ

「他人の目」気にせず、心のままに生きるには


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:布袋綾子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
他人の評価を気にしてしまう。
そのような悩みを抱く方は、いないだろうか?
他人の目を気にしていると、尻込みして挑戦ができなかったり、自分の思い通りに進まなかったり。そう悩む人に対して、一般的な改善法を探してみると
「他人の評価なんて、気にしなきゃいいんだよ」
「自分は自分だから」
という言葉は、よく見聞きする。だが、本当にその言葉だけで片付けられるのかな、と私はふと疑問を感じていた。実際その改善法を試してみても、まだ気にしてしまう自分がいる。頭では理解していても、気にしてしまう、とでも言うのだろうか。そんな風に感じる人は、他にもいないだろうか?
 
私は、写真を撮ることが好きだ。
被写体は、散歩で出会った花だったり、自分の所属する会社のイベントだったり。写真の良さは「真空パック」できるところにある。なぜなら、その瞬間を切り取って保存できるから。写真を見るだけで、雰囲気や空気感、その場にいる人の感情までも思い出すことができる。その時に戻れるような気がするのだ。
忘れっぽくて、大切な思い出もよく忘れてしまう私だからこそ、写真の持つそんな魅力の虜になった。
 
写真を撮ることが好きになってから
「もっと緻密に残せたらいいのになぁ」
そう思うようになるのに、時間はかからない。私も例に漏れず、その思いを持ち、より高性能のカメラを一度使ってみたいと考えるようになった。技術次第な所もあるが、やはり性能による部分もある。憧れのようなものだ
「使ってみたいなぁ、どうしようかなぁ」
そう考えて始めてから2年、依然としてその目標は叶えられていなかった。
なぜそんなにも時間がかかってしまったのか。その間、気移りしたわけではない。諦めたからでも決してない。
もっと表現できるようになりたいなぁ、そうずっと思っていたものの、踏み切れなかったのは、他人からどう思われるか。それだけが心に引っかかっているのだった。
「まだ初心者なのに、生意気だ」
「そんなの機種の性能じゃなくて、技術でしょ」
上手な人に、そう言われてしまうような気がして、あと一歩が踏み出せないまま、2年の間、某値段比較サイトや店頭を毎日眺めるだけに終わっていた。
 
そんなある日、
「本当久しぶり!わぁ、髪すごく短くなってる! カナダでの生活はどう?」
大学在学時からの友人Yと、10年ぶりに再会した。
このYちゃんは昔から、一言で言うと全てが「広い」。心が広い、認識が広い、交友関係も広い。私と同じ、割と黙々と一人で作業することが多い理系の学部だったのにも関わらず、国・性別・年齢関係なく交友関係も驚くべき広さ。学校中どこへ行っても友人がいるのかと聞いてしまったくらいだ。今では自分が好きな国“カナダ”の大学院で、それまで学んできた分野とは別の研究に没頭している。
 
久々の再会でよくある「最近どう?」という話題になった。Yちゃんはカナダでの生活が毎日楽しいことを満面の笑みで話してくれる。一方、私は写真が好きになったこと、挑戦したいけれど人の目が気になるから勇気が出ないこと、を笑いながら話してみた。
その時、Yちゃんが一言、
「そうかなぁ。私だったら生意気だとか思わないけど。もしも、その状況が『あなた』でなくて『あなたと同じ状況にいる他人』に対してだったら、どう思う? 生意気だとか思うの?」
私はそこで、ふと気が付いた。
もしかして、周りから言われるのでは? と気にしていた言葉の数々。実は、『他人→自分』の言葉ではなく、『自分→他人』への思いなのではないか。
つまり、自分が他人に抱いたことのある思いだ、ということに。
「まだカメラ始めたばかりなのに、そんな上級モデルのを使うんだ。少しもったいない」
「いいカメラを使っていればいい写真が撮れるって訳ではないでしょ」
そう心のどこかで感じてしまっていたのではないだろうか、と。
自分は謙虚な方であり、我以外皆師なりという言葉を大切にして他人を尊敬している自負があった分、この発見はかなりショックでもあった。
 
「他人の目」と思っていたのは、実は他人に対する自分の目。そして、他人の目を気にせずチャレンジするのに必要なのは、他人の目を意識の外へ追いやることでも、自己肯定感を上げて他人の評価が気にならない状態になるのでもない、それでは根本の解決にはなっていない。本当の意味で他人の目を気にならなくするには、虚構である他人の目を消し去る他にない。虚構である他人の目、つまり「自分の中の偏見」をなくすべきだと気が付いた。
そう考えると、不思議と納得がいくのだ。
それからというもの、同じ挑戦をしているの他人を見つけると、自発的にプラスの言葉を掛けるようにした。
今では、あまり慣れていない人が上級モデルのカメラを使っていても、
「上手くなりたい気持ちが素敵だな、見習いたい」とか「成長志向がすごい!」とか、心の底から肯定的に捉えられるようになってきた。
 
それから間もなく、決心がついた私は、2年間想い続けた上級モデルのカメラに、アップデート。ついに念願を果たすことができた。まだ上手に使いこなせていないし、そんなのまだ早いよ、そう思う人もいるかもしれない。だが、今、私は撮ること、表現することが広がった気がして、前よりも楽しめるようになった。何よりも体験を買ったと感じている。こんなシチュエーションでも撮れる、そして、色んなものを撮って、同じく写真が好きな人と交流をしてみたいとまで思っている。休日は万年引きこもり・極度の引っ込み思案な性格だったが、一人旅にも行ってみたいとまで感じるほどに。
そのことを報告し、改めて感謝を伝えると、友人Yちゃんは、
「おー! 良かったじゃん! また日本に帰った時、私のこと撮ってよ!!」
と彼女らしさを感じる、底抜けに明るい向日葵のようなメッセージをくれた。
結果、1つの挑戦により獲得した、この小さな相棒は、持ち主である私の世界を広げてくれるそんな存在になったのである。
 
それからというもの、何かに挑戦したいけどできない、失敗をして落ち込んでしまう、もしもその要因が「他人からどう思われるか」であるときは、
「もしも、その状況が『あなた』でなくて『あなたと同じ状況にいる他人』に対してだったら、どう思う?」
と私に問うた、カナダ在住のビッグな友人の姿を思い出す。
1人映画も楽しめている、ノースリーブのブラウスを着れるようになった。
「いいじゃん! やれないことなんてないよ!」
他人の目が視界から消えると、同時にむくむく出てくる『自分らしさ』。こうして、今日も、私は我が道を進むのだ。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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