島旅のススメ〜式根島〜
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記事:E.MIO (ライティング・ゼミ日曜コース)
「すごい景色!!」
桟橋を出港して、約8時間、南へ向かう客船で一晩を明かした。外が明るくなってデッキに出ると、大きく景色は一変していた。青い大海原に浮かぶ幾つもの島々。白い大岩壁のあるダイナミックな形の島があると思えば、深い緑の円錐形の美しい形をした島があったり、ヴァラエティに富んだ島々が並んでいる。空も真っ青で、太陽も心なしか力強く照っているようだ。
つい8時間前に、仕事を終えて、ビルだらけの街の桟橋で乗船した時には、想像もできなかった風景がそこにはあった。
一体、ここはどこだろう?
陽が高く上がってくると大きな島々の陰に、小さな平べったい台形の形をした島が見えてきた。我々の目指す島だ。釣り道具やらキャンプ道具やら荷物をまとめて下船準備をする。
これらの島々は、驚くことに、なんと東京都の一部である。
東京都には、島嶼部が含まれているのはみなさんご存知だろう。島嶼部とは、伊豆諸島と小笠原諸島を指すが、我々が目指すのは、伊豆諸島の式根島だ。
伊豆諸島は、いわゆる「伊豆七島」で知られているが、実際は九島ある。これらの島々の中で、東京からのアクセスが良く、港への寄港が天候条件に左右されにくい島々はその半数ほどだ。更に、自動車を使わなくても気軽に回ることができる広さで野趣あふれる島はただ一島だけ、それが今回紹介したい式根島である。
式根島は、サーフィンで有名な新島からは、渡し船でわずか15分の距離にある小さな島だ。起伏のある大きな新島とは対照的に、式根島は、遠くから見ると平べったく見える。
大海原のど真ん中にあるにもかかわらず、浜松町近くの竹芝桟橋から、大型船で約12時間、高速船ではわずか3時間の距離にある島である。金曜日の夜に仕事を終えて、竹芝桟橋で大型客船に乗れば、土曜日の朝到着するし、日曜日の午後の高速船と組み合わせて利用すれば土日の2日間で楽しむことができる。理想は週末に1日加えた3日間滞在で、GWなどを利用して1週間くらいのんびり滞在するのもよい。
小ぶりな島であるため、式根島は、徒歩や自転車で十分に行き来ができる。貸自転車を借りれば、数時間で回ることができてしまうほどだ。移動に時間が取られることがなく、十分に島の魅力が堪能できるのである。
さて、そんな島の魅力だが集約すると五点ほどある。
まず、第一の魅力は、島は小さいが、民宿もキャンプ場もあり、自分のスタイルに合わせて宿泊場所が選べることである。GWや夏の繁忙期には宿も取りにくくなり、キャンプ場もいっぱいにはなるものの、なんとかテントを張るスペースは見つけることができるだろう。我が家は式根島といえば、キャンプである。主なキャンプ場は二ヶ所あり、繁忙期とそうでない時期で使い分けられているがいずれのキャンプ場も、砂浜が近くにある。繁忙期に使われるキャンプ場では、道具一式を事前に宅急便で送付しておくこともできるし、島の商店から必要な食糧を電話で発注してキャンプ場に取り寄せることもできる。民宿は民宿で、新鮮な海の幸を出してくれる宿も多く、食事に期待ができるし、長期滞在では割引も効く。
第二の魅力は、泳ぐことができる砂浜が複数箇所あることだ。伊豆諸島の中には、断崖絶壁に囲まれて砂浜のない島もあるなかで、式根島は小さいながらも砂浜のはしごも可能だ。キャンプ場のそばにも砂浜があるので手軽に泳ぐことができるし、透明度も高くて魚も豊富なので、シュノーケリングもオススメである。ちなみに、秋だと泳げないのでは?といわれるが、海水温は、実は夏よりも秋が高いので、ウエットスーツがあれば海面上のシュノーケリングは十分に楽しむことができる。
そして、式根島の第三の魅力は、釣りである。式根島は、黒潮が近くを通るため、多種多様な魚を年間通して釣ることができる。特に、泳げないシーズンには釣りはおすすめだ。普段は釣りなどしていなくても、島にある釣具店で竿とエサを揃えて、足場の良い堤防から糸を垂らしただけでも、十分に魚を釣ることができる。釣った魚は、キャンプであれば自分で料理して楽しむことができるし、民宿なら持ち込めばさばいて出してくれる。我が家は、普段はそれほど釣りをするわけではないが、式根島に来た時は毎日釣りに出かけている。
一方で、海だけでなくトレッキングも楽しむことができる。これが、式根島の第四の魅力だ。高低差があまりなく最高地点でも標高100メートル程度しかないが、十分にトレッキング道が整備されていて、林の中を抜けた展望台からは、白っぽい岩の大地が広がり、海を望むことができる。式根島は一部のエリアしか人が住んでいないこともあり、トレッキングは人に会うことも少なく、東京なのに南国風な木々が見られる林は、ワイルド感溢れており、季節を問わず楽しむことができる。
そして、第五の魅力は、温泉があることである。式根島は、もともと火山島で何箇所か温泉があって海のそばに野湯として湧いているところもあれば、きちんとした温泉施設もある。野湯として湧いているところは、海水の満ち引きに合わせて入る場所を選ぶ。黄金色のお湯は鉄分たっぷりだがとても温まるし、滞在中の大きな楽しみだ。
新型コロナウイルスの拡大も、日本では一時に比べればやや落ち着いたかに見える今日この頃、Go to トラベルキャンペーンで、国内旅行に出かける人たちも増えてきていると思う。とはいっても、遠出は控えたい、できれば近場でいいところはないかと考えている人たちもいるのではないだろうか?
首都圏から近場で、密にならず、日常からは離れられる自然たっぷりのオススメの場所として、式根島を紹介したい。まるで宝箱のようにぎゅっと様々な魅力が詰まっている。式根島に行きたいと思う人が少しでも増えれば幸甚である。
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